ニュース

マクラーレンのロン・デニス氏、自動運転の将来について話す

NTTコミュニケーションズ 庄司社長の基調講演でデニス氏と対談

2016年10月6日 開催

マクラーレン・テクノロジー・グループ エグゼクティブチェアマンのロン・デニス氏

 マクラーレン・テクノロジー・グループ エグゼクティブチェアマンのロン・デニス氏が10月6日、NTTコミュニケーションズの「NTT Communications Forum 2016」にスペシャルゲストとして登場して、自動運転の将来などについて話した。

 デニス氏は、NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 庄司哲也氏による基調講演にスペシャルゲストとして登場。マクラーレン・ホンダ F1チームとNTTコミュニケーションズは7月8日に3年間のテクノロジー・パートナーシップ契約を発表しているが、庄司氏とデニス氏の対談で、両社のパートナーシップの狙いなどについて語られた。

 対談のなかで庄司氏から「我々もIoTのなかでコネクテッドカーという世界にチャレンジしているが、自動運転の将来について伺いたい」とデニス氏に質問が投げかけられた。

 デニス氏は「自動運転は大きなチャレンジである。生産テクノロジー、360度センサーをクリーンに維持して、一貫して安定してシグナルを出し続けることは課題になると思う。自動運転はクルマの世界を超えて生活の一様式になると思う。私の予想ではあるが、(自動運転に必要となる)高速のデータ処理、パラメーター、完全に信頼できるデータ、これから乗り越えるべき自動化技術は、これは非常に早く生まれると思います」との考えを示すとともに、「自動運転の行く末を必ずしも楽しみに待っているわけではない。デバイスというは主人になってはいけない。人間の下僕にならなければならない」などと感想を話した。

 そのほかにも今回の対談では、庄司氏から「マクラーレンはレースで培ったデータアナリティクスをリアルビジネスに展開できないかと模索しています。ビッグデータを高速に処理して、そこから得られた知見をデータベース化し、アナリティクスで将来の予測を見つけるノウハウを、リアルビジネスに使えないか。マクラーレンファミリーとのあいだで世界展開できないかと検討している」などと、マクラーレン・テクノロジー・グループで展開している事業などが紹介された。

 今回のパートナーシップについて、デニス氏は「庄司さんの話のなかで、テクノロジーを担う我々の企業の責任は、人間の将来の最適化のためでなければならないという話を聞いて、今回の協業の追加的な側面を伺え、今回のパートナーシップはポジティブであると感じた」と感想を話した。

 一方の庄司氏は「私は1976年に富士スピードウェイで日本グランプリが開催されてからのフォーミュラ1のファン。ロンと関係を構築できるのが嬉しくて、NTT Comの社長になったことよりも嬉しい」と基調講演を締めくくり、会場を沸かせた。

左からエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長の庄司哲也氏、マクラーレン・テクノロジー・グループ エグゼクティブチェアマンのロン・デニス氏
会場に展示されたF1マシン
マクラーレンF1チームの展示