まるも亜希子の「寄り道日和」
行楽日和に試乗したヒョンデの「N」
2024年10月17日 00:00
モータースポーツシーンに彗星の如く現れ、メキメキと存在感を強めてきたヒョンデの「N」。10月27日はTOYOTA GAZOO Racingとコラボして、韓国ヨンインのエバーランドスピードウェイで、モータースポーツイベントを開催することが発表され、注目されてますよね。そのヒョンデNの初めての量産モデルとして日本にやってきたIONIQ5 N、噂には「スゴイ」と聞いていて、サーキットでの試乗会に参加できなかったことをずっと悔しく思っていましたが、ようやく一般道で試乗することができました。
ベーシックなIONIQ5は開放的なラウンジのような室内空間が大きな魅力だったので、「いったいどうやって、あの空間をレーシングに?」と疑問に思っていたのですが、ひと目見てこりゃ別モノだとビックリ。見た目も宇宙船のような雰囲気からガラリと変わり、思いっきりイケイケレーサーになっているではないですか。
聞けば、ボディ剛性からシャシーセッティングからすべて走りのためにやり直したということで、サーキットを速く走ることを本気で追求した、本物のハイパフォーマンスBEVという希少なキャラクターとなっています。
走行モードもいろいろあって、たとえば「N Race」はスプリントモードとエンデュランスモードが選択でき、「N-Battery Pre-conditioning」ならドラッグモードとトラックモードでバッテリの温度を適温に維持してくれるのだとか。ローンチコントロールもあるし、ワクワクするのは10秒間にわたって最高出力を通常+41PSとなる650PSにブーストしてくれる「NGB(N Grin Boost)」があること。ここぞというところで押すと、スーパーマリオに変身するみたいなモードで、一度使っても10秒間のインターバルをおくと再度使用可能となるそう。
とはいえここは一般道。平日だけど行楽日和のいいお天気で、箱根・芦ノ湖方面は混雑しており、なかなかこれらを使うチャンスがなくお預け状態になってしまいました。でも、普通に走っている時でもレース気分が味わえたのが、EVなのに8速のシフトチェンジが行なえるという「Ne-Shift」です。下りのカーブが続く道で試してみたら、もちろんバーチャルではあるのですが、パドルシフトを指で弾くと本物のシフトチェンジに似たかすかな機械の噛み合わせのような感触が伝わり、バブリング音の演出もあって楽しい! 加えて「N Active Sound」をオンにすると、BOSEの8スピーカーから音を出して、ボンネットとリヤに仕込んだスピーカーで車外にも聴かせてくれるのです。
ほかにもe-LSDとか駆動力配分を0~100の範囲で細かく調整してくれるものとか、とにかく走っている間にやりたいドライバーの望みには全部盛りで答えてくれるIONIQ5 N。これは間違いなく、サーキットで速さを真剣に追い求める人にこそ相応しいクルマだと思います。