「レクサス IS」は、トヨタ自動車の展開するレクサスブランドのスポーツセダンだ。
新型は2代目にあたり、「真の走る愉しさを実現する」ことをコンセプトに開発が進められた。その過程においてはニュルブルクリンクなどのサーキットをはじめ、あらゆる環境下で徹底的なテストを実施することでドライバーの感性に訴える官能性能を獲得したと言う。
先だってのプロトタイプに続き、今回は市販モデルを紹介しよう。
基本バリエーションは新たに追加されたハイブリッドモデルIS300hのほか、3.5リッターV6エンジンを搭載するIS350、2.5リッターV6エンジンを搭載するIS250の3タイプ。それぞれ標準グレードに加え、走りを重視した「F SPORT」、装備を充実させた「version L」が設定される。
F SPORTはグリルやフロントバンパー、アルミホイールが変更されるほか、ステアリングやシフトノブ、シート、メーターなども専用となるなど差別化。サスペンションも専用チューニングが施されたスポーツタイプとなる。version Lは225/45 R17タイヤ&アルミホイール、バンブーなどのオーナメント、セミアニリン本革シート、電動リアサンシェードなどが標準だ。ボディーカラーはF SPORT専用2色を含め全10色。インテリアカラーが5色、オーナメントは5タイプが用意されている。
IS300h
昨年末デビューした14代目クラウンにも採用されたFR用ハイブリッドシステムを搭載。エンジンは縦置き2.5リッター直列4気筒で、レギュラーガソリン仕様ながら最高出力131kW(178PS)/6000rpm、最大トルク221Nm(22.5kgm)/4200-4800rpmを発生。モーターはニッケル水素電池により駆動され105kW(143PS)、300Nm(30.6kgm)を発生する高トルクタイプが組み合わされる。
JC08モード燃費は23.2km/Lとハイレベルで、「平成27年度燃費基準+20%」「平成17年度基準排出ガス75%低減レベル」を達成しており、エコカー減税の対象車となっている。
車両価格はベースモデルが480万円、F SPORTとversion Lはともに538万円。 撮影車両はIS300h F SPORTでボディーカラーはエクシードブルーメタリック。
ボディーサイズは4665×1810×1430mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2800mmで最小回転半径は5.2m F SPORTは専用グリルやフロントバンパーによりスポーティなムードを強調 IS300hはLEDヘッドランプが標準。LEDフロントフォグランプはF SPORTに標準 フロントのポジショニングランプと同じく、リアコンビランプも矢印形の点灯パターン。ハイブリッドモデルらしくバッジにはブルーのアクセントが入る 2.5リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。車両重量は1670kgとIS350より30kgほど増加している ポップアップフードはクラウンではハイブリッドモデルのみの採用だったが、ISシリーズは全車に標準装備となった アグレッシブな造形のリアバンパー。マフラーエンドは見えないようにデザインされている タイヤはフロント225/40 R18、リア255/35 R18。アルミホイールは専用デザイン グリップ部にディンプルタイプの本革を採用したF SPORT専用のステアリングホイール。パドルシフトは全モデルに付く センターコンソールまわり。シフト後方、ドライブセレクターダイヤルの後ろに「EV」スイッチが付くのはIS300hのみ 可動式リングと液晶パネルを使ったF SPORT専用メーター リングを右に寄せた場合は左側が各種情報表示のスペースとなる リングをセンターにセットした場合は中央下部が情報の表示エリア カーナビゲーションは全車標準装備で、地図はMicroSDに収録されている 中段にはエアコンの操作パネルなど。左右の金属部分を指でなぞることで温度設定を変えることができる 「マークレビンソン」サラウンドサウンドシステムは全車オプション。標準ではレクサスISプレミアムサウンドシステムを装備する センターコンソール内には収納のほかオーディオ用USB端子とAUX入力端子が備わる 内部に仕切りが用意されたグローブボックス。右側に装着されているITSスポット対応ETCユニットは全車標準 ルーフ前端にはマップランプや各種スイッチ類。ヘルプネットにも標準で対応する サンバイザー裏にはバニティミラー。照明はルーフ部に付く F SPORTは専用ファブリックシートが標準。撮影車両にはオプションの本革スポーツシートが装着されていた 本革シート選択時にはバンブータイプのオーナメントが選択可。そのほかにクラフテッドラインウッドなどもチョイスできる。パワーウインドースイッチは全席ワンタッチ式 ブラックトリム、F SPORT専用ウェッジメタルタイプオーナメントの組み合わせ。トリムカラーはインテリアカラーによって異なり、写真のブラックのほかライトグレーもある F SPORT専用のスカッフプレートはレクサスロゴがブラック 3名がけのリアシート。ヘッドレストもきちんと3名分用意される 従来モデルより72L大型化したトランク。IS250の写真と見比べれば分かるが左タイヤ側が削られている以外は大きな差がないようだ リアシートは6:4分割可倒式。フラットにはならないものの長尺物の積み込みもOK フロア下は浅いトレイになっておりツール類が収納される IS350
ISシリーズのフラグシップグレードとなるのがこのモデル。エンジンは3.5リッターV型6気筒の「2GR-FSE」で無鉛プレミアムガソリンにより、最高出力234kW(318PS)/6400rpm、最大トルク380Nm(38.7kgm)/4800rpmを発生する。トランスミッションは電子制御の8速タイプが組み合わされ、JC08モード燃費は10.0km/Lとなる。
IS350 F SPORTにはABSやブレーキアシスト、トラクションコントロールに加えアクティブステアリングまで統合制御する「VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)」、ギア比可変ステアリング「VGRS」と後輪操舵「DRS」などの統合制御を行う「LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)」など、上位モデル譲りの制御システムが採用される。
車両価格はベースモデルが520万円、F SPORTが595万円、version Lが575万円。撮影車両はIS350 version Lでボディーカラーはソニックチタニウム。
レクサスのアイデンティティとなっているスピンドルグリル。上部が横桟、下部がハニカムのコンビネーションタイプとなっている IS350とIS250 には丸目1灯タイプのプロジェクター式ディスチャージヘッドランプが標準 エンジンルームは、318PSを叩き出す3.5リッターV6ユニットが収まるとは思えないほどスッキリ タイヤはフロント、リアともに225/45 R17が標準。撮影車両はオプションのフロント225/40 R18、リア255/35 R18タイヤに5本スポークタイプのアルミホイールを装着 水平基調のインパネ。シンプルながら高い質感はレクサスブランドのモデルならでは F SPORTと異なりオプティトロンメーターを採用。各種情報は中央部のディスプレイに表示 「マークレビンソン」サラウンドサウンドシステムはversion Lでもオプション 本革シート仕様はシートヒーターに加えベンチレーション機能も備わる version Lは全車セミアニリン本革シートが標準。F SPORTとは形状が異なる クラフテッドラインウッド(ブラウン)のオーナメントパネル トランクのフロア下は標準ではスペアタイヤスペースだが、オプションでパンク修理キットを選択することも可能 IS250
ISシリーズのベーシックグレード。エンジンは2.5リッターV型6気筒の「4GR-FSE」で、IS350と同じく無鉛プレミアムガソリン仕様。最高出力158kW(215PS)/6400rpm、最大トルク260Nm(26.5kgm)/3800rpmを発生する。ミッションは6速ATで、このモデルのみ2WD(FR)だけでなく4WDモデルも設定されている。
車両価格はFR車のベースモデルが420万円、F SPORTとversion Lはともに480万円。4WD車はベースモデルが460万円、F SPORTが550万円、version Lが518万円。撮影車両はIS250 version Lでボディーカラーはホワイトパールクリスタルシャイン。
エンジンルームは排気量が異なるもののIS350とほとんど同じ version Lのため本革シート仕様だが、こちらはカラーがアイボリー ガソリン車のトランクは480Lでハイブリッド車より30L多い