まるも亜希子の「寄り道日和」

未体験の「ロッククライミング」に挑戦しました

ホンダアクセスのデザイナー、山田さん(右)と、アウトドアスポーツ系のロケも数多く手がけているというインストラクターさん(左)の手ほどきを受けて、ロッククライミングの装備をつけ終わったところ。ハーネスは必ず、サイズが合うものを装着してほしいとのことでした。腰につけている赤いバッグには、体操選手が手につけるような滑り止めの粉が入っていて、山田さんは登っている途中で何度もつけ直していました。が、私はそんな余裕は全くありませんでした(笑)

 大人になってから、まったく新しいことに挑戦するというのは、とても勇気がいることだと思います。挑戦する前の段階で、「忙しいから」「危なそうだから」「費用がかかるから」などと、自分でいろんな言い訳を見つけていたりしますよね。私にとって、とくにアウトドアスポーツはそういう存在だったように思います。

 それがこの秋、ひょんなことからまったく初めてとなる「ロッククライミング」に挑戦することになりました! 切り立った岩山を、身ひとつで登っていくという、信じられないスポーツ! 私には一生縁がないと思っていたのですが(笑)、子供のころは近所の公園の木に片っ端から登り、「お猿のあっこちゃん」なんて言われていたこともあったので、心のどこかに「やってみたいな」という気持ちはあったのだと思います。

 挑戦するきっかけをくれたのは、ホンダの新型ステップワゴンでした。実はステップワゴンAIRの純正アクセサリーは、テーマが「SPORTS MIX」。デザインはアクティビティとの親和性が高く、ギア感いっぱいで見ているだけで気持ちがワクワクしてくるんです。そのデザイナーであるホンダアクセスの山田真司さんが、数年前からロッククライミングに夢中になっているということで、私も一緒に挑戦させてもらうことになったのでした。

 目的地となった岩山は、どうやらテレビ番組の戦隊モノのロケなどにもよく使用されているという場所。ロッククライミングの装備品はヘルメット、ハーネス、シューズ、そして手がすべらないようにするチョークとチョーク袋くらいなので、大きな荷物を積むは必要ないんですが、公共交通機関ではアクセスしにくい場所なので、クルマがあった方がやっぱりラク。しかも、岩山周辺は自然そのままという感じで、人が着替えたり休憩や食事をしたりするような設備は何にもないので、広い空間をもつステップワゴンは貴重なベース基地になってくれました。

 さて。準備万端で岩山の真下に立ち、いよいよこれから登り始める、という時になって、上を見上げたとたんに足がすくむような恐怖を感じてボーゼン。高いところから下を見下ろして足がすくむ、ということはあるけど、まさか上を見上げただけで……。

 まずは、右手をのばしてどこか指が引っかかるくぼみを探すのですが、なかなか力が入りそうなところがないんです。先に山田さんがサクサクと登っていくのを見ていたので、「ああすればいいんだな」というイメージはできていたものの、いざとなったら頭は真っ白。ようやく右手に力が入ったら、すぐ左手でつかむところを探して、右足、左足と、もう無我夢中。 ガシガシと登っていたら、いつの間にか自分の身長の2倍以上の高さに到達していました!

 ところがそこで難所にぶち当たり、どうにも手足が動かせなくなってしまったんです。思わず下を見たら、あまりの高さに「ギャ〜〜!」。急に恐怖が全身をカチコチに固めてしまって、そこからどうにも身体がいうことを聞かなくて焦りました。でも、少しでも力を緩めたら落ちてしまいそうだし、張り詰めた筋肉はついに悲鳴をあげて、そこでリタイア。ロッククライミングは想像以上に、体力だけでなく頭脳も使うスポーツであることを痛感しました。命綱を握ってくれていたインストラクターさんに、安全に地上に下ろしてもらったのですが、いや〜、悔しかった! まぁ、その後やっぱりこのままでは帰れないと、もう一度挑戦させてもらったのですが。

真下に立って見上げると、ほぼ垂直の岩山! 頂上の高さはビルの3〜4階くらいでしょうか。真ん中あたりに張り付いている小さな人影が、私です。この岩山を開拓した人が打った杭が頂上にあり、そこにロープを通して私のハーネスに繋ぎ、片方の端はインストラクターさんが持ってくれているから、安心。ですがやっぱり下を見てしまうとゾゾゾッ

 もうダメだと思ってからのひと踏ん張りで、やっとのことで辿り着いた頂上は、まさしく私にとって新しい世界だったと思います。この時の模様はトラベル Watchで詳しくレポートさせてもらったので、よかったらチェックしてくださいね。でもその後2週間くらい、ヘンなところの筋肉痛が続いたことも告白しておきましょう……(笑)。

 そろそろ秋も深まってきて、何かに挑戦するにはいい季節。皆さんも、クルマという最高の相棒と一緒に、新しい扉を開けにいってみてくださいね。

今回の挑戦をサポートしてくれた頼もしい相棒、新型ステップワゴン。このAIRのデザインは、どこか癒し系で大好きです。純正アクセサリーが装着されると、ちょっとタフでアクティブな要素が加わります。私はとくに、この新鮮なホワイトディスクのアルミホイールが気に入りました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。