まるも亜希子の「寄り道日和」

MINIクロスオーバーで念願の雪道ドライブ

霧ヶ峰富士見台駐車場からは、南アルプスの山々の奥にポッカリと浮かぶような、美しい富士山が拝めました。無料駐車場なのが嬉しいですよね

 わが家にやってきて初めての冬を迎えたMINIクロスオーバーで、念願の雪道ドライブを堪能してきました。父が暮らしている長野県の諏訪市では、降雪はあるものの、ここ何年もほとんど積もることのない冬だったのですが、今シーズンはやはり積雪が多く、諏訪湖が凍る日もあるとのこと。千葉生まれで寒さには弱い私ですが、冬の信州には幼いころから大好きな風景やグルメがたくさんあるので、居ても立ってもいられず駆けつけたというわけです。

 一番期待したのは、冬の諏訪湖で見られる神秘的な自然現象である「御神渡り(おみわたり)」。凍った湖面に氷が盛り上がって、諏訪大社の上社に祀られる男の神が下社に祀られる女の神のもとへ通った足跡のように、一筋の道を見せてくれるもので、570年以上も続いているとの記録があります。御神渡りは-10度以下の寒気が数日続き、かつ昼夜の温度差で氷の膨張と収縮が繰り返されることで出現するのですが、実は事前に父から今シーズン初の全面結氷のニュースを聞き、「週末にはまた全面結氷するだろうから、可能性があるかも」と言っていたのでドキドキ。2012年に御神渡りが出現した時に運よく諏訪湖を訪れており、この目で見て以来、その感動が忘れられず、娘にも見せてあげたいと思っていたのです。

 そして父の言う通り、私が訪れた翌朝にも諏訪湖の全面結氷は見られました。それだけでも娘は「すごいね!」と喜んでいたのですが、その後はすっかり暖かくなってしまい、残念ながら今回の旅程中は御神渡りの出現までには至らず。でも2月中旬くらいまでにはきっとまたチャンスがあると思うので、注目していたいと思っています。

諏訪ICからクルマで3分、国道20号沿いにあるそば処「八洲(やしま)」。入口の巨大な海老天そばも、雪をかぶって冬ならでは。諏訪湖畔のお店はいかにも昔ながらの伝統的な雰囲気が素敵なのですが、こちらは和モダンな感じでまた違った気分で伝統あるお蕎麦が楽しめます

 さて、冬の信州グルメもいろいろある中で、ひそかに楽しみにしているのが「わかさぎの天ぷら」と「野沢菜」です。諏訪湖はわかさぎ釣りの名所としても有名で、私もよく幼いころに祖父に連れて行ってもらいました。このあたりのお蕎麦やさんや居酒屋などの多くには、一年中メニューにこの2つがあるのでよく食べますが、やっぱり冬が一番おいしい! 私はとくに、お蕎麦やさんでざる蕎麦を頼み、そのお供として一緒にわかさぎと野沢菜をいただくのが大好きです。いつもは諏訪湖畔にある、昭和天皇にも献上したことのある歴史ある蕎麦処、「八洲(やしま)」へ必ず行くのですが、今回は諏訪IC(インターチェンジ)の近くにお店を構える姉妹店の方のやしまへお邪魔しました。こちらは店内のインテリアも和モダンといった雰囲気で、メニューにもソースカツ丼などの丼物がたくさん。そば会席などもあるので、蕎麦ダイニング的な感じで楽しむ人も多いお店です。あまりにお腹がすいていたので、うっかり写真を撮り忘れてしまってスミマセン! 娘はうどんの方が好きなので温かい肉うどんをいただいていましたが、おいしかったようでペロリと完食してましたよ。

 そして最後はパウダースノーのゲレンデを目指し、霧ヶ峰まで雪ドライブ。クーパー SD ALL4は、東京ではまだその四駆性能を発揮するチャンスがさっぱり訪れないですが、大門街道からビーナスラインに抜けるワインディングは日陰の路面は凍結しており、日が当たるところはシャーベット、路肩近くは深い降雪と、雪道と言ってもいろんな路面が変わるがわる現れ、四駆のありがたみをしかと噛み締めながら走ってきました。霧ヶ峰の駐車場では、雪景色と富士山の美しいコラボも見ることができてうっとり。重心が高くなりがちなSUVでも、コンパクトサイズでも、車格がもっと上のクルマに乗っているようにドッシリと安定した頼もしさを感じさせてくれたMINIクロスオーバーでの雪道ドライブは、大満足の時間となりました。

他のスキー場より小さく、リフトも1基しか動いていないですが、それだけにいつ行ってもそれほど混んでおらず、ゲレンデもなだらかなので小さな子供連れのファミリーにおすすめなのが、霧ヶ峰スキー場。ソリで遊んだりできるキッズパークもあって、未就学児は無料です。スクールの教え方が丁寧で上手だと評判で、娘はここで半日のスクールに入り、滑れるようになりました。駐車場も無料なので、地元の人はカップラーメンなどを持参して、ミニバンのシートをフラットにして車内にテーブルを置き、アウトドア用の簡易コンロでお湯を沸かしてお昼ご飯を食べていたりします
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。