まるも亜希子の「寄り道日和」
憧れのマセラティに試乗してきました
2023年10月5日 00:00
大人になったらいつか愛車にしたいなと、憧れているブランドってありますか? 私のそんなブランドのひとつが、マセラティ。ずいぶん長いこと憧れているのに、まだぜんぜん似合う気がしないままなのが残念なところなのですが(笑)、今回は初めて1000万円を切るグレードがラインアップされた、グレカーレの試乗会にお邪魔したので、ちょっとだけ(ほんとにちょっとだけ)親近感を感じつつ大手を振って乗せていただくことができました。
私がそもそも、ペーペーの編集者だったころにマセラティに魅了されるきっかけとなったのが、確かビトゥルボだったと思うのですが、マホガニーのような艶やかなウッドパネルのダッシュボードに埋め込まれた、美しいゴールドのアナログ時計があまりにエレガントだったことと、しっとりと肌に寄り添うようなレザーシートがそれまで乗ったどのクルマよりも素敵だと感激したこと、さらにエンジンがまさに楽器のように、耳に心地よく官能的な音を奏でていると、うっとりするほどだったことから。
果たしてグレカーレは、そのすべてを受け継いでいるのかというのが気になるところでした。デザインはSUVになっても変わらず、タイムレスなイタリアンデザインど真ん中。とくにデザイナーがこだわるのはフロントグリルとヘッドライトの位置関係だそうで、最近のクルマはグリルとヘッドライトがつながっているデザインが多いなか、マセラティらしさを貫いていると感じます。そしてフェンダーの峰、ボンネットの膨らみも正真正銘のマセラティ一族であることを訴えていますよね。
試乗したエントリーグレードの「GT」は、2.0リッター直4エンジンとはいえ、300PS/450Nmを誇るパフォーマンスをもち、48Vのマイルドハイブリッドですが、考え方はメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、アウディなどとは一線を画し、E-boosterといって明らかに燃費のためというよりは、いかに気持ちのよい走り、高揚感の高まる走りをさせるか、というところにそのアシストを使います。試乗は市街地がメインでしたが、心地よい重厚感とともに、ほどよく優雅でスッと爽快な走りを楽しむことができました。
今回はたまたま左ハンドルの試乗車でしたが、もちろん右ハンドルもラインアップしているし、ほんの少し、アイドリングストップからの再始動が遅めかなという気もしましたが、そのほかは大きすぎないボディで運転しやすく、日本の道路事情にも合うと感じます。
そして、驚いたのは今もダッシュボードにしっかり受け継がれているアナログ時計が、なんと、あとで聞いたら電子表示の“アナログ風”だったというではないですか。いくつかのデザインが用意されていて、デジタル時計の表示に変えることもできるそうなのです。私からすれば「えーっ、この味わいでデジタル表示にする人なんているの?」という気持ちでいっぱいなのですが、若い世代の人はアナログ時計の方が信じられないのかもしれないですね。
そんなこんなでグレカーレ、「いつかは乗りたいリスト」のかなり現実的なところに加わりましたが、はてさてそんな日はくるのやら。さ、今後もより一層、仕事に励みまーす(笑)。