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スバル、不適切な完成検査に関わる実態調査と再発防止策検討結果について報告

社内規程の改定や完成検査ラインなどの色分け、完成検査員に対する講習や試験など改善策を実施

2017年12月19日 発表

株式会社SUBARU 代表取締役社長 吉永泰之氏(左)と、同 執行役員 品質保証本部長 大崎篤氏(右)が記者会見に出席

 スバルは12月19日、群馬製作所の本工場および矢島工場において完成検査員の無資格検査が行なわれた問題で、実態調査と再発防止策検討の結果について発表した。

 スバルは、10月27日に完成検査における不適切事項があったことを発表。10月30日には国土交通省から完成検査の確実な実施を確保するよう業務体制を改善することを指示されるとともに、過去を含めた不適切な完成検査の運用状況などの事実関係の詳細を調査し、報告することなどを要請されていた。それに伴い、スバルは客観的・中立的な立場から検証を行なうため、11月1日に「不適切な完成検査の過去からの運用状況等、事実関係の詳細」の調査を長島・大野・常松法律事務所に依頼し、12月19日に報告書を受領。内容を発表するに至った。

調査報告書について発表する吉永泰之代表取締役社長

 報告書では、完成検査業務における不適切な取り扱いとして、以下の実態があったと指摘。

・社内規程に抵触する登用前検査員(社内規程に従い完成検査員として登用される前の検査員)単独による完成検査行為
・登用前検査員による他人(完成検査員である班長や班長代行など)の印鑑の不適切な使用
・完成検査員以外の従業員が完成検査のラインから一時的に外されるなど、社内外の監査時における不適切な対応
・完成検査員登用手続きにおける不十分な資格講習や登用教育
・試験官が直接または間接的に受験者に回答内容を教えるなど、不適切な終了試験

 さらに、不適切な取り扱いが行なわれていた原因・背景として、以下が挙げられている。

・完成検査業務の公益性・重要性に対する自覚の乏しさ
・現場における過度な技量重視の風土
・「補助業務」の便宜主義的な解釈
・ルールの合理性に対する懐疑
・部署間・職階間のコミュニケーション不足
・完成検査業務に対する監査機能の弱さ

 不適切な完成検査の再発防止策について、すでに実施した主な対応策は以下のとおり。

・社内規程を改定し、「完成検査は、完成検査員が行う。」旨を明記した。
・完成検査員等の配置に関する記録を残すこととし、対応する社内規定を新設した。
・完成検査員の印鑑につき、予備の印鑑は廃棄の上、保管場所等を定め、出納帳により管理することとし、対応する社内規定を新設した。
・完成検査ラインにおいて、床の色分けを用いて完成検査工程を明示するとともに、完成検査員の帽子色を赤色に変更し、完成検査工程における作業を完成検査員が行なっているかを一見して判断できるようにした。
・製造品質管理部に所属する完成検査員に対し、形式指定制度と完成検査の意義、完成検査業務に係る社内規程、自動車の基本構造に関する講習及び自動車の試験法に関する講習及び試験を実施した。
・完成検査の心得等について製造品質管理部部長又は同部担当部長による訓示を行なったほか、各自が検査を担当している工程と工程図及び完成車品質保証票との関連等を記載される実習レポートを作成させた。

 加えて、さらなる再発防止策の提言として「法令の趣旨に則った社内規程の修正と継続的見直し」「継続的なコンプライアンス教育・研修」「部門間及び製造品質管理部内におけるコミュニケーションの活性化」「監査機能の強化」「コンプライアンスの重要性に関する意識改革・トップメッセージ」といった内容が記載されている。

 報告書では、スバルの経営陣が完成検査業務の適正な遂行を確保する前提として、完成検査業務の自体についてより積極的に関心を払っておくべきだったと指摘されているとして、スバルは、完成検査と形式指定制度が有する公共性、ならびに完成検査に自動車ユーザーが期待している信頼に関する自覚が希薄であり、指摘をされたような不適切な完成検査を長期に渡り継続してきたことが紛れもない事実であると正面から受け止め、「自らの手で改善できなかったことを経営陣以下、極めて深く反省しております」としている。

 また、前例踏襲主義など時代に即応しなくなった企業体質を即時に根本から改めるとして、「完成検査業務の公益性および重要性、ひいてはコンプライアンス意識の改善の必要性を説き、従業員全体の意識改革を進めていく」として、「再発防止策を経営陣の責任の下、全従業員が一丸となって徹底的に遂行することで失われた信頼を回復して参る所存です」とした。