GTC 2016

ボルボの自動運転車開発計画「The Drive Me Project」

2017年にS90で第2世代の「Pilot Assist 2」を投入へ

2016年4月4日~7日(現地時間) 開催

San Jose McEnery Convention Center

ボルボの自動運転車開発計画「The Drive Me Project」

 NVIDIAが主催するGPUソフトウェア開発者向け会議「GPU Technology Conference 2016」(以下、GTC 2016)には、さまざまなセッションが用意されており、その中には自動車メーカーによるセッションも存在する。

 本記事で紹介するのは、ボルボの自動運転車開発計画「The Drive Me Project」。NVIDIAは2016年1月のCESで自動運転車の頭脳となる車載人工知能エンジン「DRIVE PX 2」を発表(関連記事:GPUアーキテクチャ“Pascal”採用による世界最高能力の車載人工知能エンジン「DRIVE PX 2」)。その際に、自動運転車にDRIVE PX 2を真っ先に採用した自動車メーカーとして紹介されたのがボルボだった。

クルマの現状について。クルマはまだ自由ではなく、渋滞では多くの人がコミュニケーションをとろうとしている
ボルボの2020年のビジョン

 ボルボは世界的に“安全”をとくに重視してきたメーカーとして知られている。今では多くのクルマに搭載されている衝突防止のための自動ブレーキ技術も「シティセーフティ」として、他社に先駆けて市販車に導入。たとえば、日本では2009年当時はこのような技術が安全上の問題(ドライバーが運転に注力しなくなるなど)から認められておらず、その方針を変更するために努力したメーカーの1つもボルボの日本法人だった(関連記事:低速自動ブレーキ「シティセーフティ」のデモ)。その方針は後に変更、今ではEyeSight(ver.)と呼ばれる2010年の新型EyeSightの登場(関連記事:運転支援システム「新型EyeSight」で車両停止制御などを実現)へとつながり、今では燃費制御技術同様、各社が最先端の技術を競う場となっている。

 そのボルボが思い描く未来が“事故のない世界”。自動運転技術によって安全、環境、渋滞低減などを目指し、クルマ社会を今後も継続可能なものとする「Drive Me」プロジェクトになる。ボルボが公開している自動運転車のある生活の映像は、時間効率を重視したものになっているが、これは一般消費者へ強く訴求するためのものだろう。

Drive Meプロジェクト
自動運転車のある生活のイメージ映像

 ボルボの自動運転車はすでにスウェーデンで走り始めており、2017年には開発のお膝元であるイェーテポリで100台規模の自動運転車のテストを行なうという。

イェーテポリでのテストについて

 現在ボルボで実験中の自動運転車のセンサースペックも公開され、それを高性能な演算性能を持つユニットで情報処理を行ない、自動運転を行なっていく。また、今後のスケジュールも示され、2017年にはS90に第2世代の「Pilot Assist 2」を投入。80mph(約130km/h)以上の速度域でもレーン内の自動走行を行なう能力を持つという。

センサー技術について
センサー情報処理のブロックダイヤグラム
高性能演算で実現すること
レーターの視界
カメラの視界
レーザースキャナーも搭載
4隅に超音波センサー搭載
認識結果。車線も認識している
側壁にも認識マークがついている
これまでと今後の予定

編集部:谷川 潔

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