東京オートサロン 2019

【東京オートサロン 2019】クラリオンブースは家族やカップルでも体験したい!「振動シート」で身体で音楽を楽しむ

「Smart Cockpit Solutions(スマートコクピットソリューションズ)」をコアに人とクルマの新しい付き合い方を提案

2019年1月11日~13日 開催(最終日は18時まで)

入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)

クラリオンブースはオートサロン会場の「ホール2 小間No.215」にある

 1月11日に開幕した「東京オートサロン2019」。今回クラリオンは2018年度中に発売予定となる三菱自動車工業の新型「デリカD:5」を筆頭に、スバル「レヴォーグ」、日産自動車「ノート e-POWER NISMO」、トライクベースのオリジナルカートなど計4台のデモカーを中心に「安心・安全な運転支援」「車内外のシームレスなつながり」「すべての搭乗者の心地よさの追求」をテーマに展示を行なう。

 今回同社はこれらを「Smart Cockpit Solutions(スマートコクピットソリューションズ)」と呼び、前述したテーマに沿った展示を行なっているが、各デモカーのコアとなるのが1画面に「ナビゲーション」「オーディオ」「ツール」「アプリケーション」を同時に表示できる「Quad View(クワッド ビュー)」を搭載したナビゲーションである。

三菱自動車 新型「デリカD:5」

 デモカーとしてまず見ておきたいのは新型デリカD:5だ。三菱自動車のブースを除けば、発売前の実車に触れることができる機会は珍しい。今回このデモカーにはこれまでの9型よりさらに大型の10.1型Quad Viewナビゲーションを装着する。4つの画面の大きさを好みに応じてカスタマイズできるのがこのナビの大きな魅力だが、さすがに10.1型のインパクトは大きい。画面分割をしてもそれぞれの画面の情報は掴みやすいし、それでいてメイン画面(ナビなど)をフル表示すれば地図情報をしっかりと確認することができる。

発売前となる三菱自動車工業の新型「デリカD:5」
ナビゲーション(左上)、DVD(右上)、アプリケーション(左下)、ツール(右下)の4分割画面で情報が表示できる

 これは、フルモデルチェンジ並みのビッグマイナーチェンジを行なったデリカD:5のインパネにジャストフィットするデザインで、ディーラーオプションとして設定されるそうだ。

車両近くには今回のシステムの概要を展示する

 そして注目の振動シートだが、今回は助手席に説明員が座るので、運転席と2列目の2席の計3席で体感することができる。

 原理としては実はシンプルだ。これまで同社は「安全と安心」をテーマに多彩な技術を開発してきたが、アラート(警告)のために使ってきた振動技術を今回エンターテインメントに活用しようという考えだ。

 この震動シートは小型の車両用エキサイター(振動板)をクッションに組み込んでいるのだが、面白いのはクッションの側面、ちょうど身体をホールドする部分にも振動板が入っていること。これによりシート全体が音楽信号に合わせて振動する。

2列目シートに取り付けられた「振動シート」。振動板は小型だが、加重による耐久性なども考慮されて開発されている

 デモ用のDVD内に収録されたライブ演奏やアニメなどの映像に合わせて、小気味よく、時にはダイナミックに「ブルブルッ」と震える感じは映画館のプレミアムシートに座っているような感覚。ドライバーはもちろんだが、リアシートに座る人も映像だけでなく音楽を身体全体で楽しめる提案はなかなか面白い。

 まだ開発中とのことだが、実用性は非常に高い。クラリオンブースに立ち寄ったらまずこれを体感してほしい。

スバル「レヴォーグ」

 レヴォーグに搭載されているQuad Viewナビゲーションは、ディーラーオプションに設定される専用開発の8型で、レヴォーグのほかに「WRX S4」「WRX STI」向けが用意される。「Full Digital SPIRIT」と呼ばれるシステムは当然のことながら車種専用の音響チューニングが施されたもの。レヴォーグとのインパネにベストフィットとも言える装着感はもちろんだが、驚いたのは文字通りフルデジタルによる音の立ち上がりのよさ。言い換えれば、スピード感溢れるサウンドは走りにこだわる“スバリスト”にもオススメできるシステムと言えるだろう。

フルデジタルシステムを搭載するスバル「レヴォーグ」のデモカー
レヴォーグのシステムについての概要も展示
4画面だが、ナビ画面の比率を拡大するとこのように表示できる

日産自動車「ノート e-POWER NISMO」

 Quad Viewナビゲーション「NXV987D」とFDS(フルデジタルシステム)を搭載。9型大画面はセンターコンソールをワンオフで設計しているが、これまで7型しか装着設定のなかったシステムが、やり方によっては9型まで装着できるということが分かるだけでも一見の価値ありである。

デモカーとして選ばれた日産自動車「ノート e-POWER NISMO」。e-POWERによる走りのよさと低燃費が高く評価されている
電動化車両に最適な省電力システムが構築できるのもフルデジタルの採用によるものだ

 このデモカーのコンセプトは元々静粛性に優れ、さらに省電力化を求められる電動車両に対して理想的なシステムとは何か? という問いに答えるもの。そもそもパワーアンプを持たないFDSゆえに消費電力が少ないのは当然。今回のシステムにはハイレゾ対応のフルデジタルツィーター「Z2H」も装着されているが、高い周波数帯までの高音質再生はもちろんだが、キンキンとした高音域ではなく、非常に聞き心地がよい。

 また、FDSの能力を活かす仕様として、専用のスマートフォンアプリ「Z-tune」を使うとタイムアライメントやイコライザーなどをスマホやタブレット上で設定し、チューニングしたパラメータを4つまでナビ側に保存できる。プロ仕様のチューニングツールではあるが、デモカーではあらかじめベストな設定はもちろん、簡単な切り替えで音の違いを体感できるので説明員に確認してみることをオススメする。

「Z-tune」をインストールしたスマートフォン。アプリは無料でAndroid、iOSにも対応。独自の音響技術を使用した「Intelligent Tune」も採用する

トライクベースのオリジナルカート

 市販のトライクだが、中身はクラリオンが開発したオリジナル。安全運転支援システム「SurroundEye」とQuad Viewナビゲーション NXV987Dを装着することで運転支援技術のデモを体感できる。

ブース約中央に展示されるオリジナルカート。ファニーな顔つきだが最新テクノロジーを満載する

高山正寛

ITS Evangelist(カーナビ伝道師)/カーコメンテーター/AJAJ会員/18-19日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。1959年生まれ。自動車専門誌で20年以上にわたり新車記事&カーAVを担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム&キャラクター関連のビジネスにも関わる。カーナビゲーションを含めたITSや先進技術、そして昨今ではセキュリティ関連の事象を網羅。ITS EVANGELIST(カーナビ伝道師)として純正/市販/スマホアプリなどを日々テストし布教(普及)活動を続ける。また、カーナビのほか携帯電話/PC/家電まで“デジタルガジェット”に精通。リクルート出身ということもあり、自動車をマーケティングや組織、人材面などから捉えるなど独自の取材スタンスを取り、発信を続けている。