まるも亜希子の「寄り道日和」
「Modulo」30周年スペシャルトークショー
2024年10月3日 00:00
納得のいくモノができるまで、何度でもしつこくやり直してこだわり抜く職人集団。長きにわたって開発に深く関わる土屋圭市さんがそう表現する開発者たちが紡いできた、ホンダアクセスのHonda純正カスタマイズブランド「Modulo(モデューロ)」が30周年を迎えました!
東京・青山のHondaウエルカムプラザ青山は、外も中もそんなModulo一色の特別展示となっていて、9月29日はスペシャルトークショーが開催されたんです。土屋さんをはじめ、元Modulo開発統括で現在も伝道師として欠かせない存在の福田正剛さん、最新アイテムであるシビック用「テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)」の開発を取りまとめた山崎純平さんが登壇し、MCはモータースポーツアナウンサーのピエール北川さん、私・まるも亜希子が務めさせていただきました。
トークショーのスタート前に、私もあらためて特別展示を見て回ったんですが、やっぱり「Modulo」という名前のはじまりとなった1994年発売のアルミホイールはとくに目を惹きましたね。だって、3代目VIGORやアコードなどに装着するアイテムだったそうなんですが、サイズが15インチですって。今では考えられないですよね。でも当時、リムのホールをなるべく外側に配置したりといった、小さなサイズでも大径に見せる工夫が散りばめられているんだそうです。
そして、土屋さんが初めてModuloの開発に加わってできあがったという、2008年のSports Modulo CIVIC TYPE R(FD2)。土屋さんにとっても思い入れの深いモデルだそうで、トークショーの時にその理由を聞いたら、「だって、初めてアクセスの当時の開発トップと話した時に、カッコわるいとかさんざん言ってこりゃ1年でクビになるなって思ったんだよ」と(笑)。もうみんな大爆笑。でも逆に、そこでModuloの開発者たちに火がついたのか、街中を走る速度でも体感できる「実効空力」をはじめて提唱したエアロパーツが開発され、なんと、しなやかな乗り味とバランスのよさを実現しながら、ガチガチの足を入れたシビックTYPE Rと同じタイムで走れる速さを手に入れたというから、すごいですよね。この足まわりパーツはModuloの歴史にも残る大ヒット商品となり、今も大事に乗っている人から「再販してほしい」との要望が多いのだとか。
そしてトークショーでは、初めての登壇となった山崎さんを現場で厳しく見守り、開発者のベースとなる技術や感性、ノウハウを徹底的に教え込む福田さんのお話がとても興味深かったですね。まさか、プロモーション動画の撮影まで自分たちでやるとは、聞いていたお客さんたちもビックリ(笑)。土屋さんが150km/hでテストコースを走る撮影で、並走するカメラカーの運転を命じられた山崎さんが、最初はできなくて夜まで自主的に練習し、翌朝に運転がとても上達していたというエピソードや、何度も何度も直したのに最後は「全部はずして、やり直しね」と強烈なダメ出しを喰らったエピソードは、ホンダアクセスならではだと思います。
そんな現場で見ている土屋さんも、「他社は数字が基本。でもModuloは昔から“人”が基本なんだよね。だから面白いものができる」と太鼓判。北海道の鷹栖テストコースにデザイナーから営業チームまで来て、一緒になって走ってクルマを作り上げていくというエピソードは、何度聞いてもすごいなと感心します。
土屋節、福田節が炸裂したトークショーは、たっぷり90分にもわたり(笑)、最後はじゃんけん大会で土屋さんのサイン入りグッズや、土屋さんが愛車のオデッセイを代替えしたので、ホイールキャップとして前愛車につけていたHonda Dogの肉球ホイールキャップとキーカバーにも直筆サインを入れて、会場に来ていたModuloのコンプリートカー「Modulo X」のオーナーさんにプレゼント。みなさん「家宝ができた」と嬉しそうでした。
雨予報のお天気だったので、お客さんの入りはどうかなと心配しましたが、始まってみれば立ち見が出るほどの大盛況。遠くは長野や名古屋から来たという方もいて、Moduloファンの情熱を感じた1日でした。私も「群サイでお会いしました!」というご家族や、N-BOXのModulo Xに乗っているカップルなどに再会でき、とっても嬉しかったです。30周年のイベントはまだまだ続きますので、次回もぜひ楽しみにしていてほしいと思います!