イベントレポート

【デトロイトショー 2019】STIの最高峰「Sシリーズ」初の米国市場向けモデル「S209」

歴代STIモデル最高の出力341HP。STI 社長 平川良夫氏が登壇

プレスデー:2019年1月14日~15日(現地時間)

一般公開:2019年1月19日~1月27日(現地時間)

「Sシリーズ」初となる米国市場向けモデル「S209」

 スバルのモータースポーツ統括会社STI(スバルテクニカインターナショナル)は1月14日(現地時間)、STIのコンプリートカー最高峰「Sシリーズ」初となる米国市場向けモデル「S209」を「デトロイトショー 2019(North American International Auto Show 2019)」で発表した。公開されたS209は、米国で2019年内に限定発売予定。

 会場で行なわれたプレスカンファレンスでは、スバルテクニカインターナショナル 代表取締役社長 平川良夫氏と、スバルの現地法人であるスバルオブアメリカ(SOA)で社長を務めるトム・ドール氏が登壇。モータースポーツ活動に取り組んできたSTIの歴史やSTIが開発を手がけた歴代の車両などを紹介した。

スバルテクニカインターナショナル株式会社 代表取締役社長 平川良夫氏
STIによるモータースポーツ活動や開発を手がけた車両について紹介した
スバルオブアメリカ(SOA)で社長を務めるトム・ドール氏
米国におけるSTIモデルの展開などを紹介した

 S209に関するプレゼンテーションでは、米国向けSTIチューンドモデルとしては、2018年に発売した「WRX STI Type RA」と「BRZ tS」に次ぐ第3弾となることが紹介されるとともに、STIのコンプリートカーの最高峰「Sシリーズ」として、「STIパフォーマンスパーツ」「tS」「STI」といったモデルの頂点に立つモデルとの位置付けが示された。

STIコンプリートカー最高峰と位置付られる「Sシリーズ」

 S209は、STIが「WRX STI」をベースにエンジンや足まわりを専用開発し、内外装にも専用装備を追加したモデル。

 エンジンは米国仕様WRX STI専用の「EJ25」をベースに専用チューニングを実施。吸気系統には、専用の大型エアクリーナーや専用吸気ダクトを採用することで吸気抵抗を低減した効率的なエアインテークシステムを採用。

 専用開発の大径ターボチャージャーを採用するとともに、排気系にも大口径テールパイプを備えた専用設計低背圧マフラーを採用。これらを専用ECUで制御することで、最高出力は歴代STIモデル最高となる341HP(開発目標値)を発生する。

 また、インタークーラーウォータースプレイを装備することで熱による性能低下を抑制するとともに、専用設計の鍛造ピストンや鍛造コンロッドの採用により、量産エンジンとしての信頼性も確保した。

 足まわりには、歴代STIモデルで最大の幅を持つダンロップ製265/35 R19ハイグリップタイヤを装着したBBS製19インチ鍛造ホイールを装備。これを専用開発のビルシュタインダンパーと専用コイルスプリング、強化ブッシュと組み合わせ、オーバーフェンダーで拡げた専用ワイドボディに収めた。

 さらに、ニュルブルクリンク24時間レース車両で実証されたストラットタワーバーやドロースティフナーといったSTI独自のフレキシブルパーツに加えて、軽量で車体剛性を高めるカーボンルーフを採用。フロントアンダースポイラーやフロントバンパーサイドカナード、ドライカーボン製大型リヤウイングといった空気の流れを整え、ダウンフォースを増やすエアロパーツも装着することで、高いハンドリング性能を実現させたとしている。

 ボディカラーに、WRブルー・パール(ホイール色:マットグレー)、クリスタルホワイト・パール(ホイール色:マットゴールド)の2色を採用した。

プレスカンファレンスにSTIの平川良夫氏とSOAのトム・ドール氏が登壇してプレゼンテーションを実施
S209がアンベールされるとペアルックに変身

編集部:椿山和雄