まるも亜希子の「寄り道日和」
日本EVフェスティバルに参加して感じたこと
2022年12月15日 00:00
2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)は、軽自動車として初めて日産「サクラ」/三菱自動車「eK クロス EV」が大賞に輝き、2022年はまさにEVが自動車業界を席巻した歴史的な年になりました。日産「リーフ」が登場した2010年に、リーフがEVで初めてCOTY大賞を獲得しているのですが、当時はまだまだEVは特別で珍しい存在。12年経った今、EVをすでに所有している人、EVを購入候補に挙げる人、EVに興味を持つ人は劇的に増え、急速に身近な存在となっていると思います。
今回、第28回を迎えた日本EVフェスティバルに参加してみて、例年にも増してそのことを実感しました。日本でいちばん長い歴史を誇る日本EVクラブが主催するこのイベントは、当初はEVを使って走ることを楽しむイベントとしてサーキットで開催されていましたが、近年は都市型に移行し、お台場の東京国際交流館で開催。公共交通機関でも来場しやすく、マイカーを持たないファミリーや若い世代のグループなどの参加も目立つようになりました。
私はいつものように、最新EV試乗会のインストラクターを務めさせていただきましたが、今まではEVに乗るのが初めて、という参加者が多かったのが、今回は「テスラに乗ってます」という人がなんと3組もいてビックリ! 試乗中も、ガソリン車と比べてどうかという感想ではなく、テスラと比べた長所・短所が聞けたので、私も勉強になりました(笑)。
例えば、テスラはドアを開けてブレーキを踏めばすぐに発進できるのに、いちいちスタートボタンを押すのが面倒だとか。爆発的な加速力も、国産EVはとくにテスラにはかなわないので、刺激が物足りないようでもありました。でも、バックモニターの見やすさ、鮮明な画像にはテスラオーナーも感動。その参加者はモデル3のオーナーでしたが、車庫入れの際にバックモニターがあまりよく見えないのが不満だと言っていました。テスラのオーナーはテスラにしか興味がないのかなと勝手に思っていたので、こうした声が聞けたのは大きな収穫。これからはどんどん、こうしたコミュニケーションが活発になっていくでしょうね。
さて、今回のEVフェスティバルでは、新企画がたくさんありました。1つは、最近少しずつ増えてきた電動バイク展示。モトクロス風のデザインがかっこいい、GASGASのMC-E5や、法人向け電動ビジネススクーターのBENLY eなどすでに買えるモデルもあるなか、その可愛さと斬新さに釘付けとなったのが、ヤマハが試作車として出展していた「転ばないバイク」のTRITOWN。ラストワンマイルを担う電動パーソナルモビリティですが、常々「倒れないバイクがあったら乗りたい」と言っている私には夢が広がるノリモノです。
続いてEVフェスティバル初となった新企画が、Kids電気カート組み立て体験。これは単独企画で開催するたびに応募者が殺到し、キャンセル待ちが出るほどの人気なのですが、今回もたくさんの親子が真剣に組み立てている様子が印象的でした。電気で走るノリモノを自分の手で作るって、すごい経験ですよね。
そしてもう1つ、子どもから大人まで楽しめる新企画、デジタルスタンプラリーもありました。会場の向かい側にある日本科学未来館とも連携して、スタンプを集めると素敵なプレゼントがもらえるということで、スマホ片手にお散歩気分で楽しんでいる人を見かけました。
また、いつものように屋外の展示も見応えがあったのですが、会場3階のEV関連企業や自治体の展示ブースも面白かったんです。これからインフラを整備していく上で避けて通れない、マンションに住む人たちの充電問題。その業界シェアNo.1となっているユアスタンドや、ENECHANGE(エネチェンジ)が出展。さらに、EV充電スポットとその周辺の美味しいごはん情報がすぐに検索できる「EVごはん」はとても面白いサービスですよね。そして、独自にEVイベントを開催するなど、積極的にEV導入に取り組んでいる山形県飯豊町のブースもありました。
EVフェスティバルを見て回っているとまさに、あちこちにEVの種が撒かれ、それが1つずつ花を咲かせているということを実感。わが家も、近所しか走らない義母の愛車にEVを検討していますが、何事もまずは最新情報収集と経験者のいろんな話を聞くことが大切なので、同じようにEVを検討している方はぜひ、日本EVクラブのWebサイトやイベントをチェックしてみてくださいね。