まるも亜希子の「寄り道日和」
新型ムーヴ キャンバスの魅力に骨抜きにされたお話
2022年8月18日 00:00
新車ラッシュの2022年、またまた骨抜きにされちゃう新車に出会いました。それは、初代はあざといくらいのかわいさで、なんとユーザーの約9割が女性だという、ダイハツ・ムーヴ キャンバス。当時、タントとムーヴの中間となる全高に、両側スライドドアを装備する、それまでにないパッケージで「母と娘でシェアする」という新しいスタイルを提案したことでも注目していた1台でした。
またそれまでは、スライドドアは子育て世代のための装備のようなイメージだったのが、ムーヴ キャンバスは1人〜2人でパーソナルに使うことを想定。荷物をわざわざラゲッジまで置きに行かずに、スライドドアを開けてサッと積み込むことを奨励していたのです。たしかに自分もスライドドアのミニバンに乗っていたころ、そういう使い方をしていたなぁと、ダイハツのユーザーリサーチ力と、それを市販車にしっかり反映する姿勢に感心したものでした。
ただ初代は、自然吸気エンジンのみだし、乗り心地重視のソフトな乗り味だし、軽自動車の中ではかなりユルめな走り。市街地メインならいいけど、高速道路を頻繁に走るような人にはちょっと物足りないかなという感じ。私の友人も購入したのですが、愛犬家なので近所の大きな公園にお散歩に行ったり、普段の買い物に便利に使ったりしているとのことでした。
果たしてそんなムーヴ キャンバスの新型は、コンセプトはそのままに、見た目も中身も大変身。「かわいい」を正常進化させたデザインの「ストライプス」だけでなく、大人女子や男性も好みそうなシックなデザインの「セオリー」も登場して、走りはDNGAで基本性能をグッとアップしつつ、ターボエンジンも搭載されたのです。
そして外観はこの2つのデザインに加えて、メーカーオプションとディーラーオプションの組み合わせで完成する、3つのアナザースタイルも用意。私はその中の1つにズキュンと心を撃ち抜かれてしまいました。それはセオリーをベースに、ガーニッシュなどをブラックでまとめた「ビター」というスタイルで、さらにブラックのルーフキャリアを装着してあってアクティブな印象もアップ。インテリアもブラックでコーディネートされていて、シブかわいい感じがめちゃめちゃツボだったのです。
実はこのデザインに関して、デザイナーさんにズバリ聞いてしまいました。「ぶっちゃけ、ワゴンRスマイルのデザインは意識したのですか?」と。すると、「もちろん、すごく気にしていました」とのお答え。でもスマイルの方の登場が予想より遅かったので、実際にはスマイルが出たころには、この新型ムーヴ キャンバスのデザインもほぼ完成していたタイミングで、相手を見てから変えたところはないのだそう。「わが道を行こうと決めてデザインしました」という言葉が印象的でした。
また内外装や使い勝手に関して、事前に社内の女性や初代ユーザーの女性101人に集まってもらい、いろんな意見を聞いたのだといいます。そこで見えてきたのが、駐車場で停車しながら車内で過ごすことが増えており、その時間も従来より長くなりつつあるということ。お店の順番待ちでも、登録してスマホで呼び出されるのを車内で待つとか、外食でもお店に入るのではなくテイクアウトして車内で食べるとか、コロナ禍の影響もあって車内での快適性がより重視されていたのです。
そこで新型ムーヴ キャンバスのインテリアは、テーブル代わりにもなるインパネや、軽自動車初となる、保温機能付きのカップホルダーを装備。試乗した日は猛暑だったので、カップホルダーを試す気分にはなれなかったものの(笑)、冬だとホットドリンクを買ってもすぐに冷めてしまうので、これはかなり嬉しいですよね。あとフロントシートは新開発で、ふかふかのソファのような座り心地。飲食で何かこぼしてしまっても、汚れが目立ちにくいという杢感のあるファブリックにしているところに、いつまでもきれいに使ってほしいという想いが込められています。
デザインだけでなく、いろいろ進化している新型ムーヴ キャンバス。ぜひ男性の皆さんにも注目してほしい1台です。