人とくるまのテクノロジー展 2023

日産、「セレナ」「アリア」展示でe-POWER、バッテリEV、プロパイロット 2.0を訴求 新開発電動パワートレーン「X-in-1」の試作ユニットも

2023年5月24日~26日 開催

入場無料(登録制)

「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」の日産ブース

 日産自動車は、5月24日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」(パシフィコ横浜:5月24日~26日)に出展し、電動化技術や知能化技術の紹介を行なっている。

 日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を通じてより人や社会とつながる体験を提供し、移動と社会の可能性を広げていくことを目指しており、今回の展示では長期ビジョン実現のキーとなる電動化、知能化技術について、最新車に搭載する技術から将来に向けた技術開発などについてブースで紹介を行なっている。

 具体的には新型セレナを展示してe-POWERの訴求を図るとともに、アリアのカットモデルも展示してEV専用プラットフォームの紹介を実施。また、新型セレナ(e-POWER ルキシオン)やアリアに搭載する、高速道路での同一車線内ハンズオフ走行をサポートする「プロパイロット 2.0」のデモで使用するシミュレーターも出展。

アリアのカットモデルとEV専用プラットフォームの紹介
「プロパイロット 2.0」のデモで使用するシミュレーター

 そしてブース奥には3月に発表した新開発電動パワートレーン「X-in-1」の試作ユニットを展示する。日産では2020年度に全体で49機種のパワートレーン(4機種が電動パワートレーン、45機種が内燃機関)が存在したが、これを45%削減して2026年度に27機種(4機種が電動パワートレーン、23機種が内燃機関)まで絞り込む。2030年度になるとさらにパワートレーンの種類を最適化して19機種(3機種が電動パワートレーン、16機種が内燃機関)まで絞り込む。さらに今後BEV(バッテリ電気自動車)とe-POWERの共用化を推し進め、モジュール化した新開発電動パワートレーンのX-in-1を用いてコスト削減と軽量化を行なっていくことがアナウンスされている。

 X-in-1にはBEV用としてインバータ、モータ、ギヤ(減速機)からなる「3 in 1」、e-POWER用としてインバータ、モータ、ギヤ(減速機)に加えて発電機、ギヤ(増幅機)からなる「5 in 1」の2種類を設定する。

 X-in-1の特徴としては、パワートレーンコストを2019年比で約30%削減し、e-POWER用においては2026年までにエンジン車と同等の車両コストを目指すこと、ユニットの小型化と軽量化によって車両の走行性能や音振性能を向上させること、重希土類の使用を1%以下(重量比)まで削減した新開発モーターを採用することなどが挙げられている。

BEV用の「3 in 1」(左)とe-POWER用の「5 in 1」(右)

 いずれの展示も日産の先端技術に触れることができ、パネルで技術解説も行なっているので、興味のある方は日産ブースを訪れてみてほしい。

e-POWERの解説パネル
e-4ORCE、次世代電動パワートレーン、e-POWER制御の紹介
編集部:小林 隆