イベントレポート CES 2020

【CES 2020】ヴァレオ、自律型の電動配送ドロイド「Valeo eDeliver4U」を世界初公開。AI活用の「Valeo Move Predict.ai」なども

2020年1月5日(現地時間) 発表

世界初公開となる自律型の電動配送ドロイド「Valeo eDeliver4U」

 ヴァレオは1月5日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催される「CES 2020」(プレスデー:1月5日~6日、登録者公開日:1月7日~10日)における出展内容を発表した。

 ヴァレオは今回、中国の大手食品流通サービスプロバイダーであるMeituan Dianpingとの協業で開発した、自律型の電動配送ドロイド「Valeo eDeliver4U」を世界初公開。フル電動の48Vシステムを搭載し、ヴァレオの認識システムによって自動でルートを検知することができるため、ゼロエミッションでの都市部の配送に適しているという。このドロイドはヴァレオのプラットフォームが提供するモジュールの活用例の一つとなる。

 自律型ドロイドは、TH03とTH05の2台があり、それぞれ60kg、130kgの荷物を7km/hで輸送でき、5cm~3cm離れている人を追尾できる。ドロイドの開発は、フランスのスタートアップTwinswHeelになり、ヴァレオのセンサーと電動化技術が搭載されている。工場、メンテナンスセンター、倉庫、ショッピングセンター、空港、駅などのクローズドな場所や屋外で使用でき、物流や配送のタスク実行に役立つとしている。

 また、2020年からドイツのある大手自動車メーカーの電気自動車プラットフォームに搭載されるバッテリー冷却システムにも言及。あらゆるサーマルシステムをスマートに制御し、充電と走行の双方に最適なバッテリー性能を確保しながら、バッテリーの寿命を維持するものだという。

 そのほか、人工知能を活用するイノベーション「Valeo Move Predict.ai」を発表。このMove Predict.aiは、歩行者、自転車、スケーター、スクーターなど、車両のすぐ近くにいる交通弱者を検出し、その意図を予測する。最新世代の魚眼カメラとヴァレオ SCALA LiDARと人工知能により、携帯電話を使用しているかどうかを考慮して、道路を横断するかなどを判断していく。

「Valeo Move Predict.ai」では、AIを使って歩行者などの未来位置を予測

 クルマの道路上の位置を数センチレベルの精度で特定できる新技術「Valeo SpotLocate」の実演、ローカリゼーションアルゴリズムとヴァレオの認識システムを利用したマッピングシステムによって車両の位置を非常に正確に特定できるシステム「Drive4U Locate」の実演、バーチャルに車両に同乗し、没入型のコミュニケーションエクスペリエンスを提供する「Valeo VoyageXR」と「Valeo CallXR」の実演なども行なっていく。

編集部:谷川 潔