まるも亜希子の「寄り道日和」

新型シエンタのナイスアイデアなアイテムに感心

見る角度によって、ふっくらと癒し系のデザインにも、小動物系の愛嬌のあるデザインにも、いろんな印象に変わる新型シエンタのデザイン。全長、全幅はまったく変わらず、全高だけが少し大きくなっています

 ワンちゃんがクルマに変身するテレビCMや、ちょっと欧州車っぽいデザインが何かと話題の新型シエンタ。私も試乗してまいりました。先代とデザインを見比べると、かなりのイメージチェンジですよね。でも、初代のほんわかとした感じに回帰したとも思えて、私はいいなぁと思います。スライドドアの開口部が大きくなって、とくに高さが6cmも高くなっているので、乗り込むときに頭をぶつけなくなりました。

 室内は2列目シートの頭上空間がたっぷりになり、これなら子供の着替えとか、車内で過ごす時間もゆったりできそうです。3列目シートは相変わらずタイトだし、重労働のシートアレンジ(とくに3列目の格納)はそのままではありましたが、室内の装備で「これ、ナイスアイデア!」と感心するものがいくつもありました。

 その1つ目が、運転席と助手席のカップホルダー。小物入れにもなる形も便利なんですが、すぐ横に4cm四方くらいのプチトレイが作ってあって、なんとここ、ペットボトルのキャップを置いておくのにピッタリではないですか〜。運転中など、飲むたびにいちいちキャップを開けるのって面倒だけど、これなら開けっぱなしで飲めるからいいですよね。キャップのほかにも、のど飴とか100円玉とか、ちょっとしたモノの指定席として使えそうです。

カップホルダーの横に、小さくくぼんだトレイがあって、これがナイスアイデア。ドライブのお供にペットボトル飲料を選ぶことが多くなっているので、そのキャップを置いておけるスペースがあるのは便利ですね。以前、軽自動車にも同様のものがあって、いつの間にかなくなってしまったんですが、今回は定着するでしょうか

 そして2つ目が、車内のゴミ箱としてビニール袋を使っている人も多いと思うんですが、それをシフトレバーにかけたり、前席の背もたれにあるフックにかけたりしていると、外から見てもすごく目立ってしまって恥ずかしいんですよね。新型シエンタは、フックが意外な場所についていたんです。

 それが、運転席のアームレストの横。なるほどと思ったのは、ここなら前席の人と後席の人が一緒に使えて、外からも目立ちにくい場所だというところ。さらにこのご時世、クルマに乗った時にマスクを外したら、それをどこに置けばいいのかずっと悩んでいたんですが、このフックにマスクをかけておいたら迷子にならず便利ですよね。

一般的にはインパネとか、前席の背もたれ、シートバックテーブルについていることが多いフック。新型シエンタは意外や、運転席のアームレストの横についていました。ここなら、あまり目立たないのでゴミ袋を下げたり、このご時世ならマスクを保管しておくのにもいいなぁと思います

 3つ目は、新型シエンタにたくさん用意されている純正アクセサリーで、「これは欲しい!」と思わず前のめりになってしまったのが、バックドアラック。アウトドアなどで、バックドアを開けたままにしておく時に、これがあると洗ったタオルを干したり、着替えた洋服をかけたり、すごく便利だろうなぁと妄想が膨らんでしまいました。ま、わが家の場合はサーキットのパドックで、汗だくになった夫のレーシングスーツを干しておくことになると思うのですが(笑)、「ちょっと引っ掛けておきたいもの」って結構あるので、あったらいいなと思います。

新型シエンタにはアウトドアやファミリーを想定したカスタムモデルがあり、たくさんの純正アクセサリーが用意されていました。その中で私が欲しいと思ったのはコレ。バックドアを開けて使うというバックドアラックです。キャンプならランタンをぶら下げたり、虫除けやハンディ扇風機をかけておいたりするのにも便利に使えそうですよね

 走りの方でも、ノア/ヴォクシーと同様にプロアクティブドライビングアシスト(PDA)が全車標準装備というのがすごい。前走車が突然急ブレーキを踏んだ時や、思わぬ急カーブに突っ込んでしまった際などに、状況を認識して減速してくれるので、ヒヤリとすることが少なくなるんですよね。

 最近は、ずっとペーパードライバーだった人が、子供が生まれたのを機にマイカーを購入して、運転にトライすることも多くなっているので、こうした安全運転支援機能があると安心だと思います。ガソリン、ハイブリッドとたくさんのグレードがあるのですが、私のイチオシはモーター走行が積極的に入るなめらかな加速、静かさ、乗り心地が格段によかったハイブリッドのZです。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。