まるも亜希子の「寄り道日和」

EVを正しく伝える「EV EXPERIENCE 2022」に参加しました

東京の湾岸エリアの絶景がパノラマで楽しめるホテル&スパリゾート「LA VISTA TOKYO BAY」にて、旬のEVが集まったイベント「EV EXPERIENCE 2022」が開催されました。午前中、私が車両解説を担当したのがミツビシ・ekクロスEV。「えっ、これ軽なの?」と驚く人がいたり、「補助金が出るといくらになる?」と真剣に検討する人がいたり、来場者の皆さんといろんなお話ができて面白かったです

 豊洲市場の目の前に、2022年7月にオープンしたばかりのホテル&スパリゾート「La VISTA TOKYO BAY」。ここで2022年10月23日に開催されたのが、最新のEVの展示車両にじっくり触れたり、予約制で試乗もできるというイベント「EV EXPERIENCE 2022」でした。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)の有志がインストラクターやトークを行なうことになり、私も参加させていただきました。

 レインボーブリッジをはじめとした東京の絶景をバックに、開放的で広々とした「ペデストリアンデッキ」というホテル2階の屋外スペースに並んだのは、ポルシェ・タイカン、アウディ・e-tron GT quattro、BMW iX、マツダ・MX-30、ミツビシ・ekクロスEVという旬な顔ぶれ。どれもキャラ強めなので(笑)、一般の方はどのくらい興味を持ってくれているのかなと、まったく予想がつかない中でのスタートとなりました。

 参加したジャーナリストは、試乗インストラクターと車両解説で役割分担されていて、私が担当したのはekクロスEVの車両解説。といっても、見に来てくださったお客さまの質問に答えたり、楽しくクルマ談義や世間話をしているうちに、どんどん時間が経っていく感じです。中には、「EVの買い時はいつなんですかね?」という難しい質問だったり、「実家の両親のアシとしてEVを考えているんですが……」という超リアルな相談も。とくにekクロスEVは、価格が現実的だからか、けっこう真剣に検討する方が多かったように思います。

 そして、私たち解説員にはもう1つ重要な役割がありました。それが、La VISTA TOKYO BAYのペア宿泊券をはじめ、豪華景品がその場で当たる抽選券をお渡しすること。展示車両を見てくれたり、試乗をした人たちにアンケート用紙を記入してもらい、その用紙と引き換えに抽選券を進呈するのですが、多い時には5人くらい一度に対応するような感じで、大忙しでうれしい悲鳴でした。

タイカン、e-tron sportsback、MX-30、iX、ekクロスEVの試乗は予約制でしたが、ほぼフル稼働で大人気。タイカンなど、憧れのブランドに一度は乗ってみたいという人や、購入を検討していてジャーナリストの意見が聞いてみたいという人もいたそうです。ただ試乗するだけよりも、見どころや操作方法などをちゃんと教えてもらえるので、市街地でのEVの走りやすさ、静かさ、なめらかでパワフルな加速など、しっかり体感いただけたのではないでしょうか

 午前と午後の抽選会の前には、AJAJの菰田会長とMC・竹本志帆さんによる「アーバンリゾートとEVの未来」をテーマとしたトークショーがあり、世界中のゴージャスなホテルを知っている菰田会長のビックリ体験に、みんなすっかり引き込まれているようでした。そのまま抽選会に流れ込み、たくさんの豪華景品が次々に当選者のもとへ。最後にペア宿泊券が当たった方はファミリーで来場されていて、飛び上がって喜んでくれて私まで嬉しくなってしまいました。

 実は今回、スタッフの集合時間が朝早かったことと、子供をばぁばに預けることができたので、せっかくなので夫と一緒にLa VISTA TOKYO BAYに宿泊させてもらったのです。東京在住だと、なかなか普段は東京のホテルに泊まるという機会もないのですが、ラウンジやガラス張りのエレベーター、最上階の大浴場や部屋の窓から見える超絶美しい夜景にうっとり! 見慣れた景色だと思っていたら、なんのなんの湯船に浸かりながら勝どき方面の夜景を眺め、ベッドに寝転びながらレインボーブリッジや東京タワーまで見通せるという、この贅沢と非日常体験は、一度味わう価値アリアリだと痛感しました。

 さらに夜22時30分になると、「夜鳴きそば」のサービスがスタート。小丼のラーメンが無料でいただけるとあって、大行列ができるほどの人気です。私もいただきましたが、さっぱりとした醤油味はお風呂上がりのちょっと小腹が空いた時や、お酒のシメにピッタリ。そして翌朝は、朝食ブッフェに行ってみてまたビックリ! 和洋中、スイーツまでとんでもない種類が食べ放題で、マグロ、サーモン、カンパチ、甘エビがのせ放題、ツヤツヤとしたイクラがかけ放題の海鮮丼コーナーまで。もう、これから仕事だってのに夫と2人ではしゃいでしまい、お腹いっぱい食べ過ぎてしまいました(笑)。短時間の滞在でしたが大満足! おすすめです。

 さて、イベントでは午後から、岡崎五朗さんと一緒に展示車両についてのトークショーを担当。台本も事前打ち合わせも何もなく、2人して言いたい放題でしたが、このイベントのいいところはEVを持ち上げるのではなく、「メリット・デメリットを正しく伝え、ユーザーの選択肢の一つとしてEVがある」というジャーナリストの意志を尊重してくれていたところです。五朗さんも私も、「ここはまだダメだよね」という意見を含め、たまにぶっちゃけすぎつつもたっぷり1時間の正直トーク。そして、MX-30のところではマツダの辻本宏治さん、タイカンではポルシェ・ジャパンの黒岩真治さんからも、踏み込んだお話が。今年度中に、ロータリーエンジンを発電用に搭載したMX-30が発表されることや、ポルシェはマカンクラスのEVを開発中とのことで、今後さらにEVが面白くなりそうですね。

 そんなわけでイベントは16時まで、あちこちでクルマ談義に花が咲きつつ、無事終了。久しぶりにお会いできた方もたくさんで、私自身が楽しませていただきました。アーバンリゾートとEVの相性も、とてもよいと実感。こうした、「EVを正しく伝える」イベントを、これからも続けていけたらいいなと思います。

AJAJ会長・菰田潔さんと、MC・竹本志帆さんによるトークショー「アーバンリゾートとEVの未来」は、菰田さんの軽妙なトークで世界のびっくりリゾートホテルのお話が盛り上がり、「いつEVの話が出るのかしら?」とこちらがヒヤヒヤしちゃいましたが(笑)、最後はしっかり「必ずしも100%EVにすることがマストではなく、自分にはどれが合うのか、選択肢を知って適切に選ぶことが大切」だとシメるところがさすがでした
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。