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「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」、5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催 13件の世界初公開、21件の日本初公開となる発表を予定

2023年5月10日 開催

「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」の紹介を行なった自動車技術会 展示会企画会議幹事の山本一哉氏(本田技研工業株式会社 コーポレート戦略本部 経営企画統括部 環境企画部 発信企画推進課)

 自動車技術会は5月10日、5月24日~26日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で行なわれる「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」の発表会を都内で開催した。5月17日~6月7日には「人とくるまのテクノロジー展2023 ONLINE STAGE1」も開催される。人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMAは事前登録すれば入場料は無料。2023年は499社(1115小間。5月9日現在)が出展し、来場者数は3日間で約4万名を見込む。

 人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMAは、2022年に続いてリアルとオンラインのハイブリッド開催となり、横浜に続いて名古屋展示会(Aichi Sky Expo:愛知県国際展示場)も7月5日~7日に開催する予定。名古屋展示会のオンラインイベント「人とくるまのテクノロジー展2023 ONLINE STAGE2」は6月28日~7月19日に実施される。

 なお、人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMAでは16社が初出展するほか、13件の世界初公開となる発表、21件の日本初公開となる発表を予定しているという。

「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」は5月24日~26日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催
「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」には499社(1115小間。5月9日現在)が出展し、来場者数は3日間で約4万名を見込む

 発表会では自動車技術会 展示会企画会議幹事の山本一哉氏(本田技研工業 コーポレート戦略本部 経営企画統括部 環境企画部 発信企画推進課)、自動車技術会 事務局 事業企画グループ 次長の湯川正史氏が登壇し、2023年の人とくるまのテクノロジー展について説明を行なった。

 説明によると、主催者企画テーマは横浜・名古屋共通で「英知を集結しよう!カーボンニュートラル、その先の循環型社会へ」。脱炭素化・サステナビリティの潮流が世界的に加速する中、日本をはじめ多くの国・地域が2050年のカーボンニュートラルを目指して対応を進めているが、地球規模の難題を乗り越え、持続可能な社会にしていくためには「循環」と「共創」がカギになる。裾野が広く、与える影響も大きい自動車産業において、カーボンニュートラルを実現していくためにはクルマのライフサイクル全体で脱炭素に向けた取り組みが欠かせず、この取り組みに対してはこれまでのような「資源の採掘~製造~廃棄」というリニア型から3R「リデュース・リユース・リサイクル」に代表される循環型の社会システムへ転換していくことが求められているという。

 山本氏は「ライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するためには、これまでの資源を発掘し、製造し、廃棄するというリニア型の社会から循環型社会への転換が欠かせないと考えております。カーボンニュートラルも循環型社会の実現も、1つの企業では達成することはできません。企業の枠、それから産業の枠を超えてバリューチェーン全体で一体となって進めないと実現できないと考えております。今回の企画展示では、そのような課題を投げかけて社会全体で考えてみようというメッセージを込めまして展示を企画しております。そのきっかけを少しでも皆さまに感じ取っていただければと思います」と述べた。

主催者企画テーマは横浜・名古屋共通で「英知を集結しよう!カーボンニュートラル、その先の循環型社会へ」

 また、人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMAでは特集テーマに「循環型社会実現に向け、自動車を構成する部品・資源もサステナブルに!」を掲げ、1万点以上から構成される自動車部品・資源のサステナブル化について紹介する。再利用するリユース、原材料まで戻すリサイクル、自動車以外の産業へ転用するリパーパスなどの資源循環技術や、バイオマス由来の再生可能資源技術などを展示し、循環型社会の実現に向けて「サステナブルな資源とはなにか?」についてのきっかけを考えていく場の1つにしていくという。

 その中でも電動化が加速する現代において、希少金属を原材料とするリチウムイオンバッテリの資源循環は重要で、リチウムイオンバッテリのリサイクル技術や再生バッテリの他産業への利活用技術について展示していくとともに、自動車の大部分を構成する金属のリサイクル技術についても展示が行なわれる。また、自動車にも多く採用されているプラスチックは消費による環境汚染だけでなく、自然界への残存という環境リスクの課題側面も抱えており、プラスチックのリサイクル技術やバイオマス由来の再生可能資源技術の展示も行なうとした。

 そのほか、有識者6名による企画講演もリアルとオンラインのハイブリッドで実施。5月24日には経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課 課長補佐(総括担当)吉川泰弘氏による「GX時代における循環経済(サーキュラーエコノミー)について」(10時30分~11時30分)、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 環境部 主任研究員 今西大介氏による「資源循環の確立に向けたNEDOの取組について」(13時~14時)、5月25日には東北大学 大学院 工学研究科 技術社会システム専攻 教授 工学博士 中田俊彦氏による「カーボンニュートラル社会のエネルギーモデル」(10時30分~11時30分)、東京大学 生産技術研究所 所長・教授 岡部徹氏による「走るレアメタル(自動車用レアメタル)の資源供給リスクや生産に伴う環境破壊などについて」(13時~14時)、5月26日にはトヨタ自動車 カーボンニュートラル先行開発センター 環境エンジニアリング部 主査 荻村友彦氏による「カーボンニュートラルの取組みと循環型社会へのチャレンジ」(10時30分~11時30分)、ブリヂストン グローバル環境戦略推進部 部長 中島勇介氏による「循環型・再生型ビジネスモデルへの進化」(13時~14時)がそれぞれ開かれる。

 さらに車両開発者がクルマづくりにかけた熱意・思い入れを語る「新車開発講演」も各日開かれる予定で、5月24日にはトヨタ自動車 TC製品企画 主査 大矢賢樹氏による「新型プリウス デザインと走りの実現に向けて」(15時30分~16時30分)、5月25日には日産自動車 パワートレイン・EV技術開発本部 アライアンスPED 渋谷彰弘氏による「新型セレナ・エクストレイルの魅力を生み出すe-POWERの技術」(15時30分~16時30分)、スバル 商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネジャー 毛塚紹一郎氏による「新型クロストレック・インプレッサ 開発ストーリー」(15時30分~16時30分)が予定されている。

有識者6名による企画講演をリアルとオンラインのハイブリッドで実施
車両開発者がクルマづくりにかけた熱意・思い入れを語る「新車開発講演」も行なわれる

【お詫びと訂正】記事初出時の名古屋展示会の会場に誤りがありました、お詫びして訂正させていただきます。