人とくるまのテクノロジー展 2023

日野、超低床構造の小型電気トラック「デュトロ Z EV」と前輪駆動モジュールなどを展示

2023年5月24日~26日 開催

入場無料

超低床構造の小型電気トラック「デュトロ Z EV」

 5月24日~26日までパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)。日野自動車はバッテリEVの小型トラック「デュトロ Z(ズィー) EV」などを展示した。

 デュトロ Z EVは2022年6月にリース形式で発売したほか、それよりも前にヤマト運輸で宅配用トラックとして実証実験するなどしてきた車両。物流のラストワンマイルでの使い勝手を追求したという超低床構造を実現するBEV専用シャシーを備え、通常の小型トラックと異なり前輪を駆動する。車両総重量を3.5tに収め、現在の普通免許で運転を可能にしている。

デュトロ Z EVの荷室内

 展示では超低床シャシーが確認できるよう、カットモデルで床がシースルー構造となっており、床下に合計40kWhのバッテリを搭載しながら、積車状態で地上から床面まで400mmという超低床構造が確認できるようになっている。

床下にバッテリや補機類がある
後輪は駆動しない

 現在、宅配では冷蔵便や冷凍便があり、宅配トラックには冷蔵庫が備え付けられているが、デュトロ Z EVでは可搬型の冷蔵庫を搭載するためコンセントの装備にとどめていることが特徴。これにより3.5tという車両総重量の枠内で、繁忙期の配送などに柔軟に対応できるという。

荷室内にコンセントを装備。可搬式の冷蔵庫などを搭載できる

 ブースでは前輪駆動モジュールも展示、インバータからモーター、サスペンション、タイヤまで含まれたモジュールとなる。

デュトロ Z EVに搭載されている前輪駆動モジュール
デュトロ Z EVに搭載されている前輪駆動モジュール

 また、通常のトラックは後輪駆動となるが、この前輪駆動モジュールでは、運転感覚を後輪駆動のトラックに乗る人に違和感のないものに仕上げながらも、乗用車感覚で運転できるようにしているという。

 そのほか、日野ブースでは大型トラック「プロフィア」の燃料電池車バージョンとなる「プロフィアZ FCV プロトタイプ」をパネル展示。今回は実車の展示がないのが残念だが、名古屋市で7月5日~7日まで開催される「人とくるまのテクノロジー展2023 NAGOYA」では実車を展示する予定とのこと。

プロフィアZ FCV プロトタイプはパネル展示となった
正田拓也