まるも亜希子の「寄り道日和」
日本カー・オブ・ザ・イヤーの季節がやってきました
2022年12月1日 00:00
ハロウィンが終わり、街にクリスマスの飾りが増え始めるころ、やってくるのが「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考時期です。まずは11月初旬に、48台のノミネート車(2021年11月1日から2022年10月31日までに発表または発売されたクルマ)の中から、一次選考として上位10台が選ばれ、最終選考会に進むことになります。
今回興味深かったのは、昨年(2021-2022)のノミネート車がわずか29台と寂しかったのに比べて、今年(2022-2023)は19台も増えたこと。コロナ禍などで開発や発売が遅れていたクルマたちが、ここへきて一気に世に出てきたような印象です。とくに日本車は、海外拠点との開発の連携がとりにくくなってしまったり、海外でのテスト走行がなかなかできなかったため、開発スピードも遅くなってしまったという話を少なからず耳にしていたので、ようやく以前のような流れに近づいてきたのかなと感じました。
さらに、ノミネート車のうちじつに30台が輸入車で、昨年の2倍に増えていることも、決してコロナ禍と無関係ではなさそう。また、EVのノミネートが15モデルと過去最高を記録したことで、いよいよ電動化のビッグウェーブが押し寄せてきたことを実感しますね。実際、10ベストカーとして最終選考会に残ったモデルの中にも、EVが4モデル! 今年は同点が1組あったことと、日産サクラと三菱自動車ekクロスEVが連合しているので、計12モデルが10ベストカーとなっていますが、それにしても3分の1がEVというのは驚きでした。
そして、いつものように最終選考会のための確認を行なう場として、10ベスト試乗会が袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催され、12モデルとK-CARオブ・ザ・イヤーのノミネート車であるダイハツ・ムーヴキャンバスの計13モデルに一気試乗してきました。
コロナ禍となってからは、輸入車の本国のエンジニアなどが来日できなくなっていたため、なかなかお会いする機会がなくなっていたのですが、今年は久しぶりに本国から応援にやってきてくれた方が増え、貴重なお話を聞けたのは本当に嬉しいことでした。中でもいちばんのサプライズが、噂に聞いて見てみたいなぁと思っていた、ルノーのフルハイブリッドシステムである「E-TECH HYBRID」を作ったというレゴ! それをようやく見ることができたのです。
ルノーの経営陣に開発スタートを認めてもらうために、言葉や資料で説明するよりも、実際に動いているところを見せた方が説得力があるからと、エンジニアが知恵を絞ってレゴで再現し、プレゼンで見事、OKを勝ち取ったというエピソードはすごく熱意が伝わってきていい話ですよね。デジタルを駆使した映像でもなんとなく分かったような気にはなっていたのですが、やっぱりレゴを目の前に置きながら説明を聞くと、より分かりやすく、何よりワクワクしてくるのが不思議でした。
そんなわけで、最終的な確認の試乗と、こうした有意義なコミュニケーションの機会をいただいたことに感謝しつつ、その後ウンウンと頭を痛めながら最終選考会の投票を済ませ、あとは12月8日の発表を待つのみ。最終選考会と表彰式の模様は、日本カー・オブ・ザ・イヤー公式YouTubeチャンネルで配信されますので、ぜひ一緒にドキドキして行方を見守ってくださいね。