イベントレポート 東京オートサロン 2024

メルセデス・ベンツ、新型「Eクラス」を日本初披露

2024年1月12日 発表

新型Eクラスとメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長

 メルセデス・ベンツ日本は、1月12日から幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2024」で、ミディアムクラスの新型「Eクラス」のセダン/ステーションワゴンを日本初披露した。

 ブースに登壇したメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、今月初めの地震被災地へのお見舞いを述べたあと、「2023年のメルセデス・ベンツはグローバルで約249万台、日本では5万1228台を販売することができ、9年連続で純輸入車ナンバー1となりました。そのうちコンパクトセグメントは全体の約4割、SUVは過去最高の5割を超えました。また電動車のEQシリーズも過去最高の9000台を販売し、今や全体の約9%を占めています」と2023年の活動について報告。

 そして今回発表した新型Eクラスについて、上野社長は「メルセデスの中核となる新型Eクラスのセダンとステーションワゴンを同時に発表します。新型は走行性能と快適性がさらにアップし、MBUX スーパースクリーンや、サードパーティのアプリが使用できる最新世代のMBUXなど、これまでにないデジタル体験が可能になりました。日本のラインアップには、ガソリン、ディーゼルに加え、プラグインハイブリッドを取り揃えました」と強調した。

東京オートサロン2024の会場で発表された新型Eクラス

 新型Eクラス(W214型)は7年ぶりのフルモデルチェンジとなり、初代のW136型から数えて11代目、初めてEクラスを名乗ったW124型から数えて6代目の世代交代となる。

「Sクラス」や「Cクラス」と共通の「MRAII」プラットフォームを使用する新型Eクラスのボディサイズは4960×1880×1470mm(全長×全幅×全高)で、現行モデルより20mm長く、30mm広く、15mm高くなっている。日本仕様のラインアップはE200(204PS/320Nmの直列4気筒2.0リッターガソリンターボ+23PS/205Nmのモーター、WLTCモード燃費は14.3km/L)、E220d(197PS/440Nmの2.0リッター直4ディーゼルターボ+23PS/205Nmのモーター、WLTCモード燃費は18.5km/L)、またセダンのみにPHEVのE350e(204PS/320Nmの直列4気筒2.0リッターターボ+129PS/440Nmのモーター、WLTCモード燃費は12.7km/L)が用意される。E350eが搭載するバッテリは25.4kWhで、モーターのみで112kmの走行が可能になっている。

 新型のエクステリアは、長いボンネットと少し後退した位置にあるキャビン、尻下がりのトランクなどメルセデスのセダンらしさをきちんとキープ。一方で光るフロントグリル(オプション)やスリーポインテッドスターの形状を模した三角形のテールライト、触れると出てくる格納式のドアノブなど新しさも満載だ。

 インテリアでは「MBUXスーパースクリーン」が新たに採用されており、こちらはEQSなどでお馴染みの1枚ガラスでダッシュボード全体を覆う「MBUXハイパースクリーン」とは異なり、コックピットメーター用の独立したデジタルモニターと助手席から中央まで覆う大型パネルの組み合わせになっている。シート表皮は高級なナッパレザーの他に、リサイクル素材を使用したものが選択可能に。後席左右の角が大きくラウンドしていて、これまでより乗降性が高まっているのも目についた変化と言えるだろう。

 価格は、セダンのE200 AVANTGARDEが894万円、E220d AVANTGARDEが921万円、E350e Sports Edition Starが988万円、ステーションワゴンはE200 Stationwagon AVANTGARDEが928万円、E220d Stationwagon AVANTGARDEが955万円となっている。

 日本ではSとCに挟まれ、さらに人気のSUVモデル群に押された形でEクラスの価値が見えにくくなった昨今だが、実車を目にするとやはりその完成度は相当なもので、Eクラスが社有車として登録されることの多い欧州などではまだまだ存在意義がありそうだと思った。

セダン(E350e)
ステーションワゴン(E220d)
原 アキラ