特別企画
【特別企画】ガルーダ・インドネシア航空で自動車関連企業の進出著しいインドネシアへ1泊3日の弾丸旅行
経済成長のジャカルタと、癒やしのバリをハシゴ
(2014/7/28 08:50)
インドネシア共和国は、ここ数年自動車関連企業の進出が相次いでおり、自動車生産台数、販売台数が飛躍的に増加。インドネシア自動車工業界(GAIKINDO)の発表資料によると、リーマンショック翌年の2009年こそ前年を割り込んだものの、それ以降は過去最高の自動車生産台数・販売台数を記録し続け、2013年の自動車生産台数は120万8211台に達した。2009年が46万4816台なので、数年で倍増したわけだ。
●インドネシア自動車工業界(GAIKINDO)
http://gaikindo.or.id/
経済成長率も年平均で約6%と高い成長率を維持しており、成長を続けるアジア各国のなかでもとくに注目されている国だ。この経済成長を支えるのが、2億3251万7000人という人口と、20歳未満が35.5%と若い国であること(2009年、JETRO調べ)。中国(13億5414万6000人)、インド(12億1446万4000人)にはおよばないものの、タイ(6813万9000人)やマレーシア(2791万4000人)、ベトナム(8902万9000人)に比べると大人口であることが分かる(中国、インド、アメリカ合衆国に次いで世界4位)。
このインドネシアには、トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車工業、ダイハツ工業、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バスが車体や部品の生産工場を展開しており、先日紹介したボッシュの年次総会でもインドネシアに工場を新設し、2014年6月からインジェクターなどの製造をスタート。日系の自動車メーカーの生産をサポートしていくことが表明されていた。
●ボッシュ、2013年度を総括するとともにIoT対応センサーなど将来の技術動向を紹介
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140711_657554.html
この旺盛なビジネス需要を背景に、日本-インドネシア間の航空需要も伸びており、ガルーダ・インドネシア航空は、羽田とインドネシアの首都ジャカルタを結ぶ直行便を6月16日に新規開設。同社が従来からもつ、成田-ジャカルタ、成田-デンパサール(バリ)、羽田-デンパサール(バリ)、関空-デンパサール、関空-ジャカルタ(週4便)の日本~インドネシア直行便(週32便)と合わせることで、週39便のネットワークになった。
そのガルーダ・インドネシア航空から、「1泊3日の弾丸出張をしてみませんか?」というお誘いがあり、ガルーダ・インドネシア航空を体験してみることにした。
時間を有効に使える便の多いガルーダ・インドネシア航空
ガルーダ・インドネシア航空が日本に持つネットワークは以下のとおり。
GA875:東京(羽田) 0時30分発→ジャカルタ 6時着 6月16日新規開設路線
GA874:ジャカルタ 13時5分発→東京(羽田) 22時35分着 6月15日新規開設路線
GA887:東京(羽田) 11時45分発→デンパサール(バリ) 17時55分着
GA886:デンパサール(バリ) 0時25分発→東京(羽田) 8時50分着
GA885:東京(成田) 12時発→ジャカルタ 17時30分着
GA884:ジャカルタ 23時30分発→東京(成田) 翌9時着
GA881:東京(成田) 11時発→デンパサール(バリ) 17時25分着
GA880:デンパサール(バリ) 0時30分発→東京(成田) 8時50分着
GA889:大阪(関西) 12時発→ジャカルタ 17時着
GA888:ジャカルタ 23時20分発→大阪(関西) 翌8時15分着
GA883:大阪(関西) 11時発→デンパサール(バリ) 17時10分着
GA882:デンパサール(バリ) 0時35分発→大阪(関西) 8時30分着
この内、関空-ジャカルタ便のみ月・火・金・日に運航しており、そのほかは全便毎日運航している。インドネシアは東西に長い国なので3つのタイムゾーンに分かれており、ジャカルタと日本の時差は-2時間、バリは-1時間となる。
時刻表を見てすぐに気がつくのが、夜に出て朝に到着する便が多いこと。新規開設の羽田→ジャカルタ便もそうだし、インドネシアから日本に向かう便はジャカルタ→羽田便を除きすべてそのようなスケジュールになっている。時差も小さいことから、航空機内でゆっくり寝られれば、インドネシアでの活動時間、日本へ帰国後の活動時間を最大限に活かせるものになっている。
今回ガルーダ・インドネシア航空から提案されたプランが、新規開設のGA875便で羽田からジャカルタに行き、ガルーダ・インドネシア航空の本社や格納庫を見学。その後、ガルーダ・インドネシア航空の国内ネットワークを活かしてジャカルタからバリへ移動。バリ到着時は夜になっているため、バリで1泊して翌夜にGA886便で羽田に帰るというもの。癒やしの島であるバリと日本の直行便はガルーダ・インドネシア航空しか運航しておらず、それも含め体験してほしいとのことだった。
新規開設の羽田→ジャカルタ便でインドネシアへ
6月16日、新規開設の羽田→ジャカルタ便(GA875便)でいざインドネシアへ。新路線の開設日には拡張された羽田空港の国際線ターミナルにある141番ゲートでセレモニーも開催された。ガルーダ・インドネシア航空の所属する航空アライアンスはスカイチームだが、同社はANA(全日本空輸)とも協力関係にあり、GA875便はANAのNH5481便としてコードシェアフライトを行っている。スカイチームのマイルやポイントをためている人、スターアライアンスのマイルやポイントをためている人のいずれでも使いやすい便だろう。
羽田→ジャカルタ便の使用機材はエアバスの大型旅客機A330-300。エコノミークラス215席、ビジネスクラス42席の仕様だ。
●A330-300シートマップ
http://www.garuda-indonesia.co.jp/service/seatmap/a330-300/
エコノミークラスはカップルで乗れば通路側を使いやすい2-4-2仕様でシートも明るいデザイン。ビジネスクラスは余裕の2-2-2仕様で、シートをフラットにすることもできる(170度)。今回乗ったのはビジネスクラスで、そのフラットさを堪能することができた。ガルーダ・インドネシア航空のスタッフによると、同社のビジネスクラスは比較的安価に買うことができ、8月25日までは東京(羽田)~ジャカルタ線を対象としたスペシャル運賃も設定。ビジネスクラス、エコノミークラスともさらに安価に提供しているとのこと。深夜便となるだけに、余裕があるならビジネスクラスがお勧めであるとのことだ。
●ガルーダ・インドネシア航空(オンラインチケット販売)
http://www.garuda-indonesia.co.jp/
ビジネスクラスでチェックインし、拡張された羽田空港国際線ターミナルに新設されたラウンジに立ち寄り。ビジネスクラスであればラウンジを使用できる。このラウンジはデルタ航空やキャセイパシフィック航空と供用のTIATラウンジで、簡単な飲み物や食事を取ることもできるようになっていた。出発時刻が深夜のため、コーラを1杯飲むだけで早々に搭乗ゲートに向かう。
搭乗時刻に搭乗ゲートをくぐり、A330-300機内に乗り込むと、日本で乗る機会の多いボーイング機と雰囲気の違う室内が広がる。エアバス機でも通路が1つのA320は国内導入が多数されているが、通路が2つのA330は国内航空会社ではスカイマークが運航するのみ。導入機数も少なく、筆者にとってA330は初めての搭乗機会だった。
席について最初に確認したいのは電源の位置。ビジネスクラスだけあってAC電源はユニバーサルコンセントを搭載。USB電源も別途搭載しているので、スマートフォンの充電などにも便利だ。テーブルも広く、13インチのMacBook Airをラクラク置くことができる。隣の人と共用となるものの小さなサイドテーブルも用意されていた。
ロクシタンのアメニティグッズも用意され撮影などをしていると、CAさんがウェルカムシャンパンをもってやってきた。「いかがですか?」といわれるままにシャンパンをついでもらい、しばしリラックス。「飛行機が飛ぶ前からこんなのでいいのか?」と思いつつ2杯目もいただいてしまった。
羽田→ジャカルタのフライトは約7時間半。そのため夕食と朝の軽食が機内食として出る。ビジネスクラスの場合、夕食は洋食、インドネシア料理、和食から選べメニューも豪勢なもの。ガルーダ・インドネシア航空のためインドネシア料理を選んでみたが、非常に美味しかったものの深夜に食べる量としてはボリュームがあった。欧米人と日本人では要求する料理の量が違うのは理解しているが、量の少ないシンプルな料理も選べるとうれしい部分だ。
さらにこれで足りない人は軽食を頼むことができる。「ビーフ、チキン、魚のすり身のサテ」「ナシゴレンとフライドチキン」「海老の天ぷらうどん」などなど。食事が足りないということはあり得ないほどのサービスだ。
料理が充実していれば、飲み物も当然ながら充実している。ロゼのシャンパン、ワイン、日本酒、ソフトドリンクなどなど。ビジネスクラスであれば隣の人を気にせずトイレに行けるので飲み物も気楽に頼みやすい。お酒を飲んでぐっすりというのが普通のパターンだが、紅茶好きの自分としては「セイロン茶」「ラプサン ソウチョン」「アッサム」と本格的な紅茶が用意されているのがなによりだった。コーヒーも、「リントン(スマトラ産)」「マンデリン(スマトラ産)」とあり、エスプレッソ、フレンチプレスといった楽しみ方ができる。
食事の後、就寝する際はビジネスクラスのシートを電動でフラットにすればよいだけ。フラットシートの寝心地は抜群で、一度このようなシートで寝ることを覚えてしまうと、二度と戻れないほどの魅力をもっている。近年各航空会社がビジネスクラスのシートに力を入れているが、そのような魔力にはまったビジネスマンが多く、ノンフラットシートに戻れなくなったためだろう。
食べて、飲んで、寝て、としているうちにあっさりとジャカルタのスカルノハッタ国際空港へ到着。天候にもよるだろうが、着陸も非常に見事でパイロットの技術力が感じられた。
ここからはガルーダ・インドネシア航空の本社を見学。今回のスケジュールは、東京→ジャカルタ→バリを1日で移動するというもので、朝ジャカルタに着いた後、現地を視察するというイメージとなるのだろうか。朝6時過ぎにジャカルタに着くため、ちょっとした時間調整後、ガルーダ・インドネシア航空本社に入ることができた。
伸びゆく経済を背景にした伸びゆく航空会社
ガルーダ・インドネシア航空は、現在企業規模を伸張している。2014年3月末の保有機材は141機。2015年までに194機を運用しようとしている。その背景にあるのが伸びゆくインドネシア経済で、国際的な航空アライアンスであるスカイチームにも2014年3月加盟。グローバルな航空会社への飛躍を目指し、2013年には航空会社の格付け会社であるスカイトラックスから世界8位の評価をもらっている。
ガルーダ・インドネシア航空本社で訪れたのは、航空機の運航を司る「Operation Control Center」や、航空機の整備施設など。Operation Control Centerでは、壁一面にガルーダ・インドネシア航空の保有機材がリアルタイムに映し出され、どこをどのように飛んでいるかが分かる。本社を訪れたのは9時過ぎだったが、それでも多数の飛行機が朝から飛んでいた。
整備施設は、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港に面しており、空港との行き来が容易になっている。ここでは航空機の定期点検などを実施。Operation Control Center見学後に訪れたが、ちょうど羽田から乗ってきた機体が点検を受けていた。非常に清潔感あふれる格納庫で、このような場所にしっかり投資が行われているのは素晴らしいと思った。精密機器の塊である航空機だけに、しっかりした整備体制が作られているのは、きっと機体の運用信頼性向上にもつながっていくだろう。
この格納庫には、サービス訓練用のDC-9(?)、ガルーダ・インドネシア航空配下のLCC(格安航空会社)であるシティリンクの航空機なども置いてあった。
国内線でバリへ。そこには癒やしのホテルがあった
ガルーダ・インドネシア航空本社であちらこちらを見た後、同社の国内線でバリへ。バリは日本でもリゾートの島として知られており、島内各地にリゾートエリアが存在する。
ジャカルタのスカルノハッタ国際空港を16時15分に飛び立ち、19時15分にバリのデンパサール空港に降り立つ飛行機に搭乗。フライト時間は3時間かと思いきや、ジャカルタとバリの時差が1時間あるため2時間の飛行機旅。ジャカルタは日本との時差が-2時間だが、バリはわずか-1時間の島になる。
ジャカルタ→バリはA330の国内線機材で移動。印象的だったのは非常にアジア系の人が多かったこと。北京語に聞こえた部分もあったので、中国や台湾の人たちが乗客の多数を占めていたのだろう。ハワイがそうであるようにバリ島は中国や台湾にとっても魅力的なリゾート地であるようだ。
バリのデンパサール空港からクルマで30分ほど走ったところがバリでの宿泊地「リンバ ジンバラン バリ(RIMBA Jimbaran Bali)」(以下、リンバ)。リゾートホテルである「アヤナリゾート & スパ バリ(AYANA Resort and Spa Bali)」(以下、アヤナ)の広大な敷地内に2013年に作られたばかりのリゾートホテルになる。アヤナが海に面しているのに対し、リンバは木立に囲まれており、オーシャンビューのアヤナ、フォレストビューのリンバのような位置づけになっている。同一敷地内にあるため、リンバの宿泊者はアヤナの、アヤナの宿泊者はリンバの施設を利用でき、互いの施設を行き来するシャトルバスも用意されている。
リンバに到着したときにはすでに暗く、なんとなく豪華そうなホテルだなと思ったものの全貌は分からず。翌日ホテルのスタッフに両施設を案内していただいた。
翌朝、ホテルの部屋からあちこちを眺めてみると、森のホテルながらまわりをさまざまなプールに囲まれていることが分かる。6層で構成されたプールとラグーンをもち、プールにはウォータースライダーや、子供用プール、そしてプールバー(ビリヤードではなく、本当にプールの中にイスがありお酒を飲める)などを備える。プールアクセスルームもあり、その部屋ではプライベート感覚でプールを使うことが可能だ。
このリンバでよいのは、アヤナの施設を利用できるところ。アヤナのプライベートビーチ、テルマムラン バリ スパ、アクアトニック海水セラピープール、ビューティサロン、そしてウェディング施設などなど。もちろん、各種レストランも利用でき、利用料はすべて部屋付けにできる。ホテルのスタッフによると、宿泊代はオーシャンビューとなるアヤナのほうが高めで、フォレストビューとなるリンバのほうが安価とのこと。どちらに泊まっても利用できる施設に区別はつけられていないので、コストパフォーマンスを重視するならリンバ、眺めを重視するならアヤナといった選び方でよいだろう。
ホテルの作りは、建築年度の新しいリンバがモダンであるのに対し、アヤナはバリの伝統を感じるものになっている。いくつかの部屋を見学させてもらったので、下記に紹介しておく。ホテルの宿泊費は季節によって変動するので、両ホテルのWebサイトから確認してほしい。
●リンバ ジンバラン バリ
http://www.rimbajimbaran.com/jp/home
●アヤナリゾート & スパ バリ
http://ayanaresort.com/jp/home
このホテルリゾートでとくに素晴らしかったのがテルマムラン バリ スパ。というスパ施設。ボディー スクラブやハーバルフラワーバス、各種のマッサージを受けることができる。待ち時間にはちょっぴりショウガの味のするジンジャーアイスティーが提供され、バリの気候を満喫しつつ、ゆっくりとした時間が流れる。
女性目線だとまたチェックポイントが違うのだろうが、男性目線だとリンバとアヤナにそれぞれドライサウナがあるのがうれしかった。確かにタラソテラピーなどもゴージャスな癒やしではあるのだが、癒やしといえばやっぱドライサウナだよねという気持ちもある。バリまで来てドライサウナばっかり入っているのはどうかと思うが、あるなら入ろうドライサウナだ。
また、リンバの部屋、アヤナの部屋にあるトイレにはマニュアル式の洗浄便座が装備されている。筆者自身は違うが、「洗浄便座がないトイレはイヤ!!」という人は多い。そんな人にも安心して勧められるホテルだ。
バリの最後は、アヤナリゾートにあるバー「ロックバー」で過ごした。このロックバーは、インド洋に突き出た岩の上にあるバーでサンセットが楽しめる。地元でも大人気のため入場待ちの列が伸びていたが、リンバやアヤナの宿泊者であれば優先案内があるため一般の入場者より早く入場できる。おかげで日没時刻に間に合い、サンセットを十分堪能することができた。
すっかり日が暮れたため、ホテルを後にバリのデンパサール空港へ向かう。帰国便は、デンパサール(バリ)0時25分発→東京(羽田)8時50分着のGA886便だ。出発が30分程度遅れたものの、羽田到着時はある程度の遅れを取り戻していた。帰国時もビジネスクラスに乗ることができ、素敵な料理&ドリンクと、フルフラットシートによる快適な睡眠を得ることできた。帰国後すぐに取材案件があったが、正直フルフラットシートで寝ていなければ激しくつらいものだったろう。もう若くない、そして帰国直後に仕事がある人はビジネスクラスを強くお勧めする。そもそも余裕を持って休暇を取ればよいのではあるが、そういうわけにはいかないのが仕事というものだ。
いよいよ夏本番。夏休みの旅行にインドネシア方面を検討している人もいるだろう。インドネシアであれば時差も小さく体への負担も小さい。今回、1泊3日の弾丸日程となったが時差ぼけはまったくなかった。バリだけであれば時差は1時間なのでなおさら少ないだろう。自動車関連の日程を挙げると、年々盛んになるインドネシア国際モーターショーが今年は9月18日~28日まで開催される。ガルーダ・インドネシア航空のネットワークを活かして、インドネシア出張、ジャカルタ&バリ旅行を検討してみてほしい。
なおガルーダ・インドネシア航空は、8月4日より東京(成田)~デンパサール(バリ)線に大型機のボーイング777-300ER型機を導入し夏休み需要に応えていく。