イベントレポート 東京オートサロン 2022
日産、新型「フェアレディZ」（日本仕様）公開イベント “熱烈なZファン”内田社長「このワクワク感を多くの日産ファンに満喫してほしい」
2022年1月14日 13:10
- 2022年1月14日～16日 開催
千葉県千葉市にある幕張メッセで開幕したカスタムカーショー「東京オートサロン2022」（1月14日～16日開催）。その会場で日産自動車は日本市場向けの新型「フェアレディZ」を公開した。
会場に展示されている新型フェアレディZは4台で、ブルーのモデルが基準車、イエローのモデルが6月下旬ごろに発売する240台限定の「Proto Spec」、そしてオレンジのモデルが日産が製作したカスタマイズプロトモデルの「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」。これに加えて2022年シーズンのSUPER GTシリーズGT500クラスに参戦する「Nissan Z GT500」が並ぶ。
まず新型フェアレディZとしては導入されるグレード、主要諸元がアナウンスされた。グレードは「フェアレディZ」「フェアレディZ Version S」「フェアレディZ Version ST」「フェアレディZ Proto Spec」となり、それぞれに6速MT仕様とマニュアルモード付の9速AT仕様が用意される。ボディサイズは4380×1845×1315mm、ホイールベースは2550mmとした。パワーユニットはV型6気筒3.0リッターツインターボを搭載し、最高出力は298kW（405PS）/6400rpm、最大トルクは475Nm（48.4kfgm）/1600-5600rpm。
そして「Proto Spec」は2020年に公開した「フェアレディZ」プロトタイプから着想を得た特別仕様車で、イカズチイエローとスーパーブラックの2トーンのボディカラーを採用するとともに、専用カラーのレイズ製19インチアルミ鍛造ホイール（チタニウムゴールド）や、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ（イエロー）などを装備。インテリアには、本革・スエード調ファブリックコンビシート（イエローセンターストライプ、イエローステッチ、イエローアクセントライン）などを採用し、インストパネル、ドアトリムクロス、MTシフトノブブーツ、ニーパッドなどに専用カラーステッチを施した。
一方、注目は何といってもカスタマイズプロトモデルの「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」だ。このモデルはフェアレディZ432Rを彷彿とさせるオレンジのボディカラーを用い、エンジンフード、ルーフ、テールなどをブラックでカラーリング。さらにスポーティでパワフルな世界観を拡張する19インチアルミホイール、オーバーフェンダー、ホワイトレター仕様のダンロップ「SP SPORT MAXX」（フロント255/40R19、リア285/35R19）、カーボンリップスポイラー、大型リアスポイラー、デュアルエキゾーストマフラーといった装備が与えられており、今すぐにでも販売してほしい仕上がりを見せている。
“運転がうまくなったな”という感覚になれる
1月14日に行なわれた新型フェアレディZのデビューイベントには、日産自動車 代表執行役社長兼最高経営責任者の内田誠氏、KONDO RACING Team監督の近藤真彦氏が登壇し、各々がフェアレディZへの想いを語った。
近藤監督は新型フェアレディZの第一印象について「見た目がドレッシーというかエレガントというか、女性も似合うのではないかというシルエットをまず皆さんにも見ていただきたいです」と述べるとともに、リアのデザインが気に入っていること、室内では計器類が見やすい印象を受けたことを報告。
そして“熱烈なZファン”として登場した内田社長は、日産の前に実施されたトヨタ自動車のカンファレンスに登場した豊田章男 代表取締役社長からの「Zには負けないよ」との言葉に対し、「いやいや絶対に頑張ります、われわれも負けません！」と力強く返答。
その内田社長、フェアレディZとのかかわりについて「社会人になって初めて買ったクルマがフェアレディZだったのです。本当にZに憧れていて、クルマは自分を表現できる自分の分身みたいなものだと思うのですが、Zしかないなと思い非常に高価なものでしたが頑張って買った記憶があります」とエピソードを語るとともに、新型フェアレディZについて「プロトタイプの発表から少し時間が経ちましたが、今回こうやって日本でお披露目できました。（プロトタイプと変わらない）当時からのデザイン、その美しさをそのままお披露目できることが嬉しいです。Z32を彷彿とさせるリアデザイン、初代S30をオマージュしたフロントデザインなど、過去のZのいいところを集めたいいクルマにできているなと思っています」とアピール。
そして新型フェアレディZに試乗した印象について聞かれた内田社長は「開発チームに頑張っていただいていいクルマに仕上がっています。何がいいかというと、操縦の安定性だったりコーナーでも安心してクルマを操縦できる。私なんかが乗ってみても“運転がうまくなったな”という感覚になれる。楽しかったです」と評価。
「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」について近藤監督から「このモデルいつ買えるのですか？」と問われた内田社長は、「このモデルはあくまでアフターパーツを装着したコンセプトモデルですので、まずは新型フェアレディZをご購入いただきまして、そのあとアフターパーツの発売をお待ちいただければと思います」と返答した。
イベントの最後に、近藤監督は「エレガントで品のあるZ、運転しやすいですし、一度ハンドルを握っていただければまずますその魅力を感じていただけると思います。僕らはレースシーンでこのZをチャンピオンに導くために一層努力して頑張っていきたいと思います」、内田社長は「新型フェアレディZを日本の皆さまにお披露目できることを大変嬉しく思っています。いちZファンとしても新型フェアレディZは最高の仕上がりになっていますので、ぜひ皆さまに体感していただきたいです。50年以上続いているZ、日産を象徴するものでありますし、日産はほかがやらぬことをやる精神を持っていますが、Zはそれを代表するモデルです。ぜひこのワクワク感をZを通じて多くの日産ファンの方に満喫していただきたいと思っています」とコメントしてイベントを締めくくった。
