まるも亜希子の「寄り道日和」
なんかスゴいの来た! BMW「XM」に試乗してきました
2023年10月12日 00:00
遠目からでも「うわ、なんかスゴいの来た」と釘付けになってしまうクルマに乗ってきました。このゾクゾク感は、私にとってはハマー以来だったかもしれない、BMW・XMです。
とにかくキドニーグリルの“圧”がスゴい。最近のBMWモデルはどんどんキドニーグリルが大型化しているのですが、XMのそれはただ大きいだけでなく、LEDでぐるりと縁取ってあって、さらにその外側がゴールドのトリムで縁取ってあるという、念の入れよう。昼間でもギラリと目立ち、夜になるとさらに光って目立つのです。
そして、ものすごく大袈裟に言えば、アルミホイルを両手で一度ぐしゃっと丸めて、それを引っ張ってSUVのカタチにした、みたいな、あちこちに複雑な折り目がついているようなボディがスゴい。こうしたキャラクターラインはXMに限らず、剛性を高める技術も盛り込まれているというのは以前にBMWの販売店スタッフから聞いたお話。写真で見ていたときよりも、屋外で光にあたっている姿の方が、よりそのスゴさが実感できるところです。
ドアを開けてまたビックリ、天井がまるでアート作品のように立体的で、ぐるりとLEDイルミネーションで縁取られています。ブルーグリーンのような珍しいレザーのドアライニングやシートと相まって、クルマの中とは思えない雰囲気。後席には同じカラーでコーディネートされた、ふかふかのクッションまで備わっているので、リゾートホテルのソファでくつろいでいるみたいな気分になってきます。
これで、乗り心地もしっとりしていたら最高だったんですが、23インチタイヤだし、サーキット走行との両立はさすがに厳しいのか、後席ではちょっと硬いなぁという印象。ところが運転席に座ってみると、まったく硬さが気にならなくなったではないですか。4.4リッターV8エンジン+モーターのPHEVで実現した、BMW M史上最強パワーという触れ込みは伊達じゃない! ハイパワーな電動車は他にもいろいろ乗りましたが、XMほど獰猛な猛獣を扱っているような刺激的なモデルって、そうそうないと思います。
信号待ちをしているときはすごく静かなので、V8載っけているってことをついつい忘れちゃっているんですね。それで青に変わったから発進しようとアクセルにチカラを入れ……くらいでもうドカンとロケット発射しちゃう感覚。久しぶりに心臓がバクバクしました。トータルの最高出力は653PS、最大トルク800Nmって、どんだけ〜。
これで充電すれば、満充電で約90kmはEV走行できるというのだから、普段は電動車で通勤して、時にはスーパーカー気分を味わって、たまにサーキットを走りたいという人には、こんなに理想的な1台はないでしょうね。そういう人がどれくらいいるのかは、まったく予想もつかないですけれども。お値段は2100万円オーバーなんですが、もしかすると電動車、スーパーカー、サーキット用マシンを3台買うよりは、お得という考え方もあるのかも?
BMW M社は1972年創立なので、50周年を超える歴史がありますが、まさかM1以来となるM専用モデルがこんなモンスターSUVになるとは、誰も想像していなかったでしょうね。これも、BMW M社の新時代へのチャレンジなのかもしれません。とにかく今、タタ者じゃないクルマを教えてくれと言われたら、間違いなく推しちゃう1台になりました。