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【インタビュー】MOVIN'ONの開催意義をミシュラン ブランドコミュニケーション担当 Claire DORLAND CLAUZEL氏に聞く
2018年もモントリーオールで開催を予告
2017年6月20日 18:47
- 2017年6月13日~15日(現地時間) 開催
仏ミシュランが主催した持続可能なモビリティに関するサミット「MOVIN'ON 2017」(現地時間:6月13日~15日開催)は、31カ国以上から科学者、起業家、クリエイターなど4000人以上(同社発表による)の参加者が集まった。
MOVIN'ONは、同社が同様のテーマでこれまで実施していた「ミシュラン・チャレンジ・ビバンダム」から名称を変更して開催されたもので、イベントのテーマには「野望から行動へ」という意味合いが込められた。
開催地となったカナダ モントリオール市は、2020年までに1990年比で温室効果ガス排出量を30%削減する目標を掲げて輸送機関の電化に取り組んでいて、会場にはモントリオール市長のDenis Coderre氏も駆けつけた。
イベント期間中の会場内メインステージには、日本から環境省 地球環境審議官の梶原成元氏が登壇したほか、Toyota Research InstituteのJack Endo氏が登壇するなど、各国の政府関係者や自動車メーカーのキーマンなど、官民を越えた参加者が集まった。
また、参加者たちの交流の場として、持続可能なモビリティに向けた具体的な解決策としてのクリーンモビリティ、規制やインセンティブ政策など、主要なテーマについてディスカッションやディベートなども展開され、最終日の閉会の席でミシュラングループCEO Jean‒Dominique Senard氏からは、MOVIN'ONが2018年に再びモントリオールで開催されることが発表された。
なぜミシュランがこのようなイベントを開催したのか、ミシュランのブランドコミュニケーションを担当するClaire DORLAND CLAUZEL氏に話を聞いた。
──MOVIN'ONのテーマである将来の持続可能なモビリティを考えたときに、これまでの自動車メーカーとタイヤメーカーの関係性について、どのような変化が起きると考えていますか?
CLAUZEL氏:ミシュランとしては、タイヤは単純な1つのパーツととらえるのでなく、クルマを構成する重要なパーツであると認識していて、これまでも車両メーカーと強い結びつきでタイヤを開発してきました。実際のビジネスにおいても“こういったタイヤにするべきでないか”とミシュランから提案するというケースがあり、新型車にミシュランのタイヤが採用されたとリリースするのも、新しいクルマに新しいタイヤがついたというだけでなく、自動車メーカーと共同開発したという象徴的な事例なのです。
今後の自動車開発は、今まで以上に協業による開発の領域が広がっていくと考えています。タイヤに関して言えば、自動車メーカーがタイヤに求める技術的なニーズも高くなっています。ですので、我々タイヤメーカーとしても新たなテクノロジーを取り入れていかないと、将来のクルマに適合するタイヤを開発できない環境に置かれる可能性があります。
──持続可能なモビリティというテーマが、今後のビジネスにおける1つのメッセージになる?
CLAUZEL氏:もちろんYes。将来のモビリティを考えるとき、継続的なモビリティの発展にミシュランがどのように寄与するかということには、まずはビジョンが必要です。将来のビジョンの中からイノベーションや新しいテクノロジーをインストールした商品が誕生するはずですし、それが商品として成り立っていれば会社の成長にも必ず寄与するはずです。将来のクルマやモビリティの変化を見通さないと、新たな製品開発はできないですし、将来的に顧客のベネフィットになる提案もできなくなります。
ですので、将来のモビリティの発展に向けてミシュランの責任も大きくなっていると考えています。だからこそ「MOVIN'ON」と、こういったカタチでミシュランが自ら率先して、新しいテクノロジーの誕生やイノベーションを起こそうとすることで、将来の持続可能なモビリティの実現に向けた活動の布石になると考えています。