東京モーターショー2015
ロータリー復活の狼煙「Mazda RX-VISION」を展示したマツダ ブース
マツダが考えるFRスポーツカーの究極を示したコンセプトモデル
(2015/10/28 21:27)
- 2015年10月30日~11月8日一般公開
西2ホールの右手に位置するマツダブース。ホールに入るとブースの手前側に設置されたステージには、今回の東京モーターショーでも一二を争う注目モデルといえる「Mazda RX-VISION」が置かれている。
事前の発表ではスポーツカーのコンセプトモデルを公開するという極限られたアナウンスと1枚のティザー画像しかなかったが、プレスカンファレンスで正式名称を含めてコンセプトカーの実態が披露された。
RX-VISIONは、マツダが考えるFRスポーツカーの究極ともいえるスタイリングを追求したデザインコンセプトになる。プロポーションは、スポーツカーの伝統的スタイルとなるロングノーズとショートデッキを忠実に再現。前後のオーバーハングは限りなく詰められ、4つのホイールが四隅に配置されている。エクステリアデザインは、フロントまわりにシグネチャーウイングをセットした大型のグリルが採用され、現行の新世代商品郡の延長線上であることを感じさせる。ただ、サイドラインは、キャラクターラインなどが入っておらず、一見するとシンプルな造形となっている。だが、光の陰影によるリフレクションで、魂動デザインが追求し続けている動きを表現することで、一歩進んだデザインを表現。
また、エクステリアデザインの各部を見ると、これまでのマツダが販売してきた歴代のスポーツカーを想起させるアイテムが随所に見受けられる。ヘッドライトを正面から見ると、リトラクタブルヘッドライトのように感じるのだ。マツダのスポーツモデルは、3世代のRX-7のようにリトラクタブルヘッドライトを採用してきた。RX-VISIONは、ヘッドライトの上部にウインカーとデイライト機能を盛り込んだLEDバーを配置している。そのことにより、リトラクタブルヘッドライトのように見えるのだ。リアに目を移すと、丸目4灯のテールランプが確認できる。丸目4灯のデザインは、FD3Sの象徴のひとつにもなっているもので、リアまわりからも過去のスポーツモデルへのオマージュが受け取れる。
ボディーカラーは、ソウルレッドにより深みとコントラストを足したコンセプトカー専用の「赤」を使用。RX-VISIONのもつ艶やかさとリフレクションを強調する役目を担っている。
可能な限り低く構えているボンネットの中には、SKYACTIV-Rと呼ばれる次世代のロータリーエンジンを搭載。SKYACTIVの名称を取り入れた理由としては、「理想の内燃機関」の実現に向けて、ゼロベースで効率を見直したSKYACTIV-GやSKYACTIV-Dの流れを汲むからになる。ロータリーエンジンの「燃費」「排気ガス」「信頼性」という3つの課題を最新技術によってブレークスルーするという決意を込めている。
2017年には、ロータリーエンジン車の登場から50周年、2020年にはマツダ創立から100周年という記念の年を迎える。この2つのタイミングで、RX-VISIONの新たなビジョンが発表される可能性は高い。そのときには、詳細なエンジンスペックやより具体的なデザインが公開されるだろう。
RX-VISIONが置かれているステージの横には、マツダが世界で初めて発売を行なった2ローターのロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」が展示される。ロータリーエンジンモデルの始祖となるコスモスポーツは、困難な開発を乗り越えて登場したモデルで、そのチャレンジスピリットは、SKYACTIVの原形にもなっている。
その他には、来年からレースシリーズがスタートするMX-5カップのマシンを展示。これまでも東京オートサロンなどで公開されていたが、レースシーズンが始まるに向けて、より現実的な仕様に変化した。ロールケージはFIA公認のモデルになるとともに、ヘッドクリアランス余裕を設けている。ホイールはレイズ製で、タイヤはBF Goodrich製。ほぼ、この仕様のままレースに導入されるそうだ。
このほかには、CX-5以降のマツダの新世代商品群と呼ばれる市販車が展示されていて、どのモデルもドアを開けて室内を確認できる。