【2010ジュネーブショー】 シューマッハとロズベルグ、メルセデス・ブースに登場 ハイブリッドにも燃料電池車にもなる「F800スタイル」登場 |
メルセデス・ベンツ・ブースで開かれたプレス・カンファレンスに、メルセデスGPのドライバー、ミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグの両選手が登場した。
同社のカンファレンスはいつものようにCEOのディーター・ツェッチェ博士の司会で始まった。ツェッチェ博士は同社のモータースポーツにおける歴史から話を始め、同社がメルセデスGPとして2010年のシーズンに参入する理由を、「依然として新興国市場でF1のステイタスが高いため」と述べた。
その後、SL63 AMGに替わって2010年からF1公式セーフティカーとなる「SLG AMG」が自走して登場、その中からシューマッハ、ロズベルグ両選手が降り立った。
続いてメルセデス乗用車グループ研究開発担当役員のトーマス・ウェバー博士が「E 300 ブルーテック・ハイブリッド」を紹介。E 250 CDIをベースとするハイブリッドカーで、150kW(204PS)の2.2リッター4気筒直噴ツインターボディーゼルエンジンと、15kWのモーター、リチウムイオンバッテリー、7速ATを搭載する。総合出力は165kW(224HP)、最大トルクは600Nmに及ぶ一方で、燃費は4.1L/100km(24.39km/L)に及ぶ。35km/hまでモーターのみで走行することができるほか、80km/h以下の慣性走行ではエンジンを停め、モーターのみで速度を維持する「セーリングモード」も可能となっている。
ウェバー博士によればE 300 ブルーテック・ハイブリッドはほとんどのテストを終えており、2011年にセダンとスポーツワゴンが発売される予定。
自走して登場したE 300 ブルーテック・ハイブリッドをウェバー博士が紹介。背後のプレゼンテーションは「ライバルよりパフォーマンスが高いうえに、燃費がよい」ことを示している |
ブルーテック・ハイブリッドのバッジ以外は、ノーマルのEクラスセダンと替わるところのない外観。車内やエンジンルームを見ることはできなかったが、インテリアにも変わったところはない | |
モーターだけで200Nmのトルクを発生する | 展示されたブルーテック・ハイブリッドはシュツットガルトからジュネーブまで自走してきた。展示車のウインドーにはスイスの高速道路を走るためのステッカーが貼られていた |
E 300 ブルーテック・ハイブリッド車内のハイブリッド・システムのモニター表示 | |
同社は5速ATをすべて7速ATにリプレイスし、アイドリングストップ機構を標準装備とすることで、全車7%の燃費改善を図る | Smart用iPhoneアプリを紹介。自分の車の位置を探し出す「カー・ファインダー」などを備える。Smartには今後、レーンキープアシスト機能などを搭載すると言う |
最後にコンセプトカー「F800スタイル」が自走して登場した。プラグイン・ハイブリッドと燃料電池、2種のパワートレーンをサポートする車種で、CLSクラスを彷彿とさせるスタイリングは、1月のデトロイトショーで“彫刻”として示唆されたもの。
プラグイン・ハイブリッド版は次世代Sクラスに搭載されるシステムの先駆けとなるもの。200kW(272HP)のV6ガソリンエンジンと、80kW(109HP)のモーター、リチウムイオンバッテリー、7速ATを搭載。0-100km/h加速が4.8秒、最高速度250km/hと、スポーツカー並みのパフォーマンスを発揮する。モーターのみでの最高速度は120km/h、航続距離は30kmとなる。
燃料電池版は100kW(136HP)、290Nmを発生。こちらは600kmの航続距離を持つ。
自走して登場したF800スタイル。全長4.75mの4ドアクーペだ | ||
ヘッドライトはLED | トランスルーセントデザインの天井 | リアドアはスライド式になっている |
センターコンソール下部の黒い部分はタッチパッド。手の動きをカメラで検知して、各種の操作をする | 後席のセンターコンソール | ホイール |
プラグイン・ハイブリッド版と燃料電池版がある |
80th International Motor Show
http://www.salon-auto.ch/en/
(編集部:田中真一郎)
2010年 3月 3日