ヴァレオと群馬大学、48V 4WDシステム搭載のEV軽トラックを共同制作

ヴァレオと群馬大学が共同制作した48V EV 4WD軽トラック

　ヴァレオジャパンは12月3日、群馬大学のCRANTS（次世代モビリティ社会実装研究センター）と共同制作した、日本初となる48V 4WD EV（電気自動車）システムを搭載した軽トラックのテストカーを公開した。

　ヴァレオとCRANTSが共同制作した48V 4WD EVには、ヴァレオの48V電動モーター（eDrive）15kWを前後軸に1台ずつ配置し、DC/DCコンバーターを1台搭載。今後、最高速100km/hで100kmの距離を走行することを目標に走行試験を重ねて検証していくとしている。

　日本においてハイブリッドカーやEVの中心となっている60V以上の高電圧システムは、潜在的な危険性を排除するために絶縁システムを施すことが法規で義務付けられている。

　一方、低電圧の48Vシステムは電線の周囲を特に保護する必要がなく従来の12Vと同様に扱え、システムを軽量で廉価に抑えることができ、今後登場する軽自動車より小さい新区分の小型ニューモビリティ車両にも搭載可能という。

　48Vシステムは欧州・中国で導入が始まっており、ヴァレオはクリーンで廉価なEV軽トラックを実現するソリューションとして、48V 4WD EVシステム搭載の提案を目指す。

　ヴァレオジャパン 代表取締役社長 アリ・オードバディ氏は「世界の電動化をリードするヴァレオは、これまでにファミリーサイズの48Vプラグインハイブリッド車、2人乗りの都市型48VフルEV、6人乗りの自動運転シャトルバス、125cc相当の出力の電動スクーター、ハイブリッド配送トラックなど、48Vテクノロジーを搭載したさまざまなテストカーを制作してきました。日本のチームが日本市場向けに開発した日本初の48V 4WD EVの軽トラックは、ヴァレオが日本でも電動化をリードしていく最初の一歩です」とコメント。

　CRANTS副センター長の小木津武樹氏は「今、日本のクルマの多くは、内燃機関自動車で動いています。よりクリーンで手軽に移動する手段として電気自動車がより普及するように、ヴァレオとの共同研究を進めています」とコメントしている。