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三菱自動車、第1四半期決算で燃費不正問題の損失1323億円に

営業利益への影響64億円、特別損失1259億円を計上

2016年7月27日 発表

三菱自動車工業株式会社の2016年度第1四半期(2016年4月1日~6月30日)決算説明会。左から、専務執行役員 経営企画本部長 黒井義博氏、取締役 副社長執行役員の池谷光司氏、専務執行役員 経理本部長 野田浩氏

 三菱自動車工業は7月27日、2016年度第1四半期(2016年4月1日~6月30日)決算を発表。売上高は4287億円(前年同期比14%減)。営業利益は46億円(同75%減)、経常利益は44億円(同82%減)、四半期純利益については1297億円の赤字となった。

 営業利益では、日本での燃費不正問題による軽自動車の生産・販売停止のマイナス影響や市場措置費用の増加などが影響した。また、燃費不正問題に関わる損失としては、通期見通しで示した特別損失1500億円のうち84%となる1259億円を計上、営業利益への影響64億円を含めると1323億円の損失となった。

 2016年度通期の連結業績見通しについては、売上高1兆9100億円(前年度比16%減)、営業利益250億円(同82%減)、経常利益320億円(同77%減)、当期純利益はマイナス1450億円と、6月22日に公表した内容に変更はないとしている。

 同日、決算説明会が開催され、取締役 副社長執行役員の池谷光司氏、専務執行役員 経営企画本部長 黒井義博氏、専務執行役員 経理本部長 野田浩氏が出席した。

 説明会では期間中の販売台数が報告され、グローバル全体では前年同期比16%減の22万1000台となった。日本での販売状況は、登録車は前年同期並となったが、軽自動車は生産・販売停止の影響により前年同期を大きく下回り、同43%減の1万台(登録車6000台、軽自動車4000台)となった。

 北米は「アウトランダー」を中心に販売が好調に推移したことなどにより、同5%増の3万7000台。欧州は、経済停滞の続くロシア市場で販売台数が落ち込んだものの、西欧でアウトランダーの販売が増加したこともあり、欧州全体では同15%減の4万7000台。アジアでは、インドネシアで「パジェロスポーツ」の販売が好調に推移し、さらにタイやフィリピンでは「ミラージュ」「アトラージュ」の販売が増加したが、中国では2015年10月から始まった小型車減税の対象車が少なく、アジア全体としては同8%減の7万1000台となった。

 その他地域では、市場の景気低迷により中東・アフリカ、中南米で販売が伸び悩み、地域全体で同26%減の5万6000台となった。

 説明会では、7月5日に販売を再開した三菱ブランドの軽自動車の販売状況に関して、7月25日現在で「ekワゴン」が743台(前年比84%)、ekスペースが341台(前年比56%)を販売したことが明らかにされた。

 また、水島製作所における軽自動車の生産状況については、7月4日に生産のトライアルを開始以降、7月26日時点で累計生産台数が約3900台になることが示された。今後の生産計画として7月は約5000台、8月は約5000台、9月には約1万台を見込むという。

三菱自動車工業株式会社 取締役 副社長執行役員の池谷光司氏

 軽自動車の販売状況について、池谷氏は「受注に関しては、おかげさまで前年比で2倍近い受注を頂いている。これは4月の不正発覚後、お待ちいただいたお客様からあらためて受注を頂いたり、あるいは私どもの社員、水島地区の協力業者の皆様から大変な協力を頂いていることが、かなりの部分を占めていると思っている。この先、当然のことながら販売については厳しい状況が続くと思っている。登録車についても新しい受注を取っていくには十分覚悟して、楽観せずに信頼回復を突き詰めたい」と話した。

決算プレゼンテーション資料