まるも亜希子の「寄り道日和」

第20回「子どもアイディアコンテスト」最終審査会に参加しました

高学年の部の発表トップバッターでありながら、「そこのお客さん、ちょっと寄ってって」みたいな八百屋の呼び込みみたいなプレゼンがとても楽しく、会場を爆笑の渦に巻き込んだ、千葉県の小学4年生・永井秀弥さんの作品「おとどけ ヤジロベー」。買い物が大変なおじいちゃんに喜んでもらうために、電線の上を通って荷物を配達してくれるヤジロベーがとっても可愛く、アイディア満載でした

 第20回の節目を迎えた「子どもアイディアコンテスト」最終審査会は、3年ぶりのリアル開催となり、久しぶりに元気な子どもたちの発表をナマで見ることができました! 小学生が「未来にあったらいいな」というものを考え、作品をつくり、魅力を伝えるためにプレゼンするという、このコンテスト。昨年から参加資格を得たわが娘なのですが、参加概要のパンフレットには興味を持ったものの、「明日やる」「今度やる」とズルズルあと回しにしていて、とうとう応募しなかったクチです……。なので私はまず、このコンテストに子どもを参加する意欲を持たせることのできる、保護者や先生たちを心から尊敬しています。

 今年は全国から8250通もの応募があったなか、低学年10組、高学年10組がファイナリストとして選ばれ、最終審査会の会場となった東京・青山のホンダウエルカムプラザに大集合。私は審査委員長の脳科学者・茂木健一郎さんや応援団長である本田技研工業の倉石会長、エンジニアの住岡さん、福島さんとともに審査員を務めさせていただきました。昨年まではオンラインでの開催だったので、会場はガランとしていて作品の展示もなく寂しかったのですが、今年はとっても華やか。子どもたちが何週間もかけて、試行錯誤しながら工夫を重ねて創り上げた作品たちは、1つ1つ見るだけでもとっても楽しくて、すでに驚きと感動で胸を打たれます。

「子どもアイディアコンテスト」最終審査会の会場には、ファイナリストとなった子どもたちが苦労して完成させた、自分のアイディアを具現化した作品たちがズラリ。とても細かな造形を工夫して作っている様子は、じっくり見ていたら何時間もかかるほどです。今回は、食べられるマシュマロを使ったり、本棚に収まる何十冊にもなる本までコツコツと仕上げてあったり、感心しっぱなしでした

 そして、プレゼン前で緊張がピークに達している様子の子どもたちを見ていると、こちらまでドキドキ。オンライン開催の時も、家庭環境や家族の雰囲気などがなんとなくわかるといったよさはありましたが、事前撮影でプレゼンを収録したものを流すので、やっぱり緊張感はほとんどなかったんですよね。私も小学生の頃、エレクトーンの発表会やバスケのレギュラーを決めるテストなどで、ものすごい緊張した思い出があるのですが、そうした経験はのちのち「あの時、乗り越えたんだから大丈夫」という自信のようなものをくれると思うのです。だから今回も心の中で、「みんな、失敗を恐れずがんばれ〜!」と応援しながら見守っていたのでした。

 低学年は、珍しく1年生が4組もファイナリストに残っていて、例年では緊張のあまり泣き出してしまう子がいたりするので、ちょっと心配してたんです。でも、それはまったくの杞憂に終わり、本当に1年生? と疑うほど堂々とした発表に感心するばかり。高学年になるともう、大人も顔負けの身振り手振り、わかりやすいコメントがスラスラと出てくる子がたくさんいて、とてもレベルが高かったと感じました。

低学年の部で優秀賞に輝いた作品「ボクだけほめてくれるロボット」は兵庫県の小学2年生、石井蓮人さんが日ごろ、先生やお母さんに怒られてばかりいることから思いついたアイディア。たくさん褒めてくれたり、一緒にいていつも味方でいてくれるロボットがいれば、自分に自信がついて、みんなが自分のことをダイスキになるという、子どもらしさの中にも、いじめや虐待など心の問題にも一石を投じるような深い作品だと感じました。

 作品の傾向からは、その年その年で社会問題になっていることが子どもたちの思考にも大きく影響しているんだな、と感じます。2年前にはやはりコロナ禍で世の中が ガラリと変わったことが作品の傾向にも表れていたのですが、今回はウクライナ情勢を思ったものだったり、食品ロスの問題や高齢化社会に役立つようなアイディアも印象深かったです。

今回の審査員は茂木健一郎さんをはじめ、温かい視点とユーモアいっぱいの本田技研の倉石会長、「藻」の研究で世界の役に立ちたいという長年の夢を実現して頑張っている、エンジニアの福島さん、ライディングアシストの研究をしている住岡さんと、個性あふれる面々とご一緒させていただき、控室での話もものすごく面白かったです。私も名前が「まるも」だけにマリモをはじめ「藻」には興味津々なので、近いうちに研究室を取材させてください! と申し込んじゃいました(笑)

 すべての子どもたちの発表を終え、審査員が審査をしている時間には、ホンダが研究している倒れないバイク、「ライディングアシスト」のプレゼンが行なわれ、質問タイムでは子どもたちからホンダのエンジニアの皆さんへの鋭い質問が。やはり、ファイナリストになる子どもたちは、常に「なぜ?」「どうして?」という疑問がすぐに出てくるのですね。私はどちらかというと、ヘぇ〜っと感心ばかりしている子どもだったのでクリエイティブな感性が育たなかったのかもしれません(笑)。

 表彰式では、賞をとった子だけでなく、うまくいかなくて落ち込んだり悔しくて泣いちゃった子たちにも、全員に金メダルを贈呈。この経験がきっと、これからの人生の一助になることを心から願っています。そして、茂木先生のように頭の柔らかい大人がもっともっと増えたら、日本はすごく面白い国になるのになぁと思います。子どもたちの可愛くも堂々としたプレゼンの模様と、茂木先生をはじめホンダの皆さんのユーモアと温かさあふれるコメントは、YouTubeで見られますのでぜひ!

第20回 子どもアイディアコンテスト 最終審査会
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。