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「S字ちかっ!」パドックとS字が3倍(以上)近くなった鈴鹿サーキット S字トンネルを歩いてみた
どれだけ近くなったか既存の「逆バンク」「1-2コーナー」の2ルートと比較
2017年4月17日 11:45
4月8日に2017年のSUPER GTが開幕。次の国内ビッグレースは鈴鹿サーキットで4月22日~23日に開催される「2017 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」。国内最高峰フォーミュラレースのスーパーフォーミュラと2輪最高峰のJSB1000の共演だ。
この鈴鹿2&4を観戦しに行くという人に朗報がある。今シーズンから鈴鹿サーキットでは、パドックとS字観戦席を結ぶ「S字トンネル」を一般開放した。このルートを通るとパドックから東コースS字観戦エリアは劇的に近くなる。今回は注目のS字トンネルについて詳しくお伝えしよう。
今シーズンから一般開放されたS字トンネルは新設されたものではない。かなり昔からトンネル自体は存在していて、報道カメラマンなどの関係者用の通路として利用されてきた。これまでは整備されておらず、暗いトンネル内はしみ出した水が乾くこともなく、晴れた日でもS字側の階段下には水たまりができていた。
それが一般開放にあたってトンネル内を整備。S字観戦席の下段にある金網を一部取り除き、観戦エリアとトンネルを結ぶことで新ルートが開通した。今シーズン、S字トンネルが利用できるのは以下のレース開催日となっている。
4月22日~23日 2017 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース
6月2日~4日 2017 FIM アジアロードレース選手権シリーズ 第3戦
6月10日~11日 スーパー耐久シリーズ2017 第3戦 SUZUKA
7月27日~30日 2017 FIM 世界耐久選手権 最終戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース
8月26日~27日 2017 SUPER GT Round6 インターナショナル SUZUKA 1000km
10月21日~22日 2017年 全日本スーパーフォーミュラ 最終戦 JAF鈴鹿グランプリ
11月4日~5日 MFJ全日本ロードレース選手権 最終戦 スーパーバイクレースin鈴鹿
11月18日~19日 SUZUKA Sound of ENGINE 2017
このように、F1日本グランプリ以外の主要レース・イベントで利用できる。まずは「S字ちかっ!」の看板をじっくりと見てみよう。
看板が置かれていた場所はパドックトンネルを抜けてエスカレータを登ったところ。センターハウスのロータリー付近だ。ここからS字の観戦席(D席)まで270mとなっている。同じ看板にはパドックトンネルが230m、GPエントランスから1~2コーナー経由でD席まで1500m、逆バンク経由で900mとなっている。GPエントランスからパドックトンネルの入り口が約100mなので、GPエントランス~パドックトンネル~S字D席までは新ルートなら600mとなる。では、実際にS字トンネルの様子を見てみよう。
S字トンネルでパドック~S字スタンドの移動が3分46秒
では、S字トンネル開通でパドック~S字間がどれくらい近くなったか、実際に歩いてみよう。スタート地点はパドックトンネルの出口、「S字ちかっ!」の看板前だ。
スマホを撮影するために一瞬だけ立ち止まったりしながら3分46秒。歩行速度は人それぞれだとは思うが、階段などの高低差を抜きにして270mを逆算すると、歩行速度は4.3km/h。健脚の人なら3分半も夢ではない!?
逆バンクルートも歩いてみた
比較するために別のルートも歩いてみた。次のルートは逆バンク側のトンネルを抜けるルートだ。ピットウォークに参加したことがある人はご存じかと思うが、観覧車付近から逆バンク方面に抜けるトンネルの中間部分からピットレーンに登るスロープは開放される時間が決まっている。
常に通過できるルートではないが、ピットウォーク開催時などに利用すると観客席とパドック側がグッと近くなるルートだ。このルートも「S字ちかっ!」看板前からスタートして歩行時間を計測してみた。
スタンド最下段のS字トンネル入り口を目的地にする必要はないと思うので、逆バンクルートの歩行時間はスタンド最上段に到着した11分47秒。S字トンネルルート(3分46秒)の3.1倍、時間差は8分となった。このルートのGoogleマップ上での距離は960m。階段がなくフラットな部分が多かったこともあるのか、歩行速度は4.9km/hと速めになった。
完全に後悔! GPスクエア~2コーナールートも歩いてみた
3月に開催されたファン感謝デーのメディアセンターでの会話。
編集長「S字トンネルってのができたらしいよ」
筆者「関係者トンネルを一般開放するんだ。写真撮っておきますね」
編集長「“ファン感”の記事に入れといて」
筆者「面白そうだから実際に歩いてネタ(記事)にしますか?」
編集長「いいね。ヨロシク」
その場の思いつきで軽く提案したことを筆者は後悔している。3月上旬に開催されたファン感謝デーは、晴天に恵まれて暑かった。
最後はパドックトンネル~GPスクエア~2コーナー~S字ルート。約1.5kmとこの日最長のSS(?)だ。スタート地点はこれまでと同様に「S字ちかっ!」看板前。エスカレーターを下ってパドックトンネルを抜け、GPスクエアに出て1~2コーナー方面をグルっと回ってS字スタンドを目指した。
スタンドの入り口まで19分。このGPスクエア~2コーナールートはS字トンネルルートの約5倍となった。Googleマップ上の距離は1520m。歩行速度は4.8km/hだった。
これで3回の計測が終了。S字トンネルがなかったら東コースまでグルッと回らないとパドックに戻れないが、S字トンネルを抜けてサクッとパドックへ。「S字ちかっ!」を痛感した。
鈴鹿2&4はパドックパスを持ってS字トンネルへ
当然だが、レースイベントでS字トンネルを利用するためにはパドックパスが必要となる。最後に鈴鹿2&4のパドックパスの情報をお伝えしておこう。
2日間有効となるパドックパスの価格は大人(中学生以上)7200円、子供2000円。パドックの入場に加えてピットウォーク、激感エリア、ピットビル3階のホスピタリティテラスに入場できる。
パドックパスとS字トンネルを活用すれば、日曜日のピットウォークに参加したあとにホスピタリティテラスでスーパーフォーミュラのスタートシーンを観戦し、順位が落ち着いたところでS字イン側の激感エリアに移動。さらにS字トンネルを抜けてS字アウト側のスタンドで観戦という、従来では不可能だったような移動が可能となる。
パドックパスは現在発売中。オンラインショッピングサイト(MOBILITY STATION)のほか、ローソン、ミニストップなどで購入が可能だ。詳しくは鈴鹿サーキットのホームページで確認していただきたい。