東京オートサロン 2017

【東京オートサロン 2017】ホンダブースでは初公開の「フリード」カスタムモデル2台や新型「NSX」を展示

F1マシンやSUPEER GT 2017年仕様のNSX、MotoGPマシンなどのレース車両も紹介

2017年1月13日~15日 開催

初公開された「FREED ACTIVE Concept」

 1月13日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン 2017」のホンダブースでは、すでに別記事で紹介している「シビックシリーズ」の国内導入発表(ホンダ、新型「シビック」(10代目)を今夏に日本で発売)や2017年のSUPER GT体制発表(ホンダ、2017年のSUPER GTに参戦する全チーム体制発表)などのほか、2016年9月に発売したコンパクトミニバン「フリード」のコンセプトモデル2台が初公開されている。

 1台目はこの東京オートサロンが初公開になる「FREED ACTIVE Concept」で、これはフリード+をベースにアクティブなスタイリングとユーティリティ性能を加えた仕様になっている。

 つぎは「FREED Modulo X Concept」だ。これは先だって発表され、ホンダのラインアップに組み込まれた「STEP WGN Modulo X」同様に、上質な走りを目指して現在も開発が進められているとのこと。ちなみにSTEP WGN Modulo Xもブース内で展示されているが、こちらはカラーリングを小変更した東京オートサロン用の「STEP WGN Modulo X-Special Edition」となっている。

 なお、FREED ACTIVE ConceptとFREED Modulo X Conceptに加えてSTEP WGN Modulo X-Special Editionに関しては、開発担当者のインタビュー記事などを追って掲載するのでそちらも見ていただきたい。

フリード+をベースに、アクティブなスタイリングとユーティリティ性能を加えたFREED ACTIVE Concept。スニーカーをモチーフにタフなギヤをイメージしているという
ボディの要所に黄緑の差し色を使用
FREED ACTIVE Conceptのインテリア。明るい色遣いになっている
ルーフの中央にネット状の収納スペースを設定
FREED Modulo X Concept
FREED Modulo X Conceptのエクステリアでは、フロントエアロバンパー、フロントグリル、リアディフューザーなどがモデューロ製パーツとなる
サスペンションはテスト中のものを装着。ボディやホイールにはモデューロのイメージカラー(候補)となっている赤い塗り分けを採用
インパネ、シートが特別仕様となるFREED Modulo X Conceptのインテリア
STEP WGN ModuloX-SpecialEditionは、FREED Modulo X Conceptと同じく白いボディに黒いルーフ、赤いラインという構成
ドアミラーやホイールにも赤い差し色が使われている
インテリアに市販バージョンとの違いはない

 市販車の展示は東京オートサロンらしく、新型「NSX」がメイン。新しいNSXが日本国内の大規模ショーに展示されるのはこれが初となる。3台置かれているうち、1台は2016年12月4日にツインリンクもてぎで開催された「Honda Racing THANKS DAY2016」で、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手がドライブしたクルマ。ボディにはアロンソが現地で書いた直筆サインが入っている。ホンダブースにはNSXのほかに、ブラウンのボディカラーとレザーシートでコーディネートした「S660 Bruno Leather Edition」も展示されている。

「Honda Racing THANKS DAY2016」で、フェルナンド・アロンソ選手がドライブした新型「NSX」。ドアを開けると直筆サインが見える
ブラウンのボディカラーとレザーシートでコーディネートした「S660 Bruno Leather Edition」

Honda Racing

 モータースポーツ車両の展示では、F1世界選手権に参戦した「McLarenーHonda MP4-31」に、2017年のSUPER GTに参戦予定の「NSX-GT」を展示している。また、2輪車はFIM ロードレース世界選手権 MotoGPの「RC213V」、FIMトライアル世界選手権の「COTA 4RT」、FIMモトクロス世界選手権 MXGPクラスの「CRF450RW」が展示されている。

「McLarenーHonda MP4-31」をかなり間近で見ることができる
特徴的な空力パーツもしっかり見ることができる
2017年モデルの「NSX-GT」。エプソン・ナカジマレーシングの64号車だ
MotoGPの「RC213V」。こちらはフルバンクの状態を体感できる
FIMモトクロス世界選手権 MXGPクラスの「CRF450RW」
FIMトライアル世界選手権の「COTA 4RT」

ホンダアクセスの社内有志による「N Lab.(エヌラボ)」

 今回の東京オートサロンでは、幕張メッセの中ホール4~5にあるホンダブースに展示している車両のほかに、ホンダアクセスの従業員が自発的な活動で製作したカスタマイズモデルを「N Lab.(エヌラボ)」として出展している。展示車両は3台で、展示場所は2カ所に分かれている。まずは1ホール 小間番号155。こちらにあるのがホンダの軽トラック「アクティ」をベースにした「T880」だ。

 働くクルマのかっこよさを求めるというコンセプトで、大胆なボディワークを施しただけでなく、走りの楽しさも求めるため、エンジンをバモス用のターボエンジンに積み替えている。トランスミッションはビート用の5速MTを使っている。

アクティをベースにした「T880」。この車両はホンダブースではなく、1ホールの小間番号155にあるので、見てみたい人は要注意
メーター周りもすべて作り直している。ステアリングは跳ね上げ式のボスを使っているので乗り降りはしやすい。トランスミッションはビート用の5速MT。シフトレバーの長さがトラック的だ。このクルマは人気が高く、常に人だかりになっていた

 1ホールのもう1台は、「ヴェゼル」をベースにアクティブなデザインに作り替えた「VEZEL GEAR」だ。こちらはSUVとしての存在感と使い勝手の向上を目指した作りで、外観のフロント側はすべて作り直している。リアドアは形状がシンプルなヴェゼルの中国仕様車用に変更したうえで、新たなガーニッシュを装着している。フロントとリアの全幅が広がっていることから、タイヤもワイド化している。

大胆なボディワークが施された「VEZEL GEAR」。フロント周りはすべて作り直している。リアはドアを中国仕様車用に変更。フェンダーガーニッシュはワンオフで製作し、ルーフレールやリア周りもワンオフとなっている
「VEZEL GEAR」のインテリア。カラー変更のほか、カーナビが入るスペースを引き出し式の収納に変更している。カーゴスペースは使い勝手を重視

 最後はS660をベースにした「S660 Neo Classic Prototype」で、このクルマは昨年の東京カスタムカー2016にてグランプリを獲得した「S660 Neo Classic Concept」をベースにさらにバージョンアップ。今年の仕様は車体のサイズや架装内容を軽自動車の規格に収め、量産可能な状態まで仕上げた作りになっているのがポイント。

 フロントからリア周りまでノーマルから大きく形状が変更されているが、変えているのはボルトやクリップで留まっているパーツのみ。骨格部分はそのままに形状を大きく変え、デザインもかっこよく成立させる部分で苦労したという。このS660 Neo Classic Prototypeは国際会議場の「TUNING CAR MEETING」コーナーに展示されている。

「S660 Neo Classic Prototype」は市販も可能な構成になっている。最新のスポーツカーをレトロな雰囲気もあるスタイルに変える仕様変更で、市販されれば人気が出そうだ
「S660 Neo Classic Prototype」のインテリア。シートなどの材質を変更している
エンジンフードを開けた姿。フードサイズが大きくなっているので、ノーマルのS660とはかなりイメージが違う。リアウィンドウの下に小さくロゴマークが入る

無限ブース

ホンダブースの横は無限がブースを出展。これは無限製パーツを装着した「MUGEN FREED」
インテリアはカーボンのルームミラーカバーとシフトセレクターなどを使って変更されている
「私たちがほしい夢のスポーツカー」というテーマで製作された「無限 GARU」と名付けられたコンセプトカー。ベースはS660で、ボディの造形変更、センターロックのホイール、ドアミラーレス化などなどの変更が行なわれている
メーター周りはメインとなるメーター用モニターのほかに、両サイドのドアミラー用モニターを装着
ホイールはセンターロック式。サイズはフロントが18インチの7J。リアが19インチの7J。タイヤサイズはフロントが215/35 R18、リアが215/35 R19
全日本スーパーフォーミュラ選手権のSF14も展示。これは16号車。無限ブースの目印はオブジェのように縦に設置されたSF14だ
無限は電動バイクの開発も行なっていて、マン島TTレースのゼロエミッションクラスにも参戦している。車名は「神電・伍」で、カーボンのフレームは無限製。油冷式のブラシレスモーターを搭載しており、出力はPS換算で163.2PSとのこと
鈴鹿サーキットをSF14で走行した映像を使うシミュレーター体験コーナーも用意
こちらは2015年仕様車でのTTレース参戦映像を使う2輪シミュレーター。200km/hを超えるスピードで公道を走る映像を見ながらのライディングが体験できる

【お詫びと訂正】記事初出時、「CRF450RW」と「COTA 4RT」のキャプションが逆になっていました。お詫びして訂正させていただきます。

深田昌之