イベントレポート 東京オートサロン 2026

販売価格1億円オーバー、コンプリートコンセプト「THE HKS」のR35GT-Rも展示されるHKSブース

THE HKSのGT-R。ベースはMY24 NISMOでネーミングは「THE HKS GT-R R35 MY24 NISMO Dimension Z」。4.3リッターVR38とGT5565ターボを中心に構成したエンジンは約1200PSを発生

 エッチ・ケー・エスは、1月9日~11日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「東京オートサロン2026」にブースを出展している。

 今年のテーマは「Customize Anything Drive Everything.-すべてのクルマに、ベストなチューンを。」で、その究極の例として展示されているのがコンプリートコンセプトモデルの「THE HKS」。そしてもう1台、筑波サーキットでのタイムアタックを主眼としたシビック タイプRベースの「HKSレーシングパフォーマー FL550R」だ。

チューニングパーツメーカーの枠を越え、クルマ作りも進めるエッチ・ケー・エスブース
株式会社エッチ・ケー・エス 代表取締役社長の水口大輔氏がブースの紹介を行なった

 エッチ・ケー・エス 代表取締役社長の水口大輔氏は、まずブースのコンセプトから解説。HKSではカスタマイズだけでなく、環境についても考えている。そして今年もリデュース・リユース・リサイクルの観点から、過去に使った機材を再び使用するというブースの設営をし、これによりイベント出展時に出る廃材の削減を行なっている。今回のブースのゾーニングはクルマ、パーツ、グッズという形で分けられていて、来場者が見学しやすいレイアウトを目指したという。

 続いて展示車両について。HKSでは同社の技術の究極表現として「THE HKS(ジ・エッチ・ケー・エス)」という車両の販売を2年前から行なっている。HKSがユーザーに合わせてクルマを仕立てていくもので、展示されているR35 GT-Rは販売価格が1億1000万円ほど、もう1台のGRヤリスも2000万円弱のプライスがつけられている。ベース車の価格から見るとかなり高額なものとなるが、使用されるアイテムは「THE HKS」ブランド専用にパーツを開発をものとなり、その組み付けからセッティング、そしてアフターサービスまで完璧さを求めたものとなる。

「THE HKS」には走りを追求した「Dimension X」、クオリティを追求した「Dimension Y」、そして将来カスタマイズとして必要となるパーツを先行して取り付けている「Dimension Z」の3タイプが用意されている。

1200PSはピーキーなものでなく「余裕」として、自在に扱えるように、燃料、冷却、駆動、空力のすべてを総合的に設計し直している。リアウイングはフラップの角度が自動で可変する。エクステリアパーツ、インテリアパーツはTHE HKS専用品
「THE HKS GT-R R35 MY24 NISMO Dimension Z」のエンジンルーム。HKSにVR38用パーツはあるが、それとは違う専用品によってチューニングされている
こちらはGRヤリスがベースの「THE HKS GR YARIS Gen2 Dimension Y」。価格は1780万円に設定
フルタイム4WDならではのスポーツ走行時の安心感とリンクする出力特性を実現する細かい作り込みが施されている
エンジン本体はストック状態でGT4950 BBを使う専用フルタービンキットを組み、約400PSの出力。マフラーやキャタライザーもTHE HKS専用品

 ブースの中央に展示されているのが筑波サーキットでのタイムアタックを主眼としたシビック TYPE Rベースの「HKSレーシングパフォーマー FL550R」。これは実際のパーツ開発に使用されている車両だ。

 開発は茨城県にある筑波サーキット・コース2000のラップタイムを見据えていて、シビック TYPE R(FL5)ユーザーがサーキットでのラップタイム向上を目指すには「何が必要か?」を考えてパーツ開発を進めているとのこと。

シビック TYPE Rベースの「HKSレーシングパフォーマー FL550R」
エンジンとターボがノーマルのままで、筑波サーキット・コース2000を58秒776で走る実力を持っている
展示車は今後のアタックのためにHKSスポーツタービンキット「GT4845」が装着されている仕様。パワーアップするのは当然だが、単に速くなったというだけでなく、パワーを上げたことでクルマ全体にどのような影響があるかもチェックしていく

 こちらも単純にパワーを上げるだけでなく、サーキットならではの縦、横それぞれで最大Gがかかったときにクルマがどのように変化するかを考えながら開発を進めている。実際に先日、筑波サーキット初トライながら58秒776という非常に速いタイムをマークしている。この車両はエンジン本体とターボはノーマル(展示車は東京オートサロン2026に合わせてターボをHKSのスポーツサーキットGT4845に変更している)。そしてシャシーではハイパーMAX Rサスペンスキットやカーボンブレースなどを装着。タイヤはアドバンA050(F:295/30R18、R:265/35R18)を使用といわゆるライトチューンである。この仕様で筑波サーキット1分切りはおどろきの結果である。

 今後GT4845スポーツタービンキットでの走行が行なわれるが、ここではタイムアップを狙うというよりも出力を上げることでクルマのバランスはどのように変化するか、どこに負担がかかってくるかを検証し、次のパーツ展開を進めていくとの説明だった。なお、開発の進み具合はHKSの公式XやYouTubeにて紹介していくという。

 この後はパーツの紹介が行なわれた。まずは日本精機が展開するブランド「Defi」とのコラボレーション企画の第2弾となる追加メーターセットである。

 内容は60φエレクトロニクスメーターのブースト計(200kPa)、油温計、水温計とコントロールユニットのセットで、ポイントは過去にHKSが展開した電子式メーターのデザインを踏襲したオレンジ文字タイプを採用していること。ネオクラシックカーなどの室内にもマッチする旧車をイメージしたビジュアルや、HKSの歴史をオマージュしたものになっている。

Defiとのコラボレーションモデル「HKS ADVANCE LINK METER SET」。ブースト計、水温計、油温計とコントロールユニットがセットになっている
Defiとの協業の第1弾「Defi Sports Display F」はF-CON V Pro(HKS製チューニング用EUC)と連携させることを目指して開発している
日本だけでなく海外での需要も高いRE(ロータリーエンジン)チューニング。そこに向け強化コイルを開発中。振動の影響を受けやすい取り付け方なので、振動に強い作りとしつつ、筐体に使っている樹脂を抵抗の高いものとすることでリークしない設計としている
大容量化が困難な直噴インジェクターを使用するエンジン向けに開発している「パワーエディターR」という追加インジェクターのコントロールキット。追加インジェクターは懐かしい技術の印象もあるが、直噴インジェクターエンジンが増えている時代に再び脚光浴びている。また、ポートやバルブをガソリンで洗浄する働きも追加できる
「走り心地がいい」をキーワードに開発されているハイパーマックスSサスペンションキット。こちらがリニューアルされて、ユーザーから高い評価を受けている部分をさらに伸ばすため「フラットライド」のテーマで改良を行なった。発売時期は4月ごろを予定
HKSは早い段階から車検に通るスポーツキャタライザの開発を進めてきたメーカーだ。最新のモデルは触媒の作りを追求することで、排気抵抗が少ないながらキャタライザとしての性能も十分に発揮するものとなっている。また、性能が良くても耐久性が低くては意味がないので、長く使えることを考えて作られているそうだ
次世代レース燃料「CNR」。HKSは以前からチューニングカー、レース用燃料を製造販売していた。これらのノウハウと環境への影響を最大限に抑えることをミックスした次世代レース燃料となる。燃料性能の見極めの1つとなるノッキング限界性能では、市販のハイオクガソリンに対して約6度もの進角効果を確認している
深田昌之