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モデリスタ、LEDを多用した新型「C-HR」用カスタマイズパーツ
大きく方向性を変えて仕上げた2種類の“スペシャリティクーペ C-HR”
2016年12月14日 13:30
- 2016年12月14日 発売
- 7560円~18万3600円
トヨタモデリスタインターナショナルは12月14日、トヨタ自動車から同日発売された新型コンパクトSUV「C-HR」に対応する各種カスタマイズパーツを発売した。価格は7560円~18万3600円。基本的なエクステリアスタイルとして、先進的でダイナミック感を持たせた「BOOST IMPULSE STYLE(ブースト インパルス スタイル)」、洗練された上質を求めた「ELEGANT ICE STYLE(エレガント アイス スタイル)」の2タイプのデザインを用意している。
ブースト インパルス スタイルを構成する基本パーツは、フロントスポイラー(塗装済み8万8560円、素地8万2080円)、サイドスカート(塗装済み5万760円、素地3万8880円)、リアスカート(塗装済み5万8320円、素地5万1840円)となっている。加えてフロントグリルガーニッシュ(3万7800円)、フェンダーガーニッシュ(2万7000円)、バックドアスポイラー(塗装済み3万9960円、素地3万2400円)が用意されている。
エレガント アイス スタイルも基本はフロントスポイラー(塗装済み5万7240円、素地5万760円)、サイドスカート(塗装済み5万760円、素地3万8880円)、リアスカート(塗装済み4万5360円、素地3万8880円)という3アイテムの構成だ。さらにエレガント アイス スタイルを引き立てるアイテムとして、ミラーガーニッシュ(1万7280円)、サイドドアガーニッシュ(3万4560円)、ドアハンドルガーニッシュ(7560円)が用意されている。
また、両タイプ共通のアイテムとして、LEDミラーカバー(塗装済み5万8320円、素地5万2920円)、LEDトップノットアンテナ(塗装済み2万7000円、素地2万5920円)、マフラーカッター(2万8080円)、LEDライセンスランプ(8640円)があり、さらに19インチアルミホイール&タイヤセット(29万9160円)と、17インチアルミホイールセット(12万4200円)が設定されている。
これまでにないほどデザイン案を重ねて製作
モデリスタがC-HR用エアロパーツを2バージョンにした理由は、C-HRを選ぶユーザーのボリュームが広いと判断したため。そこで同じクルマ用でありながら、完全に違う世界感でデザインを分けていくことにして作られたのがブースト インパルス スタイルとエレガント アイス スタイルだ。ただ、ベースとなるC-HRのデザインは今までのトヨタ車とは違う路線であり、モデリスタのデザイナーが見てもデザイン的にやりきっている印象を受けたという。
また、トヨタではC-HRのことを「クロスオーバー」と表現しているが、モデリスタではC-HRのことを「スペシャリティクーペ」という見方をしている。これはC-HRがクロスオーバー然としたアクティブなクルマというイメージは持ちつつ、それにプラスしてクーペのスポーティさや上質感を与えたいという考えから「スペシャリティクーペ」ということなのだ。こういったバリエーションを持たせることで、購入を検討する段階でカタログを見ながら、C-HRに対する興味をより深く持ってもらえるのではないかと解説された。
それらを踏まえて今回のエアロパーツ2種類をデザインしたのだが、まずブースト インパルス スタイルはその名のとおり、ブーストする、高まるというイメージを持ってもらうため、アグレッシブでスポーティ、先進的なラインを意識している。対してエレガント アイス スタイルは、C-HRの独特なデザインに合わせながらモデリスタらしさを前面に出したデザインとなっている。
とはいえ、前述のとおりC-HRのデザインはやりきっている印象なので、どこか足りない部分を補うという手法でスタイルアップすることは難しい。モデリスタのデザイナーもそこが一番苦労したとのことで、しかも2パターンを用意する必要があるだけに「過去に携わったどのクルマ用よりもデザイン案を描いた」ということだった。
それでも社内での検討時に「本当にこれでいいのか?」という声が出たり、かっこいいかかっこわるいかという表現になると判断基準が千差万別なので、今回のC-HRのようにひと筋縄ではいかないクルマが対象だとまとまらなくなってしまう。そこでC-HR用エアロパーツについては、デザインのコンセプトを直感的にイメージしやすい言葉で示すことになった。それが“ブースト インパルス”であり、“エレガント アイス”である。こうした共通語を持ったうえでデザインを検討していくと「ここはもっとブーストしたほうがいいんじゃない?」とか、「これはアイスと言っているがアイスには見えない」など、方向性がぶれることなくブラッシュアップさせていくことができたという。こういった取り組みは大変だったというが、製作に関わる大勢の人の認識が統一されているなかで徹底的にデザインを行なえたので、これまでになく「やりきった感」のある作業になったとのことだ。
ちなみにC-HR用のブースト インパルス スタイルとエレガント アイス スタイルのデザインは、モデリスタのデザイナーである古長力氏が手がけている。古長氏が最近好んで使っている自身のデザイン術は、立体的な形状を作るときに凸型の部分は小さいアール、凹型の部分は大きいアールにすること。その理由は、小さいアールの横に大きなアールを持ってくると小さいアールがよりシャープに見えるためで、フロントスポイラー、サイドスカートのセンター部などにこの手法が見られる。
そのような手法も採り入れて造形されたエアロパーツだが、実際にクルマに装着したときの見え方を決めるために色分けの手法も使っている。
例えばフロントスポイラーでは、斜め前から見ると前方への張り出しが大きく見えるのだが、近づくと実はそれほどでもないことが分かる。これがボディ色とブラックアウトの色分けによる効果だ。
このような視覚的な効果はほかにも随所に盛り込まれていて、とくに効いているのがサイドスカート。背が高くサイドビューに厚みもあるC-HRでは、単純にサイドステップを追加すると横から見た感じがボテッとしてしまいがちだが、モデリスタのサイドスカートはセンターをブラックアウトして、視覚的な厚みを出さずに車高の低さ感とスタイリッシュさをアップさせているのだ。
また、機能的な部分ではブースト インパルス スタイルのフロントスポイラーにLEDイルミネーションが埋め込まれているが、LEDユニットを収めるため取り付け部分にそれなりの厚みが必要になる。しかし、だからといってリップ部を伸ばしすぎれば下品なイメージとして受け取られることもあるし、裏側には純正バンパーが残っているので奥に追い込むこともできない。そんな理由から、LEDユニットの位置や周辺の造形は、デザイン画から3D化するときもかなり苦労したそうだ。ただ、完成してみると最初に社内会議でOKが出たデザイン画をかなり忠実に再現できたという。これは元のデザインが優れていたこともあるが、造形の過程においても妥協がなかったという証拠だろう。
デザイナーの古長氏によれば「モデリスタのパーツはベース車があって初めて成り立つものなので、ベース車からの代わり映えも大切ですが、やはりマッチングがなにより重要。イメージを変えてもいいけど、ボディのある部分から突然違う世界観になるのはNGなので、デザインするときはノーマルのラインとのつながりを大事にすることがポイントです」と説明された。
ただ、一体感を出しすぎても代わり映えしなくなるので、効果的にキャッチになる造形を盛り込むのだという。これが分かりやすいのはブースト インパルス スタイルにある逆三角のフェンダーガーニッシュ。単体で見ると少し派手な印象もあるが、フルキットで装着された全体として見ると、なるほど効果的なアクセントになっているのが理解できる。
このように作り込みされているモデリスタのブースト インパルス スタイルとエレガント アイス スタイルは、見る距離や角度などによって印象が変化するようなデザイン手法が施されている。それだけに、実車を目にする機会があれば細かい角度のバランスまでこだわったデザインの妙をじっくりと見ていただきたい。