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トヨタ、燃料電池車(FCV)を2014年度中に発売、価格は「700万円程度」と予告

セダンタイプの新型FCV車のエクステリアデザインを公開

2014年度に販売を開始すると発表された新型燃料電池車(FCV)
2014年6月25日発表

 トヨタ自動車は6月25日、セダンタイプの新型燃料電池車(FCV)のエクステリアデザインを公開した。この新型FCVは2014年度中に販売が開始されるとともに、価格は700万円(消費税別)程度を予定していることが今回発表された。

 FCVは水素と酸素を化学反応させて電気を発電し、発電した電気を駆動エネルギーに使用するクルマ。同社は「サスティナブル・モビリティ」実現に向けた理想的なクルマとして、2002年から燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」を日米で限定販売するなど、燃料電池車の開発を積極的に行っている。

 その成果の1つとして、2013年の東京モーターショーで次世代燃料電池自動車「TOYOTA FCV CONCEPT」を発表しており、FCVの市販車を2015年に発売するとアナウンスしてきた。今回公開された新型FCVは「TOYOTA FCV CONCEPT」のデザインをベースにしたもので、“現時点における市販予定デザイン”という。

2013年の東京モーターショーで公開された次世代燃料電池自動車「TOYOTA FCV CONCEPT」

 新型FCVは「TOYOTA FCV CONCEPT」のエクステリアデザインが色濃く反映されており、前方から空気を吸い込み電気と水を生成するイメージと、モーターによる力強い走りをイメージしたもの。フロントでは空気を吸い込む大型サイドラジエーターグリルを強調したデザインを採用したほか、サイドでは空気から水への流れをドア断面で表現。リアはカタマラン(双胴船)をモチーフに水が流れるイメージを具現化したものとなっている。ボディーカラーは「TOYOTA FCV CONCEPT」と同様のものとなるが、細かく見るとフロントグリルやテールレンズまわりのデザインが異なり、ホイールサイズも18インチから17インチへと変更を受けている。

セダンタイプの新型FCV車のエクステリアデザイン。現時点での市販予定デザインとなっている
「TOYOTA FCV CONCEPT」のデザインが色濃く反映され、ボディーカラーも同様のものとなるが、細かい点ではフロントグリルやテールレンズまわりのデザイン、ホイールサイズなどが異なる。写真左はライトを点灯、写真中央はライトを消灯したところ

 パッケージについての詳細は明らかになっていないが、「TOYOTA FCV CONCEPT」ではボディーサイズが4870×1810×1535mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースが2780mmで、4名乗車仕様となっている。パワートレーンの燃料電池スタック(FCスタック)と水素タンク(70MPaの高圧タンクを2本搭載)はフロア下に搭載され、水素充填時間は3分程度、実用航続可能距離は約700km(トヨタ測定値)を目指して開発が進められている。

 発売時期に関しては、これまでの「2015年発売」から「2014年度内に販売を開始」と、市販化の時期がより具体的になった。販売はトヨタ店、トヨペット店で行われ、価格は700万円(消費税別)程度を予定。また、米国および欧州では2015年の夏ごろから発売を開始する予定で、価格は「車両の仕様・装備・為替等を勘案し、今後決定する」としている。

 なお、同社は6月25日14時から燃料電池車(FCV)に関する進捗状況説明会を開催しており、詳細は追ってリポートしたい。また、この説明会の模様は公式サイト(http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/3206884/)、ニコニコ生放送(http://live.nicovideo.jp/watch/lv183220846)、Ustream(http://www.ustream.tv/channel/toyota-jp)でライブ中継を行う。

(編集部:小林 隆)