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今年も富士スピードウェイ(富士SW)で開催されたF1グランプリに行ってきた。1986年から23年間、初日から3日間コンプリートで観戦となる(鈴鹿時代に1度、フリー走行1回目を渋滞で遅刻)。今年は土曜のフリー走行3回目にやや雨が降ったが、昨年のような混乱もなくおおむね無事なイベントとなった。 筆者は名古屋から始発の新幹線で沼津へ、バスに乗り換えサーキットの駐車場に着いたのは9時35分だった。1回目の走行開始は10時、撮影ポイントで一番近いコカコーラコーナーに開始ギリギリでたどり着いた。 今回の機材は、カメラがキヤノン EOS 40D、レンズがEF300mm F4L IS、EF200mm F2.8L、EF100mm F2、EF-S17-85mm F4-5.6 ISと×1.4テレコンバーター(テレコン)、これに編集部がレンタルしてくれたEF400mm F4 DO ISだ。カメラはAPS-Cサイズの撮像素子を搭載したデジタル一眼レフなので、焦点距離はレンズ表記の1.6倍となる。たとえば300mmなら480mm、200mmなら320mmになるわけだ。この稿ではレンズ表記の焦点距離で記述していく。実質焦点距離は1.6倍されているとお考えいただきたい。 筆者は富士SWに対し苦手意識を持っている。鈴鹿と比較して長いレンズが必要なことが最大の理由だ。今回、編集部から依頼がきた際も躊躇したが、掲載サイズがSVGA程度でトリミングOKなことと、望遠レンズをレンタルしてくれると言うことで請けることとなった。
■コカコーラコーナー(3コーナー)
Eスタンド、コースに向かってEスタンド左側、およびその上の土手では、2コーナーから真っ直ぐ下ってきたマシンを正面から撮ることが可能だ。Eスタンド右側と、脚立が必須となるが土手を降りたやや100R側では、コーナーの縁石を抜けるマシンを正面から撮ることができる。ただし、トリミングなしでマシンを大きくフレーミングするには相当長いレンズが必要となる。筆者が今回使用した400mm×1.4のテレコンではかなりトリミングが必要となる。
と言うことでここでは巨砲を持ってない人には流し撮りがお薦めだ。Eスタンドよりやや手前、2コーナーよりの通路で撮影してみた。
■13コーナー外側
2回目のフリー走行まで2時間半、コースに沿って次の撮影ポイントに移動する。100Rはコースが近く、音もいい観戦場所だが、金網を避けることができないので撮影には不向き。ヘアピンは進入側、立ち上がり側といくつかポイントがあるが今回はパス。様子見にダンロップコーナーへ行くと、普段のレースと違い二重の幕で目隠しがされていて、Kスタンドの指定席券がなければ撮影どころか観戦もできない状態だった。結局フリー走行2回目は13コーナー外側で撮ることにした。
L席とN席の間に位置する13コーナー外側はかなり広めの観戦エリアだ。パッシングポイントのダンロップコーナーへの進入からネッツコーナーまで長い時間マシンを見ることができ、背中側には最終コーナーもチラッと見えたりし観戦場所としてもお薦めだ。撮影ポイントも左右に移動することでさまざまな角度から撮ることができる。ダンロップコーナーから外側の縁石に沿って駆け上がってくるマシンを正面から撮ることもできるし、ネッツコーナーへ向かうマシンを流し撮りすることもできる。 この場所も正面からの撮影は長めの望遠レンズが欲しい。コカコーラコーナーよりは少し近いが、400mm×1.4のテレコンではやはりトリミングが必要となる。撮影場所をネッツコーナー側に少し移動すると、イン側へ切り込んだマシンを正面から狙うこともできる。真正面ではないが、このアングルの方がマシンが近くなるので超望遠レンズを持たない人でも、マシンをやや大きくフレーミングすることが可能だ。正面からの撮影では一脚を使用している。 最終的にレタッチするのを前提で撮る場合、この様に被写体がフレームに小さく写るときは、AFポイントを中央1点にしている。カメラが被写体を認識できないと、背景のどこにフォーカスするか分からない不安と、中央のAFセンサーが一番性能が高いことが理由だ。もちろん被写体を意図的にフレームの淵によせてレイアウトする場合はAFポイントを移動している。
このくらいに写っていればレタッチソフトで加工する際も自由度が高い。トリミングしても2400×1600ピクセルの解像度は確保できる。今回は斜めにレイアウトしてみた。最初の撮った状態とはだいぶ印象が異なってると思う。
同じ場所でレンズとシャッター速度を変えながら流し撮りでも撮ってみた。最初は400mm×1.4のテレコンのままシャッター速度を1/160秒に落としている。背景の写り込みが少ないので、シャッター速度をそれほど落とさなくてもスピード感が得られる。
次はテレコンを外して400mmでの撮影だ。この状態でマシンはフレームにギリギリ納まる。シャッター速度も1/125秒に落としている。これくらいギリギリだと撮影時に頭やお尻が切れることも多いし、レタッチする時も自由度が少ない。少し水平を調整しょうと思ってもマシンが切れてしまうことになるので、もう少し短いレンズで撮った方が無難だ。
レンズを300mmに変更するとバランス的にはちょうどいい感じだ。撮影もしやすいし、後で加工する際も自由度が高い。背景に金網越しに観戦する人が流れて写り込むのでスピード感が出やすくなる。
レンズはそのまま、更にシャッター速度を1/60秒に落とした。筆者はシャッター速度を徐々に落として撮影することが多い。撮影が進むと、身体が流し撮りに慣れ、成功率が上がるような気がしている。
背景が路面と芝だけよりは、何かあった方がスピード感が出るので、コーナーイン側のFUJI TVの看板を入れて、シャッター速度を1/40秒にして撮影。シャッター速度を遅くするとマシンの前後のブレも大きくなる。コーナーリングの回転中心(100Rだったらイン側100m離れた場所)から撮影しない限り、マシンはフレームの中で水平方向に回転するので避けられない現象だ。よって流し撮りはシャッター速度が遅ければいいと言うわけではない。リヤウイングの翼端坂のスポンサーの依頼で撮影する写真は、ある程度シャッター速度を上げないとロゴが全部ブレてしまうことになる。見る側、撮る側の好みもあるしバランスを考えながら撮影する必要がある。
レンズをグッと短くして背景を目一杯入れて撮ってみた。標準ズームを使用して焦点距離は83mm。遠くにダンロップコーナーへ進入するマシンも写っている。これまでの数枚がどの位置でシャッターを切ったかもこの絵を見ると分かるだろう。
初日の撮影はここまで。ホテルでパソコンにデータを移して確認すると事件発生。レンタルしたEF400mmF4DO ISに×1.4のコンバーターを付けて撮った写真にピンボケが多発。後日、返却前に300mm+×1.4、400mm単体と電車を比較撮影したところ400mm+×1.4だけが極端にAF性能が劣っていた。個体差なのか、性能なのか詳細は不明だが残念な結果となった。 ■ネッツコーナー
ネッツコーナーよりの方が短いレンズで撮れるが、人垣が半端じゃない状態なので最終コーナー寄りで撮ることにした。レンタルしたレンズを使えばトリミングなしでもと目論んでいたが、撮り直しができない撮影なので、安全を重視して短めの望遠でトリミング前提を選択した。最初は300mm+×1.4、途中から400mm単体に変更したが、F値は違うが焦点距離がほとんど一緒なので、夕方にでもならない限りメリットがない組み合わせだ。
撮影場所をさらに最終コーナー寄りに移動して流し撮りだ。ここは金網も低めで、距離も近いので、200mmのレンズで十分だ。雨も止み路面はややウェットだが、レコードラインはほとんど水煙が上がらない状態だ。絵的にはタイヤから水煙が尾を引く感じが撮りたかったが仕方ない。
セッション終了間際になると最終コーナー手前のこの場所では、各マシンがスローダウンして前車との間隔を広げたり、加減速を繰り返したりさまざまな動きを見せる。スロー走行するBMWの脇をトロロッソが駆け抜ける瞬間を撮ってみた。
■予選
ホテルに戻って画像をチェックすると、前日のピンボケ多発は解消されていた。取りあえずは一安心。決勝は基本的に観戦モードなので撮影する必要はないだろう。 ■決勝
レース中盤の落ち着いたところで少しだけ撮影をしてみた。スタート直後は撮影ポイントは人垣で近寄れないほどだが、時間が経つとそれなりに少なくなる。初日と同じ場所だがレンズは200mmと短め。流し撮りは手前の金網がうっとうしいが背景のザワザワした感じは悪くない。上部に写る発光物は順位を知らせる電光ボードだ。
タイヤ交換したライコネンとクビサが接戦になったので、Eスタンド左横で正面から撮影。レンズが200mmなので縦位置にして遠くに見えるDスタンドを背景に入れる。AFポイントは左下1点にして撮影。更にトリミングした。
レース結果はご存じのとおり、波乱の末アロンソが優勝した。スパの残り3周の雨からモンツァ、シンガポール、富士と4戦連続で波乱の面白いレースが続いたが、中国は落ち着いた展開で終わった。残り1戦、ブラジルはどうなるのだろう。 富士SWに関しては、運営面は昨年のトラブルから一転、特に問題もなかった。筆者が一番驚いたのは、沼津からサーキットへ向かうバスが、土日は御殿場インターではなく、足柄SAから一般道へ降りて民家の間を抜ける裏道を使って渋滞を避けたことだった。 来年の日本GPは鈴鹿での開催となる。筆者にとっては富士SWより撮りやすい鈴鹿だが、現在大規模な改修が行われている。既にVスタンドと1-2コーナースタンド以外はピットもS字も逆バンクも更地に近い状態だ。改修後も従来どおり撮影者に優しいサーキットになってくれることを期待したい。 ■URL
(奥川浩彦)
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