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三菱電機、電動化・自動運転・コネクテッドの開発成果を集約した「EMIRAI4」東京モーターショー2017で展示
HMI技術やドライバーモニタリングシステムなどの次世代技術を紹介
2017年10月17日 13:24
- 2017年10月16日 発表
三菱電機は10月16日、神奈川県鎌倉市にある同社研究所で記者会見を開催。同社が開発し、10月25日~11月5日(プレスデー:10月25日~26日、一般公開日:10月27日~11月5日)に東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催される「第45回東京モーターショー2017」で展示する予定のコンセプトカー「EMIRAI4(イーミライフォー)」を公開した。
EMIRAI4はAR対応HUD(ヘッドアップディスプレイ)やノブオンディスプレイなど最新のHMI技術を活用したコクピット、広角カメラを利用したドライバーモニタリングシステム、他車や歩行者に運転意図や状態を知らせるライティング技術など、同社が開発した技術をプレゼンテーションする目的で作られたコンセプトカー。記者会見では、実際のコンセプトカーを利用したデモなども行なわれた。
AR対応HUD、ノブオンディスプレイ、クロッシングディスプレイを採用
記者会見では、三菱電機 自動車機器事業本部 自動車機器開発センター 開発第二部長 渡部秀雄氏が、EMIRAI4の開発を行なった経緯や技術的な概要などに関して説明を行なった。
渡部氏は「EMIRAI4はスマートモビリティ時代に向けたコンセプトカー。電動化、自動運転、コネクテッドの3つの開発成果を集約している」と述べ、今回EMIRAI4を開発したのは、三菱電機が開発した次世代技術をプレゼンテーションするためだと説明した。渡部氏はその主な特徴をHMI(Human Machine Interface、人間と機械の接点)技術、ドライバーセンシング技術、ライティング技術の3つだと述べ、それぞれ説明を行なった。
HMI関連では、AR対応HUD、ノブオンディスプレイ、クロッシングディスプレイの3つを採用しているという。AR対応HUDでは、高精度3Dマップと高精度測位技術を利用して、HUDに道路のデータをARとして重ね合わせて表示する。「悪天候や雪で車線が見えない場合などに車線をARで表示する」(渡部氏)といった用途を考えているという。なお、後述するドライバーセンシング技術と連動しており、どのドライバーが運転しているかを自動車が自動で判別し、ARがきちんと道路に合わせて表示されるようにシート位置なども自動で調整される。
HMI2つめはノブオンディスプレイだ。これは回転ホイール形のデバイスをディスプレイ上に置き、ホイールを回転させたり、その周辺にボタンを表示することで操作するデバイス。「タッチだと手がどこにあるか分からないが、タッチに加えてノブを用意することで、手元を見なくても操作することができる」(渡部氏)というメリットがある。なお、ホイールはディスプレイのどこに置いていても操作できるが、今回のコンセプトカーではディスプレイの下段を横方向に移動することだけが可能になっていた。
そしてHMI3つめがメーターパネルに採用されているクロッシングディスプレイだ。渡部氏によれば、クロッシングディスプレイとは2枚の液晶パネルとハーフミラーを利用したディスプレイで、2枚の液晶パネルが縦と斜めに配置されており、2種類の画像が重なって表示されるというもの。「斜めの画面には車両周囲の状況を表示し、縦には注意喚起などを見やすく表示できる」(渡部氏)という特徴を備えている。また、画面左右の下部にはサイドミラーの位置にあるカメラからの画像も表示されているなど、車両の周囲の状況をひと目で把握できるようなメーターパネルになっている。
運転席と助手席の両方をカバーする広角カメラによるドライバーセンシング技術
ドライバーセンシング技術としては、インパネ中央に広角カメラが設置されている。渡部氏によれば「1台の広角カメラで運転席、助手席両方の乗客をモニタリングする。それによりシートの位置を自動で設定したり、居眠り運転や脇見運転などをチェックして安全運転に貢献する」とのことで、カメラにより運転席と助手席の乗客を判別し、シートなどを好みの位置に自動で設定したり、手動運転モードのときはドライバーが脇見や居眠り運転などをしていないかなどをモニタリングする。デモでは、自動運転から手動運転への切り替えを行なうときに、ドライバーが脇見をしていない、居眠りをしていない、ハンドルを握っている、この3つが整った場合のみ手動運転へ切り替える様子がデモされた。
また、ライティング技術では、車両の左側後部に用意されているプロジェクター機能を利用して、路面に各種情報を表示する機能が用意されている。デモではドライバーが車両に近づくと鍵が開く様子や、逆に降りるときには後続車にドライバーが降りようとしていることが分かるように表示され、エレベーターがある方向が表示される様子などが公開された。