まるも亜希子の「寄り道日和」
ヒョンデの新型EV「コナ」に試乗したお話
2023年12月7日 00:00
コーヒーが大好きな私にとっては、「コナ」と聞くだけで芳醇なアロマが香るような気がしてしまいますが、今回の「コナ」は世界3大コーヒーの1つであるハワイのコナコーヒーではなく、韓国の自動車メーカー、ヒョンデの新しいBEV(バッテリ電気自動車)「KONA」のお話。でも、名前の由来として無関係ではなく、青い空と海を想起させる心地よい名前として名付けられたのだそうです。
日本再上陸の第一弾として発売されたBEV「IONIQ 5」はちょっと大きめで、斬新すぎるデザインでしたが、KONAは全長4355mmで全幅1825mmと、なかなか日本の道路事情にもピッタリなサイズ。無数の星が輝くように灯る「ピクセルグラフィック」というヒョンデらしいデザインのモチーフも、少し控えめに用いられていて奇抜という印象はありません。ちょっと未来的なオシャレ家電、というような親しみやすいエクステリアだなと感じました。
試乗会の会場には、ネオテリックイエローという蛍光レモンイエローのようなビビッドなボディカラーのモデルが飾ってあり、フロントの充電口からV2L機器を使って2輪のパーソナルモビリティを充電している光景があったのですが、この2輪車がすごくキュートで興味津々。なんと、スーツケースみたいに折りたたんで、持ち運びしやすくなっているんです。でも、まだ市販化されるまでには法規をクリアするなど課題がある模様。これ、発売されたらすっごく人気が出そうですよね。
また、充電口は指先でリッドを押すと、自動でスライドして開くようなプッシュオープン式になっていたのですが、これは本国ではこうなっておらず、日本仕様のためにわざわざ変更したというから、ビックリ。というのも、日本では急速充電用と普通充電用の2つの充電口が必要なので、横開きのリッドにすると場所をとってしまうんですよね。この、きめ細やかなローカライズには感心してしまいました。
走りの方も、IONIQ 5同様にすごく安定していてなめらかな加速フィールがいいなと思ったのですが、IONIQ 5の時にもあった「自然の音」がさらに種類が増えているではないですか。これは、ディスプレイから「自然の音」をタッチすると、鳥のさえずりや焚き火の音、雨の音といった癒しの音が流れるようになっていて、すごく心地いい空間を演出してくれるんです。それぞれのタイトルも「夏夜のひととき」「冬のぬくもり」といった、その言葉だけで癒されるものが揃っていて、全部聞いてみたくなっちゃいました。
コンパクトなボディでも、バッテリー容量は64.8kWhとたっぷりで、一充電走行距離も625kmと十分。しかも、399万円台からというお値打ち価格。KONAでどこか景色のいいところへドライブして、V2Lでお湯を沸かしてコナコーヒーを飲みながらのんびりする……なんて、ちょっとやってみたくなったのでした。
さて、なんとこのコラムはついに、300回を達成! いつも読んでくださっている皆さま、ありがとうございます。これからも、クルマを軸に家族、犬、暮らしや遊び、グルメや旅などなど綴っていきたいと思いますので、変わらぬお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします!