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クラレの液状ゴム「液状ファルネセンゴム」、ダンロップ「ウインター マックス 02」が自動車用タイヤで初採用
ゴムパウンドの硬化抑制で氷上グリップ性能の「効きの長持ち」を実現
2017年2月20日 17:53
- 2017年2月20日 発表
クラレは2月20日、自社の「液状ファルネセンゴム(LFR:Liquid Farnesene Rubber)」が、ダンロップ(住友ゴム工業)から2016年8月に発売された新型スタッドレスタイヤ「ウインター マックス 02」に高機能化添加剤として採用されていることを発表した。なお、ファルネセンを原料とした液状ゴムが自動車用タイヤに採用されるのは今回が初めてとのこと。
クラレでは2011年に米国 カリフォルニア州に拠点を置くバイオテクノロジー企業のアミリスと共同開発契約を締結。アミリスが保有するバイオマス原料であるファルネセンを、重合に適した純度まで精製する技術やLFRとして合成する技術を確立。さらにLFRの分子仕様とゴムコンパウンドに配合したときのさまざまな特長の関係性を見出し、タイヤメーカーに対して提供を開始している。
自動車用タイヤとして初採用となったウインター マックス 02では、発酵技術でサトウキビから製造されるバイオマス原料となるファルネセンを使うLFRをゴムコンパウンドに添加剤として配合。従来の「液状イソプレンゴム(LIR)」などと比較して大幅に粘度が低いLFRによって高い可塑性が得られ、氷上などの低温下でも柔軟性を維持して微細な凹凸のある凍結路面に密着し、氷上でのグリップ力を高める。
また、分子量などを最適化したことで加硫時に固形ゴムと完全に反応。オイルのようにゴム表面に染み出すことなく固定され、経年変化によるゴムコンパウンドの硬化を抑制できる。これにより、長期間に渡って氷上グリップ性能を保つ「効きの長持ち」を実現している。
この発表のなかでクラレは、これまでにLFRのさまざまな特長を見出しており、今後もタイヤだけでなく多岐に渡るユーザーの要求性能に合わせてLFRの分子設計を最適化して、用途展開を進めていくとしている。