長期レビュー

マツダ「アテンザ ディーゼル 6速MT」カスタマイズリポート

その12:10km/h以下はサイドカメラ、それ以上ではメーターになるレーダー探知機レビューの巻

都内の会社まで走ってみた

 どーも、Car Watch編集部の瀬戸です。前回前々回とアテンザにサイドカメラとそのモニターとしてレーダー探知機を組み合わせることで、駐車場出し入れの10km/h以下ではサイドカメラの映像を、それ以上の速度ではマルチメーターとして車両情報を表示させてみるというネタをやっておりますが、今回はそのレビュー編です。自宅から会社までアテンザで走ってきました。

 使っているのはデータシステムの全車種対応サイドカメラ「SVC260II」と、セルスター工業のレーザー式オービス対応セーフティレーダー「ASSURA AR-W86LA」です。レーダー探知機といえばオービスを知らせるものですが、AR-W86LAの待ち受け画面を車速によって切り替えられる機能を使うことで、それ以外のときの使い勝手がすこぶる便利になりました。

データシステムの全車種対応サイドカメラ「SVC260II」と、セルスター工業のレーザー式オービス対応セーフティレーダー「ASSURA AR-W86LA」、そのオプションのコネクター変換ケーブル「RO-106」、OBD2アダプター「RO-117」を装着しました

ほぼデフォルトの設定で走り出す

 不要不急の外出自粛中ということで我が社もテレワーク中ですが、会社へ忘れ物を取りに行く必要があって、レーダー探知機を取り付けたばかりのアテンザで会社までひとっ走りしてきました。人との接触は極力避けたいので、オフィスが休みの土曜日に移動。でもって奥さんにも協力してもらってレーダー探知機の画面を撮りながら行こうとあいなりました。

 いやー、やっぱ便利です。サイドカメラが便利! 速度で勝手に切り替わるメーター表示も便利!! で、少し走ると早速警報が。案内はこの先でシートベルトのチェックをやっているポイントがあるといった内容。確かにその先で時々おまわりさんがいることがよくありましたが、あれシートベルトのチェックだったのかと、へぇーと思いながら走ります。

起動後、停車時や出庫時など10km/h以下ではサイドカメラの映像
走り始めて10km/h以上になるとメーター表示に
しばらく走ると次々と警報が。取り締まりポイントや携帯電話待ち伏せなど、CGで警告される(デフォルト設定の場合)

 高速道路に入ると画面上に制限速度が出るようになります。「俺のアテンザが最新CX-5に負けない性能を手に入れたぜ」とニヤリ。いいね、いい。この視線移動の少なさ。まさにHUD感覚。なんとなく使っていると、やっぱり速度だけどかーんとでっかく表示する画面でもいいのかもとか思ってみたり。ダウンロードコンテンツにそういった画面があったので、そのうちそれに変えてみるかもしれません。

 なんていい気分だったのはここまで。高速に乗るとなんだかひっきりなしに警報が表示されます。しかも一般道の取り締まりの警報が。なんだよ、高速道路なのに一般道の警報いらないだろ!と。

 ちなみにこの時点では表示の項目設定はちょこちょこいじったものの、警報の種類や度合いはデフォルトにしてありました。で、確認したところ、デフォルトではロード自動選択というモードがOFFに。そこでこれをONにすると、走っている道が高速道路か一般道かを自動判別して、不要な警報を出さないようになるようです。

高速道路に乗ると右上に制限速度が表示される
高速道路なので高速道路の取り締まりの警報も出るが、一般道の警報も出る……、なぜかと思ったら設定の問題でした

GPSや気圧センサーの精度が高い!!

 ということで設定を変えてみると、この機能が実に秀逸!! 当然重要なのは今一般道を走っているのか高速道路を走っているのか判定する精度なワケですが、気圧センサーによって道路の高さも認識するので、一般道と高速が併走しているような状況でもちゃんと認識してくれるのです。今回走った中にそうしたシチュエーションがあったのですが、高速から降りたときは一般道モードまではならずALLモード(一般道も高速も両方警報する)に切り替わり、再び高速に乗ると、坂を登り切ったところでハイウェイモードに切り替わりました。この場所は据え置きのカーナビでもよく間違える場所なので、この精度の高さにはびっくりです。

ロード自動選択をオンにすると走っている道路によって警告する内容を絞り込める
右上の「HI」の文字が高速道路という認識をしている証。高速に乗るとタイムリーに切り替わった
「CI」は一般道の意味。どちらとも判断ができない場合は「ALL」になることもある

 それともう1つ驚いたのがトンネルでの反応。なんとトンネルに入ってしばらくしたら画面の明るさが夜モード(暗い)に切り替わったのです。本体には輝度センサーのようなものはなさそうだし、OBD2コネクターからヘッドライトの情報を見ているのかとも思いましたが、これ、GPSの信号を受信できないことでトンネル内と判断したとのこと。GPSの精度も高く、いま高速道路のどこを走っているかも分かっているはずなので、こういったことができるんですね。これまた驚きです。

いざオービスでの反応は?

オービスの2km手前から警告が始まる。GPSで位置を見ているのでオービスまでの距離も細かく出る

 そして首都高速3号線のループコイル式オービス。近づくと最初は待ち受け画面いっぱいにCGが表示され、次いでそのCGが小さくなってマップに取り締まり機の位置が現われます。合わせて制限速度やオービスまでの距離を表示。音声案内は2km手前と1km手前、500m手前、200m手前の4回。さらに通過した直後は通過した時点の車速も表示します。

 これはデフォルトの設定の場合で、CGの代わりにカメラの映像を出したり、逆にテロップ表示のみで待ち受け画面(今回の場合はメーター)を表示し続けるモードもあります。個人的にはテロップ表示と音声だけで十分だと思ったので後ほど設定を変更。

レーダーを受信した警報。ここはループコイル式なので誤報かな?
デフォルトではNシステムも知らせる。色が黄色でオービスなどとは色味で区別されている模様
設定を変更して警報時もメーターを表示する形に。これで十分だと思う
一般道のLHシステムを通過したところ。通過時の速度も表示される
一般道の一時停止待ち伏せエリアの警告
高速道路走行中にレーダーを受信

 それと移動式オービスの目撃情報なども随時更新されるようで、第3京浜から横浜新道に乗り換えるところで新型取締機の警告が出ました。確かに調べたところ横浜新道の側道で移動式オービスの目撃情報があったので、そのデータが反映されているのだと思います。頻繁にデータ更新されることの強みですね。これにはちょっとびっくり。

キター!! 新型取締機設置ポイント。横浜新道の側道で移動式オービスの目撃情報があるので、その位置情報からだと思われる

 案内は女性の声の他に男性の声やキャラ、英語なども選べます。加えてマナーモードにすると、音声ではなくメロディで案内することも可能。レーダー探知機は高性能であることも重要ですが、あんまりうるさいのも困るので、このあたりの設定が充実しているのはありがたいです。

 AR-W86LAには大きく4つのモードがあって、全部警報を鳴らすモードと、デフォルトの標準設定、そしてカスタムモードが2つ。カスタムモードだとどの取り締まりまで警報するかや、レーダー受信感度、ロースピードキャンセルの速度なども細かく設定できるので、このあたりはじっくり好みで選択して、たとえば普段使いのほとんど警告しないパターンをカスタム1に、初めて行く場所でちょっと不安なときのパターンをカスタム2に設定しておけば、使い分けができそうです。

 それとこうした細かい設定はPCを使ってやったほうが楽ですね。専用サイト「MyCellstar」に本体の端末IDを登録すると、PCで行なった設定を無線LANなどで転送できるようになります。本体じゃないとできない設定もありますが、警報に関連する部分はPCでまとめて設定するととても楽です。

今回1日走ってみて、いるものいらないものが見えたところで自宅のPCで腰を据えて設定。設定したデータは無線LAN経由で本体に送れます

レーダー探知機として以外でも役立つ性能

 高速道路を走っていて便利だなーと思ったもう1つの機能が、制限速度が下がったときの案内。東名高速から首都高速に入ったり、第三京浜から横浜新道への接続など、高速道路上で制限速度が変わることはしばしばありますが、そういった制限速度が下がった時に案内してくれるものです。

制限速度が下がるときの案内が結構便利

 また、走行中の警報とは違った部分ですが、リマインダーの機能もなかなか便利そうです。アテンザにも定期点検や空気圧、オイル交換の時期を通知する機能はありますが、AR-W86LAにはオイル交換、オイルエレメント交換、タイヤローテーション、バッテリー交換、車検、点検、免許更新、記念日、誕生日の9項目を日付や距離で設定が可能。車検や免許更新などが入っているのはなかなかよさげです。

距離や日付で設定可能な多数のリマインダー機能、車検とか免許更新があるのはちょっと安心

 サイドカメラもやっぱり便利ですね。役立つのは家の駐車場だけかと思っていましたが、今回使って感じたのがゲート式の有料駐車場での出口。駐車場によっては曲がりながらゲートに入るようなレイアウトだと、料金支払機へ寄せきれず、ドアを開けないと手が届かない……、なんてことがあります。しかしそんなときにサイドカメラの映像が出ると今まで以上に料金支払機へ幅寄せできるようになるわけです。こんな時にも10km/h以下で自動にサイドカメラに切り替わることのメリットが出てきます。

地下駐車場なので暗くて見えにくいですが、料金支払機に幅寄せするときにもサイドカメラが活躍!!

自分好みにますますカスタマイズ中

 実際に走ってみて早速設定をいろいろと変えてみています。すでに一般道の取り締まり系はほとんどOFFですね。シートベルトや飲酒など絶対にあり得ないですし。ただ、一方通行や一時停止などの取り締まりは、初めての人がうっかりやりそうな分かりにくいところに限って取り締まりをやっているので、カスタム2ではONにしておいて、不慣れな道を走るときはカスタム2を選ぶつもりです。

カーロケや検問、無線などかなりの多機能ですが、個別設定でいらなそうなものはOFFにできます

 それと、実際に走ってみて当初より取り付け位置を少し運転席寄りにしてみました。ガラスへの映り込みが気になるかと思っていたんですが、思いのほか気にならないので、視線移動がより少ない正面寄りに移動しました。HUDを使ったことがある人なら分かると思いますが、これの視線移動の少なさがとても便利です。

微妙にですが、取り付け位置を少し右寄りに。これでますます視線移動が少なくなりました
ついでに配線を通すセンタースピーカーカバーも、リューターで削って配線の逃げを作りました。まだ若干浮いているのでもう少し削ってもいいのかも

 ということで3回に渡ってお届けしたレーダー探知機&サイドカメラで、駐車場ではサイドカメラ、普段は見やすい位置のマルチメーター、そして最新のレーザー式オービスのも対応のレーダー探知機の三役として使い倒すプロジェクトは大満足の結果になりました。組み合わせるカメラはサイドカメラじゃなくてフロントカメラなどと組み合わせた使い方でもいいかもしれません。見通しのわるい交差点などで速度に応じてカメラに切り替わるのできっと便利なはずです。レーダー探知機というとスピードを出す人のものと思われがちですが、そうではない人にとっても使い勝手の向上や安全運転のためにオススメできますよ。

瀬戸 学