CES2014

トヨタ、CESのプレスカンファレンスでFCV(燃料電池車)を公開

北米でも日本同様、2015年に発売

北米で初公開された「FCV CONCEPT」
2014年1月6日開催(現地時間)

 トヨタ自動車は1月6日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開幕する「2014 International CES」のプレスカンファレンスにおいて、FCV(燃料電池車)のコンセプトカー「FCV CONCEPT」と、実際に走行実験などを行っているFCV試作車を公開した。FCV CONCEPTは、2013年11月開催の「東京モータショー」で、FCV試作車は同10月の「2013年先進技術説明会」で公開されているものだが、北米での公開は初めてのことになる。

FCV CONCEPT
FCV試作車
2013年先進技術説明会で走行した車両。タイヤはなぜかスタッドレスタイヤであるブリヂストン REVO GZを装着していた。直前まで耐寒走行テストなどを行なっていたのだろうか?

  Toyota Motor Sales, U.S.Aのシニアバイスプレジデントである Bob Carter氏が両FCVに関するプレゼンテーションを実施。2015年に市販車を発売すると語った。

 Carter氏は、FCVを量産ハイブリッド車である「プリウス」の登場とイメージが重なるよう説明。燃料には水素を用い、排出するものは水だけなど、環境に優れたクルマであると語る。また、強調していたのは、航続距離の長さ。3~5分の水素充填で、300マイル(約480km)の航続距離を走れること、そのための水素充填タンクが2本であることなどを語っていた。

 そのほかの性能については、レクサスのハイブリッド車と同等の静かさを持つこと、0-60mph(約0-96km/h)の加速性能が約10秒であること、最高速度が100mph以上(約160km/h以上)であると述べた。また、非常時にはFCVを家庭用の電源とすることが可能で、1週間の電力供給能力があるとした。

Toyota Motor Sales, U.S.A シニアバイスプレジデント Bob Carter氏
FCVの登場は、初代プリウスの登場に匹敵すること
燃料電池車の仕組みについて解説

 FCV普及の鍵を握るのは、車両本体の性能も必要だが、どのような社会インフラを構築していくかにある。これについてCarter氏は、2億ドルの投資が行われること、一定量以上のZEV(排気ガスがゼロのクルマ)販売が義務づけられたカリフォルニア州においては60分圏内に1基の水素ステーションが設置されていくことなどを示し、2015年までに新たに20基、2016年までにさらに40基の水素ステーションが設置されるという。

ガソリンエンジン車と同等の走行距離を持ちながら、排出ガスはゼロ
内部構造についても紹介
水素ステーションの設置地図

 日本でもHySUT(ハイサット、水素供給・利用技術研究組合)により、水素ステーションの設置が進んでおり、トヨタと本田技研工業から2015年の、日産自動車からは2017年のFCV発売が予定されている。

 トヨタは環境対応車の普及において、近距離コミューターをEV(電気自動車)で、中長距離をハイブリッド車およびFCVでと捉えているように見える。2年以内に日米両国でFCVが走り出すことになるわけだ。

編集部:谷川 潔

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