まるも亜希子の「寄り道日和」
交通安全応援ユニット「オキシュー」が表彰されました
2023年2月16日 00:00
内山田会長は冒頭の挨拶で、550万人にものぼる日本の自動車業界で働く人々や、自動車ユーザーを含めた自動車にかかわる全ての方々が、社会や自動車業界に果たしている貢献に対して、「ありがとう」と感謝の意を伝えること。表彰を通じて、それぞれの貢献の取り組みにあらためて注目を集め、認知を広げることで、同じような取り組みが拡大していく一助とすること。それが、一般社団法人 日本自動車会議所と日刊自動車新聞社が主催する「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」創設の目的であると語られました。
2023年2月10日に、その「第2回(2022年度)クルマ・社会・パートナーシップ大賞(CSP)」の表彰式が開催され、なんとなんと、吉田由美さんと私で「OKISHU(オキシュー)」という交通安全応援ユニットを組んで行なった活動が、グッドパートナーシップ事業賞を受賞しました! 大賞を受賞された十勝バス株式会社さまをはじめ、各賞を受賞された企業や団体さまたちはそうそうたる大企業、有名企業ばかりなので、まさかまさか、手弁当で始めた活動を評価していただけるとは……。びっくりと嬉しさと、身が引き締まるプレッシャーと、いろんな思いが駆け巡ったのでした。
思えば、9月27日が女性ドライバーの日に制定されていることにちなんで、なにか社会のためになることをしたい、もっとクルマを安全に楽しんでもらうきっかけを広げたい、という思いがOKISHUの始まりでした。当時、ペダルの踏み間違いによる痛ましい事故が注目を集めていたのですが、データを見ると高齢者に限ったことではなく、若い世代でもペダル踏み間違い事故は多いという事実を知ってもらうことも大事だと思い、運転に適した靴=ドライビングシューズを車内に常備しよう、と呼びかける「オキシュー」プロジェクトを始動。横浜元町キタムラとのコラボシューズケースを製作して、モトーリモーダでPRしたり、YouTube配信などで活動していきました。
すぐにコロナ禍に突入してしまったこともあり、なかなか思うような活動ができたとは言えないのですが、2022年にはついに、さまざまなご協力をいただいてリアルイベントを開催。キーホルダー型で持ち歩きやすいタイヤチェッカーを配布したり、簡単なタイヤ空気圧チェックの方法をレクチャーしたり、クルマの靴であるタイヤの重要性を伝える「ハリミゾ」プロジェクトも加わって、微力ながら「今日からできる交通安全」を伝えることができたのではと自負しています。
もちろん、反省点は山のようにあり、大変でもコツコツと今後も継続していくことが大切だと考えているので、私たちOKISHUの活動はこれからが本当のチャレンジ。どうすればもっとたくさんの人たちにアプローチできるのか、次の一歩を模索中です。
そういった意味でも、今回の表彰式で受賞された活動を1つ1つ拝見して、たくさんの学びがありました。苦労したお話を聞くと、「大変なのは私たちだけじゃなかったんだ」と勇気ももらえました。どんな活動があるかというと、例えば選考委員特別賞を受賞された豊田合成株式会社の「車イスドクターズ(車イスのお医者さん)」は、社内の有志がボランティアで、近隣の施設を巡回して年間500台以上の車イスを修理する活動を、26年にわたって行なってきたそう。そこからご縁があり、地元の高校生に車イス修理の指導をするようになったとのことで、次世代の育成にもなっているという、とても素晴らしい取り組みです。
そして、大賞を受賞された十勝バス株式会社(共同応募事業者:KPMGモビリティ研究所)の取り組みは、これからの地域再活性化への成功例として広がりを見せそうな、アナログ重視型の真のMaaSに感銘を受けました。活動の発端は、帯広の住宅を一軒一軒訪問して、「なぜバスを利用しないのか」をリサーチしたところからスタートしたといいます。その生の声で、不便だから利用しないのではなく、不安だから利用しないのだという潜在意識に気づき、そこから改革を進めていったのだそう。「バスは人を運ぶだけでなく、人がいるところにモノを運ぶこともできる」と気づき、バスの座席の後方3分の1を改装し、野菜などを販売する「マルシェバス」を運行。これが大盛況で、表彰式でも現地とオンラインでつなぎ、実際のマルシェバスの前にたくさんの人々が集まっている光景は、和気あいあいとした活気のあるコミュニティが育っていることを感じさせてくれました。
こうした映像やお話を通じて、事故のない社会を実現するには、やっぱり欠かせないのが「他人を思いやる気持ち」だと改めて考えます。ただ安全運転しましょう、交通ルールを守りましょうというよりも、大切な人に無事に帰ってきてほしいと願う気持ち、自分が他人を傷つけないようにしようという気持ち。それがベースにあることが大切なのかなと、個人がリアルでつながりにくい時代だからこそ、あらためて実感したのでした。ぜひ何か、今後のOKISHUの活動に生かしていけたらいいなと思っています。
今回の受賞を糧に、草の根活動ではありますが、大切な命をひとりでも救えたら御の字という気持ちで、ユルユルとがんばりたいと思います。