まるも亜希子の「寄り道日和」
行ってきました「ジャパンモビリティショー2023」
2023年11月2日 00:00
いったいどんな感じに生まれ変わるのか、ドキドキと不安が混ぜこぜな想いで行ってきました、「ジャパンモビリティショー2023」。歴史ある東京モーターショーから名称を一新して4年ぶりに開催されましたが、個人的な第一印象として強かったのは、濃いクルマ好きではない人にも「面白いから行ってみて」と気軽にオススメできるショーになったなぁということ。それこそ、免許を持っていない人も、子どもにも、より多彩な「未来」が身近に感じられるブースが多いなと感じました。
空飛ぶクルマもだいぶ現実味を帯びてきたし、身につけるだけで人間のパワーが倍増するリアルスーパーマン的なスーツとか、4足歩行で階段や段差も乗り越えてくれるスズキのMOQBAみたいなものなど、移動するだけではない、暮らしのさまざまなシーンに関わるモビリティがたくさん見られたのが面白かったですね。
クルマの進化形としては、もちろん自動車メーカーのコンセプトカーも見どころは多いのですが、とくに気になったのは東館7〜8ホールの2台。たとえば、ボールネジをはじめとする独創的な技術を次々と生み出し、自動車業界だけでなく医療機器や航空機などの分野でも進化を支えている「THK」のブースでは、同社の独自技術を多数搭載したEVプロトタイプ「LSR-05」を世界初披露。
これはまず、クロスオーバー4シータークーペとなっているデザインがものすごくカッコイイなと惹きつけられて覗き込んでみたのですが、なんとデザインを手掛けたのは数々の名車をデザインしてきた日本を代表するデザイナーの中村史郎さん。ラグジュアリーでスポーティーなデザイン、革新的な技術がキーワードで、車名はそれそれの頭文字(Luxury、Sport、Revolution)を表しているほか、THKが1972年に世界で初めて開発した「直線運動案内(回転運動が一般的なベアリングに対し、直線運動をする転がり軸受)である初代LMガイド(直動案内)の「LSR」にも由来していて、創業50周年および、クルマの開発をスタートしてから5世代目という意味で「05」とつけているそうです。
このLSR-05の特徴としては、まずTHK独自開発の可変磁束型インホイールモーターをリアに2基搭載しているところ。フロントにもモーターが1基あって、4輪ステア機構となっているんです。アクティブサスペンションも採用しているので、乗り心地も良さそうなんですよね。
しかも、将来的にぜひ実現して欲しいと思っている、走行しながらの充電ができる非接触給電システムも開発して、このLSR-05に搭載していてもうすぐ実証実験がスタートするんだそうです。走行しながらの非接触給電は、速度が上がるほどに効率がわるくなってしまったり、地上高があまり高くできないといった課題があるのですが、アクティブサスペンションによって車高を下げることができ、速度も80〜100km/h程度での実用化を想定しているとのこと。なので、かなり現実的だなと感じました。
またこのシートの電動スライドが画期的で、フロアにレールを埋め込むのではなく、シート座面内部とフロア接合部にLMガイド(直動案内)を配置するという「ステルスシートスライドシステム(SLES)」を採用。コンパクトな設置面積でもロングスライドが可能で、ゴトゴトといった振動のないなめらかなスライドの動きに感心しました。
解説を聞いた後に、市販化する時にいくらくらいなら売れそうでしょうか? と質問されて「うーん、1200万円くらいかなぁ」なんて答えたのですが、どうでしょう、皆さんならいくらくらいが妥当だと考えますか?
さてもう1台、とってもキュートでワクワクさせてくれそうなEVを見つけたんです。それが、オレンジメタリックの外観とホワイトのインテリアがオシャレな「AIM」の「EV MICRO 01」。ルーフが取り外しできるようになっていて、海辺のリゾートなんかを走ったら楽しいだろうなぁと直感したのですが、まさに! 実はこれ、沖縄での普及を目指して作られたEVだったんです。観光客向けというよりは、日常の足として買い物や通勤などに使ってもらいたいという2シーターオープンカーだということなので、もしかすると今後、沖縄の街をこのキュートなEVがたくさん走り回る光景が見られるのかもしれません。なんだか、想像しただけで楽しい!
ほかにも、無印良品とコラボした、バッテリパック交換式で走るeバイクがあったり、小さなブースも見どころ満載のジャパンモビリティショー2023でした。