東京モーターショー2015

ルノー、RRレイアウトになった新型「トゥインゴ」をジャパンプレミア

来春に90PS/135Nmを発生する直列3気筒898ccターボエンジン搭載車を日本導入

2015年10月30日~11月8日一般公開

ルノー・ジャポン 代表取締役社長 大極司氏とルノーのチーフデザイナーであるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏

 ルノー・ジャポンは、「第44回東京モーターショー2015」の会場で新型「トゥインゴ」のジャパンプレミアを行った。

 今回の新型トゥインゴは3代目にあたり、2014年3月のジュネーブショーでワールドプレミアされたモデル。初代と2代目がエンジン横置きのFFレイアウトだったのに対し、RRレイアウトのシャシーを持つ。リアにエンジンが配置されることでFFのシャシーよりラゲッジスペースの床面が高くなってしまうが、タイヤハウスの突起の影響を受けずにスクエアに近い空間を実現している。

ルノー・ジャポン代表取締役社長 大極氏は「トゥインゴはルノーのデザイン戦略、ルノーのブランドコアバリューがギュっと凝縮されているモデル」と語った

 プレスカンファレンスでルノー・ジャポン代表取締役社長の大極司氏は、ルノー・ジャポンについて「日産自動車とのアライアンスで日本におけるルノーの知名度は高いが、どんなブランドかと問われるとはっきりイメージできる方は多くない。日本のお客様に一番感じ取ってほしいのはパッション。英語では“情熱”を意味するが、フランスでは好きなものを表す。好きなものに囲まれた、こだわりのある楽しい毎日をサポートする。パッションをお客様と共有することがルノーのコアバリュー。その結果、ルノー・ジャポンは5年連続で日本での販売増を達成できており、来年もさらなる発展を約束する。フランスの様々な情報発信も継続していく」と話した。

発表当日は6色の新型トゥインゴが展示された
エンジンをリアに搭載するRRレイアウトの新型トゥインゴだが、エンジンブロック自体を49°傾けて搭載することで219Lのラゲッジスペースを確保している

 今回展示された欧州仕様の新型トゥインゴでは、エンジンに999cc直列3気筒で70PS/91Nmを発生する新開発の「SCe 70」と、898cc直列3気筒ターボで90PS/135Nmを発生する「Energy TCe 90」のガソリンエンジンを用意しているが、来春の日本導入が予定されるトゥインゴにはハイパワーバージョンを搭載する。6速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)を介するRRレイアウトのためエンジンスペースに制限があることから、ブロック自体を49°傾けて搭載することで219Lのラゲッジスペースを確保しているのは両車共通になっている。

 ボディーサイズは3620×1650~1660×1545mm(全長×全幅×全高)、車両重量は1010~1030kg。

トゥインゴの車体構造動的展示。シャシーやエンジン、サスペンションなどの構造を確認できる
カラフルで明るい印象を与えてくれるインテリア
開放感のあるスライディングルーフ
エアコンやオーディオのコントロール、シートベルトなどのワーニング

 プレゼンテーションでは、2009年にルノーのチーフデザイナーに就任したローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏のパートも用意され、デザインコンセプトについての解説が行われた。

 アッカー氏が打ち出したデザインコンセプト「Cycle of life(サイクル・オブ・ライフ)」。恋(LOVE)からスタートする人生のステージは、出会った2人が世界中を旅し(EXPLORE)、家族を持ち(FAMILY)、働いて充足し(WORK)、余暇を楽しみ(PLAY)、そして賢さを得る(WISDOM)という6つのステージに分かれており、その6つのステージに合ったクルマを選べる魅力が「自らのスタイルにこだわりを持つ欧州の人々から広く受け入れられている」としている。そのサイクル・オブ・ライフコンセプトの最新作であり、常にフランス人が大切にしていると言う“PLAY”を表しているのが「トゥインゴ」だと紹介を行った。

チーフデザイナーのローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏。最小回転半径の小ささで市街地の取りまわしがしやすいことや、RRレイアウトにしたことでラゲッジスペースがフラットになって荷物の出し入れがしやすいこと、さらにサイドシートを倒せば2.2mの長尺物も積載可能と解説

 なお、10月30日から始まる一般公開日には、11月12日に発売となる「ルーテシア R.S.」にパワーアップしたエンジンとアップグレードされたシャシーを与えた最高峰モデル「ルーテシア R.S. トロフィー」も展示。

 エンジンマッピングの刷新、ターボの大径化、吸排気系の改良、新開発のエキゾーストパイプの採用により220PS/260Nmを発生するとともに、「ルーテシア R.S. シャシースポール」に比べステアリングギヤ比を14.5:1から13.2:1へと約10%クイック化。デュアルクラッチトランスミッションと組み合わされるパドルシフトのストロークも飛躍的に短縮したとのことで、スポーツドライビングに適したチューニングが施されていると言う。

 ほかにも「ニュルブルクリンク最速の血統を持つ究極の5シーター」とルノーが謳う、発売間もない「メガーヌ R.S. CUP-S」も10月30日から展示される。

 273PS/360Nmを誇る2.0リッターターボエンジンを搭載し、パワーウエイトレシオは5.1kg/PS、0-100km/h加速は6秒を実現。最高速は255km/hに達する。オーリンズ製調整式ダンパー、スピードライン製19インチブラックアロイホイール“Turini”、ブレンボ製フロントブレーキキャリパーと前後ブレーキディスク、アクラポヴィッチ製チタンマフラーなどに加え、内装はアルカンターラのステアリングやレザーを使用したレカロ製バケットシートなどエクスクルーシブな造り。日本では限定60台で発売される予定だ。

酒井 利