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【スーパーフォーミュラ最終戦 JAF鈴鹿グランプリ】チームタイトル獲得の立川監督と、2位ガスリー選手、3位ローゼンクヴィスト選手のコメント
「ヨーロッパのレーサーがもっと参戦してほしい、素晴らしいシリーズ」とガスリー選手
2017年10月23日 14:17
- 2017年10月21日 予選
- 2017年10月22日 決勝は中止
10月22日の決勝レースがキャンセルされ、石浦宏明選手(2号車 P.MU/CERUMO・INGING/TOYOTA RI4A)がチャンピオンに輝いた「第16回JAFグランプリ 2017年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦」。記者会見には、チームタイトルを獲得したP.MU/CERUMO・INGINGチームの立川祐路監督と、チャンピオンシップ2位となったピエール・ガスリー選手(15号車 TEAM MUGEN/Honda HR-417E)、同3位のフェリックス・ローゼンクヴィスト選手(7号車 SUNOCO TEAM LEMANS/TOYOTA RI4A)が同席した。
ここではその3人のコメント要旨をお伝えする。
チームタイトルを獲得した「P.MU/CERUMO・INGING」チーム立川祐路監督
(レースがキャンセルとなってほとんど自動的にチャンピオンが決まり)結果としてチーム的にはうれしかったんですけど、できれば明日いいレースをして、(チャンピオンを獲ることが)できれば最高でした。ここまでの積み重ねが石浦のタイトルにつながっている。チームスタッフ1人1人と石浦、そして昨年チャンピオンのチームメイト国本(雄資選手)の力もあってのことでもあるので、すべてのスタッフ、チームメンバーに感謝してます。
ドライバーズタイトルは3年連続、チームタイトルは2年連続で獲っているんですけど、楽な戦いをしているわけじゃない。昨年からヨコハマタイヤに変わって、今年もスペックが変わって……というなかで、苦労している部分ももちろんあります。そんななかでもみんなが頑張って仕事をしてくれて結果がついてきているということ。
ただ、ガスリー選手や(ローゼン)クヴィスト選手らライバルが非常に速い。自分は監督だけじゃなくてGTドライバーもやっていますけど、その目線から見ても、1年目でこれだけの成績を残しているのはすごいことです。
そういう選手たちが海外から参戦してくるなかでタイトルを獲るのは大変なことです。それを可能にしているのはエンジニア、メカニック、ドライバー、チームがみんな1つになって同じ方向を向いて勝とうと頑張ってくれている、その結果。今後クルマが変わろうが何しようがうまくやっていけると思います。
ライバルチームや選手も手強いので、気を緩めずに、毎年毎年、前年よりも少しずつでいいからレベルアップする。その積み重ねでここまで来ているので、来年、再来年、その先に向けてもチームとしては前進していくだけです。
ランキング2位、ルーキーオブザイヤー獲得のピエール・ガスリー選手(15号車 TEAM MUGEN/Honda HR-417E)
振り返ると、無限ホンダと素晴らしいシーズンを過ごすことができた。懸命に取り組んで2回優勝でき、ポディウムにも何回か上がることができた。もちろんルーキーオブザイヤーを獲得できたのもうれしい
鈴鹿にはレースをしにきたわけだから、明日のレースがなくなって、最後まで石浦選手と戦うことができなかったのは残念。でも、石浦にはおめでとうと言いたい。チャンピオンシップを戦った速いドライバーたちと一緒にレースができたのは光栄だと思っている。
僕にとっては今シーズン(スーパーフォーミュラに参戦すること)は大きなチャレンジで、実りも多かった。最後まで戦う姿を見せることができなかったのは心苦しいのだけれど、改めてチームやホンダ、日本に来てから僕がベストを尽くせるよう助言をくれた人たちに感謝の言葉を贈りたい。
(海外にいる後輩レーサーに伝えたいことは、と聞かれ)雨のなかの鈴鹿の1コーナーは気を付けてと(笑)。鈴鹿は簡単じゃないことを思い知らされたので。
それはともかく、このスーパーフォーミュラシリーズには、才能ある、経験豊富な速いドライバーが大勢いて、素晴らしいチャレンジングな競争があることは間違いないと思う。僕はGP2やフォーミュラ・ルノーしか乗ったことがないけれど、スーパーフォーミュラのマシンもとてもいい。
鈴鹿サーキットは開幕戦で初めて走ってすごく印象的だったし、オートポリスも好き。こういったサーキットはヨーロッパにはないから。もっとたくさんのヨーロッパレーサーにこのシリーズに参戦することを勧めたいし、僕がそうだったようにたくさんのことを学べて、レース自体も楽しめるはず。来ないとこの興奮は味わえないと言いたい。
ランキング3位のフェリックス・ローゼンクヴィスト選手(7号車 SUNOCO TEAM LEMANS/TOYOTA RI4A)
今日はなんだか混乱する1日だった。でも、予選の状況を見ると、明日のレースでまともにタイトル争いできるとは思えなかったから、たぶん僕は(レースがキャンセルになって)うれしいドライバーの1人なんじゃないか。
振り返ると、2つのことが印象に残っている。(第6戦)菅生でのパーフェクトなレース運び(予選は下位に沈んだが、ノーピット戦略で決勝レースは5位になった)をはじめ、だいたいどのレースでも後ろから追い上げる展開になる面白い1年だった。レースでは何かしらミラクルなハプニングがあって、結果的に3位以内に入っているとか。いずれまたタイトル争いの場に戻ってこられることを願っている。
(日本に来て学んだことを聞かれ)こういったハイパフォーマンスなフォーミュラカーに乗るのはこれが初めてで、すごく楽しかったし、勉強にもなった。時差ボケに効く薬がないことも学んだ。おいしい料理もよく食べた……。
そして、コミュニケーションについては、日本に来た(僕のように文化の違う)ヨーロッパ人にとってはおそらく最も大きな課題だと思う。大変なままにしておくか、なんとかうまくやるかのどちらかだが、僕はすぐにでもいい方向になるよう変えたかった。
今チームを見ても、鈴鹿でのレースを振り返っても、僕達は違う世界にいるみたいだけれど、僕が見たいろいろなものは将来のためになると思っている。