まるも亜希子の「寄り道日和」

夢が広がるトライトンなんです

よく晴れた青い空に富士山がきれいに姿を見せてくれたなか、富士ヶ嶺オフロードコースでトライトンの頼もしい走りを満喫。テールゲートに座ってひと休みするだけでも楽しいですね

「富士と私とトライトン」なんて歌をつくりたくなってしまうくらい、楽しいクルマに乗ってきました。日本には「おかえり!」ということになる三菱自動車のピックアップトラックのトライトンなんですが、以前のイメージが残っている人は再導入された新型トライトンを見たら、あまりの変身ぶりにビックリするんじゃないでしょうか。

 強靭なラダーフレーム(完全刷新!)にパジェロ譲りの4WD技術、ランエボ譲りのAYCを継承し、どんな道でも任せておける走破性を持っているところは変わらないのですが、デザインがまずドドーンと迫力満点、上質感もアップ。個人的にはデリカ D:5とパジェロの面影が融合しているような、三菱らしいのに新鮮なフロントマスクがとっても気に入りました。

 そしてインテリアの質感や収納スペースの多さ、リアサーキュレーターやワイヤレス充電器をはじめとする快適装備の数々といったら、SUV並みといってもいいくらい。とくに後席は、背もたれが直立じゃないということ、クッションにしっかりとした弾力があること、圧迫感のないスペースであることなど、ファミリーユースもおすすめできると感じました。

 しかもトライトンをファミリーカーにしたら、普通はできないことがたくさんできるようになるかも……という妄想が炸裂。以前、フォードのピックアップトラックのカーゴベッドに大きなBBQ用のグリル台を積んでやってきて、そのままそこをキッチンのようにして使っている素敵なファミリーを見たことがあります。いちいち重いグリル台をおろさなくていいし、雨上がりでキャンプ場などの地面がドロドロの時でも、カーゴベッドがあれば快適なBBQができるんだなぁと気づいた瞬間でした。

 私なら、愛犬をずっとリードでつないでおかなくても、駐車中にカーゴベッドをプチドッグランとして使えるかも? 夏はビニールプールを出して、水浴びして遊べたりするかも? なんて夢が広がります。まぁでも、何にもしなくてもテールゲートを開けて座り、景色を眺めながらコーヒーを飲むだけだって贅沢な時間になりそうですよね。

トライトンのテールゲートは耐荷重200kg。GSRにはドリンクを置くカップホルダーもあって、ピクニック気分でベンチのように使うことも想定されています

 雨の日には荷物が濡れないようにカバーをつけないといけないし、屋外に止めておいたら落ち葉やホコリなどが溜まって掃除をしないといけないだろうな、という不便さも想像はつくのですが、きっとそういう手間さえも充実した毎日へのスパイスにしてくれるのではないか、と感じました。

 あともう1つ、トライトンのいいところは昔のピックアップトラックを運転する時にいちばんのストレスだった、「後方の様子がまったくわからない」問題を先進のカメラ技術でクリアしてくれたところ。移動物検知機能がついたマルチアラウンドモニターやパーキングセンサーで、車両の周囲が360度丸見えになっているので、バックで車庫入れして後ろの壁にゴツン、なんて悲劇を味わわなくて済むんです。これは市街地で運転することが多い人にとっても、すごく嬉しいところでしょう。

もはや運転席からは地面が視界から消えてしまうような急坂も、スイッチ1つで作動するヒルディセントコントロールのおかげで余裕の走行。これは後進でも作動するそうなので、坂を登っていったら行き止まりだった、なんて時でも安心です

 そういえば、トライトンのブランドアンバサダーにはタレントのヒロミさんが就任されたんですよね。ご自身でキャンプ場をつくったり、プロ級のDIYテクと豊富なアイディアを持つヒロミさんが今後、どんなトライトンの楽しみ方を見せてくれるのか、すごく期待しちゃいます。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。