まるも亜希子の「寄り道日和」
フィット誕生25周年
2026年7月16日 00:00
ちょっと過ぎちゃったけど、ホンダ・フィットが6月22日に誕生25周年を迎えましたね。関係者の皆さん、オーナーの皆さん、おめでとうございます〜〜! 初代が登場した2001年、私はまだ自動車雑誌の編集部にいましたが、初めてフィットを見たときに後席スペースがあまりに広くて驚いたことを覚えています。「センタータンクレイアウト」という言葉も、そのときに初めて聞いてすごい発明だなと思いました。ホンダには「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」と呼ぶ、「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」という考え方が受け継がれていたからこそ、生まれた革新技術。そしてこれがのちの王者・N-BOXを生むことになりましたね。
フィットとの思い出を振り返ると、友人や家族が愛車にしていて乗せてもらったプライベートでの思い出から、まだジャーナリストとして駆け出しだったころに開発チームなどを取材させてもらった経験、さらにはモータースポーツの裾野を広げたいという活動で、耐久レースに挑戦したマシンとしても思い出深いのがフィットです。
中でも2010年に発表された、「フィットshe's」という特別仕様車を覚えていますか? 女性デザイナーが中心となったチームで、女性のカーライフをもっと豊かにしたいという想いのもと、見た目や機能にこだわった特別なフィットが誕生したんです。私はそのチームの女性デザイナーさんたちと座談会をさせていただく機会があり、役割は異なっても同じクルマ業界で働く女性同士ということで、ものすごく盛り上がった楽しい時間でした。
思えばそのときの経験が、女性たちのパワーでもっと自動車業界を盛り上げたい、社会に役立つ何かを届けたい、という「ピンク・ホイール・プロジェクト」や「クルマ業界女子部」をつくるきっかけになったのかなと思っています。今ではさらに時代は進んで、「女性だからピンク」といった考えはもうそぐわなくなってきていますが、16年前はまだクルマ業界にもガラスの天井のようなものが残っていて、そうした中で声をあげ、しっかりと仕事をしてきた女性たちがいたからこそ、今につながっているのだなとあらためて実感しました。
そしてモータースポーツでは、2013年に2代目フィットでモビリティリゾートもてぎ(当時はツインリンクもてぎ)のJoy耐に挑戦したのがはじまり。懐かしい写真が出てきましたが、チームメイトには今は夫となった橋本洋平がいたんですね〜。当時は単に、元同じ会社でフリーのジャーナリストというだけの関係でしたが、一緒にレースをやっていくうちに何かが芽生えたのか、どうなのか?(笑)。そうだとすると、フィットも縁結びに一役買ってくれたことになりそうです。
フィットでのモータースポーツ活動はこの後、3代目フィット、現行フィットに代替わりしながら2023年まで続きましたが、チューニング次第で初心者から熟練ドライバーまで走りを楽しめる、貴重なコンパクトカーだということを実感しました。で、2020年からホンダの若手エンジニアたちとタッグを組み、挑戦したモータースポーツ活動で培ったe:HEVのノウハウが注がれたのが、一度は消滅していて復活した「フィットRS」。精悍な顔つきや、一筆書きのようにつながる気持ちのいいコーナリングが魅力で、走って楽しいスポーティなフィットが戻ってきたと話題になりました。
さらに今回、マイナーチェンジでそのRSのフェイスがスタンダードグレードとなる「Z」にも採用されたんです。「RS」はe:HEV専用グレードとなり、ステアリングヒーターやワイヤレス充電器、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器など標準装備がモリモリの豪華仕様に。シンプルなベースグレード「X」は1.5リッターガソリンモデルが180万円台からというお得感がありつつ、アウトドアギア感のあるCROSSTARも健在。私の注目ポイントとしましては、「Z」のステアリングホイールが本革巻3本スポークになったこと。そして、リアに「e:HEV」のエンブレムがなくなったこと。この理由としては、もはやハイブリッドが特別ではなくスタンダードになってきたことや、なるべくリアスタイルをスッキリさせたかったから、ということでした。
時代とともに、人々がコンパクトカーに求めるものは変わっていくと思いますが、フィットにはまだまだ頑張ってほしいなぁと思います。




