ファミリアの後継モデルとした誕生したコンパクトカーが、マツダ「アクセラ」だ。現時点での現行モデルとなる2代目は、マツダ渾身のスカイアクティブ技術を一部先取りし、2.0リッターのガソリンエンジン「SKYACTIV-G」、リニアなドライビングが楽しめるミッション「SKYACTIV-DRIVE」、アイドリングストップ機構「i-STOP」などを搭載して登場した。
そして3代目となる新型は、スカイアクティブ技術をフルに搭載しているのが最大のポイントとなる。今回は3代目のプロトタイプを取材することができたため、簡単に紹介したい。ただし、あくまでもプロトタイプのためスペックなどは現時点での数値。発売までに変更される可能性があることに注意してほしい。
まずはラインアップだ。ボディータイプは2代目と同じく、5ドアハッチバック「アクセラスポーツ」と、4ドアセダン「アクセラセダン」の2本立て。
セダンに搭載されるエンジンは1.5リッターガソリンのみとなるが、後日2.0リッターガソリンエンジン搭載のハイブリッドモデルが追加される予定となっている。ミッションは2WD(FF)車が6速ATと6速MT、4WD車は6速ATのみ。ハイブリッド車はCVTとなる。
一方、スポーツには1.5リッター&2.0リッターガソリン、さらに2.2リッターディーゼルと3種類のエンジンが用意される。ミッションは全モデルに6速ATを設定。1.5リッター車と2.2リッターディーゼル車は6速MTを設定し、2WD(FF)に加えて4WDもラインアップする。
新登場となる1.5リッターのスカイアクティブユニット「P5-VPS」は直列4気筒DOHC16バルブで、基本構造は2.0リッターユニットの縮小版。直噴、ミラーサイクル、可変バルブタイミングなど機構面は変わらず、圧縮比もスカイアクティブらしい13.0という高圧縮を採用する。スペックは最高出力82kW(111ps)、最大トルク144Nm(14.7kgm)と、非スカイアクティブユニットよりトルクアップを果たすと同時に、JC08モード燃費も15.6km/Lからスポーツの2WD/6速AT車で19.4km/L(同セダンは19.6km/L)と大きく向上している。
2リッターガソリンエンジンも「PE-VPS」から「PE-VPR」ユニットに進化。スペックは若干の向上にとどまるが、「i-ELOOP」の採用などにより、JC08モード燃費は19.0km/L(2WD/FF車)と大幅に向上。2.2リッターディーゼルエンジンはアテンザに搭載されているものと同じ「SH-VPTR」ユニットになる。
発売はもう少し先になるが、1.5リッターエンジン+6速ATをベースに、ハイブリッドやクリーンディーゼル、6速MTなど幅広い選択肢でも注目のアクセラ。デビューの時を楽しみに待ちたい。
セダン、ハッチバックとも「魂動」デザインを全面採用。撮影車両のボディーカラーはチタニウムフラッシュマイカ こちらはマツダ車でおなじみのソウルレッドプレミアムメタリック スポーツのボディーサイズは4460×1795×1470mm(全長×全幅×全高)。ルーフまわりは異なるもののリアドアはセダンと共通という CX-5、アテンザから続く「シグネチャーウイング」を採用 フロントグリルの中央にはプリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール用ミリ波レーダーが収まる フロントウインドー上部内側に赤外線センサーやハイビームコントロール用カメラを装着 ドアミラーはCX-5などと同じサイドにウインカーを内蔵するタイプ グリップタイプのドアノブ。キーレスエントリーシステムも採用 ガソリン車はレギュラー仕様。容量は2WD車が51L、4WD車は48L 2.0リッターガソリンおよびディーゼルエンジン搭載車のタイヤサイズは215/45 R18 1.5リッターガソリンエンジン搭載車のタイヤサイズは205/60 R16 新たにスカイアクティブ化された1.5リッターガソリンの「P5-VPS」ユニット ピストン、バルブ、インジェクターまわり。2.0リッターユニットと比べてみてほしい 6速AT「SKYACTIV-DRIVE」。低トルク対応と高トルク対応の2タイプあり、後者は現状のディーゼル車に採用されている テールパイプは2.0リッター車がデュアル、1.5リッター車はシングル 赤ステッチの本革巻ステアリング。形状はCX-5やアテンザと共通という雰囲気 2.0リッター車のメーターパネル。中央にタコメーターが収まる 1.5リッター車のメーターパネル。こちらはスピードメーターが中央 運転席前には「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」を用意 車速のほか、アクティブセーフティのステータスや警告、ナビのターンバイターンなどを表示できる 6速AT車のシフトレバー。ブーツが付いて高級感がアップ 片手でカーナビやオーディオの操作が可能なダイヤルを装備 新たに「マツダコネクト」と呼ばれるHMI(ヒューマンマシンインターフェース)を採用。各種情報の表示用としてインパネ上部に7インチのセンターディスプレイが用意される。ビジネスグレード以外で標準装備となる スマホに専用アプリをインストールし、Bluetooth接続することによってインターネットラジオなどさまざまなコンテンツが楽しめる 各種画面。センターコンソールのダイヤルのほか、停車時は画面タッチでも操作可能 デュアルゾーンタイプのオートエアコンを装備。その下にCDスロットが見えるが、こちらは地デジチューナーなどとセットオプション カーナビもオプション。ただし、ハードウェアは標準装備されており、SDカードで提供される地図を購入することで利用可能になる BOSEオーディオ車に装着される専用のアンプとウーファー。システム自体はアテンザと同じものだが専用チューニングが施される インパネ右側のスイッチ群。CX-5やアテンザと同じタイプ ボンネットとフューエルリッドオープナーはインパネ下部に設置 こちらは同オフホワイト。一部がグレーとなるコンビネーションタイプ スポーツのラゲッジ容量は350L。6:4分割可倒式リアシートを使えばさらなる大容量化が可能