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【インタビュー】ランボルギーニ アジア太平洋地区代表のマッテオ・オルテンツィ氏とカントリー・マネージャーのフランチェスコ・クレシ氏に聞く

「ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー」によりウラカンのラインアップは完成

2018年5月28日 開催

「ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー」の発表会後に行なわれたグループインタビューで質問に答えた、ランボルギーニ アジア太平洋地区代表のマッテオ・オルテンツィ氏(左)、ランボルギーニ カントリー・マネージャーのフランチェスコ・クレシ氏

 アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパンは5月28日、3月に開催された「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」で世界初公開した「ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー」を日本初公開。発表会については関連記事の「ランボルギーニ、『ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー』日本初公開。価格は3846万2614円」を参照していただきたい。

 この会場で、4月からランボルギーニのアジア太平洋地区代表に就任したマッテオ・オルテンツィ氏、アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン カントリー・マネージャーのフランチェスコ・クレシ氏に対するグループインタビューが実施されたので、以下でその内容を紹介する。


マッテオ・オルテンツィ氏

――この車両ですが、普通のクーペとオープンの2つがありますが、それぞれ購入するユーザーのライフスタイルにはどのような違いがあるとお考えですか?

マッテオ・オルテンツィ氏:今回リリースしたスパイダーは、クーペのペルフォルマンテでこれまでに実現したものを基本的にそのままご提供するものになります。ですので、クーペと同じようにペルフォルマンテのテクノロジーを最大限に触れていただくということに加え、オープンエアのボディを持っているので、よりライフスタイル寄りになっております。つまり、テクノロジー的なところとライフスタイルの面を上手く両立させているのがペルフォルマンテ スパイダーになります。

――発表会で上映されたムービーでは女性が運転するシーンが登場しましたが、ペルフォルマンテ スパイダーのユーザーターゲットは具体的にどのような年齢層や仕事をしている人を想定していますか?

オルテンツィ氏:これはペルフォルマンテ スパイダーに限らない話ですが、ランボルギーニは「アンジェンダード」という、性別を問わないことを理念としています。われわれのクルマにどんな人が乗るにせよ、特定の性別などに向けているわけではありません。「エモーショナルに運転したい」「自分らしくいたい」「走りを楽しみたい」といった人に向けて作っています。

――今回、ウラカンのペルフォルマンテにオープントップのスパイダーが追加されて、ウラカンは「LP610-4」と「LP580-2」のそれぞれにクーペとスパイダーがあり、6種類になりました。ウラカンのモデルラインアップとしては、この6種類で完成と考えていいでしょうか。

オルテンツィ氏:はい、これで完成になります。「ガヤルド」の時と全く同じような道筋をたどっていて、これまでウラカンには今日お披露目したペルフォルマンテのスパイダーだけがない状態でした。これを加えることで全てがそろうということになります。なので、お客さまは自分の好みに合わせて自由にウラカンを選んでいただけることになります。先ほどの質問の回答とも繰り返しになりますが、本当にパフォーマンスを求める人にはクーペ、オープンエアで運転してライフスタイルを楽しみたい人にはスパイダーといったように使い分けていただければと思います。

フランチェスコ・クレシ氏

――先ほどのプレゼンテーションで、日本市場は米国に次いで第2位の売上になっていると言われましたが、マーケットとしてボリュームが増えている流れから、この2018年、または今後の中期的な販売需要はどれぐらいあると見込んでいますか? 販売目標などがありましたら教えてください。

フランチェスコ・クレシ氏:まず今年ですが、これまで順調に推移していて、2017年は年間で411台を販売しましたが、おそらくこれを超える新記録が出ると見込んでおります。もちろん、今年は3つめのモデル(ウルス)を発表しておりますので、台数が増えることは当然という面もあるのですが、一番難しいのは、市場からの需要とこちらからの供給で適切なバランスをとっていくことが一番の課題だと考えています。

――それは、まだ需要があると見ているということでしょうか。

クレシ氏:ランボルギーニというブランドは需要が高まっており、注目していただいております。新しいファン、新しいお客さまを日々獲得できていて、数年前は本当にニッチなブランドだったのですが、現在ではスーパースポーツカーのセグメントで戦略的な役割を果たすところまで来ていて、マーケットシェアは20%まで来ております。

――オルテンツィさんは日本に来るのは今回が初めてとのことですが、最初に自分がアジア太平洋地区の担当になると知ったときにどのように思いましたか?

オルテンツィ氏:これを聞いたときは嬉しかったです。私は本社で長くキャリアを積んできて、実際に販売している市場の現場に触れたことはありませんでした。いろいろなプロセスを経てこのポジションが私のところにまわってきたということで、各国の市場を理解する本当にいいチャンスだと肯定的に捉えています。また、私はこのアジア太平洋地区がとても好きなのです。ほかの市場と比べて非常に多様性に富んでいると思います。複雑でとても多様なので、そういった市場を束ねて本社との橋渡しをするという役割に、すごくやりがいを感じています。最初の印象としては「アジア太平洋地区は複雑で難しそうだ」というものでしたが、自分としてはそんなところが好きです。

――2月に日本でも発表したSUVの「ウルス」ですが、このモデルにも“ペルフォルマンテ”や“スパイダー”のようなバリエーションモデルを展開する可能性はありますか?

オルテンツィ氏:ウルスのモデルサイクルをどのようにまわしていくかの検討はもちろんしていますが、現時点で派生モデルなどの検討を行なうには時期尚早だと思います。ウルスが持っているキャラクター自体がかなり強いもので、例えば市街地を快適に乗っていただけて、サーキットを走ったり、オフロード走行もできるというフレキシビリティがありますので、派生モデルを出すような緊急性は感じていないですね。ただ、だからといって将来的に何もしないというわけでもありませんので、これからいろいろと検討したいと思います。

――先ほど言われたように、ウラカンのラインアップがコンプリートになり、すでに「アヴェンタドール」もコンプリートしていると思います。あとは新しいモデルとしてウルスがあって、スーパーカーには常にサプライズが必要だと思いますが、次のサプライズは何になるでしょうか。ヒントだけでもいただきたいのですが……。

オルテンツィ氏:それは難しい質問ですね(笑)。それに答えてしまうとサプライズではなくなってしまうので「お楽しみに」ということでお願いします。

今後の「サプライズ」については「お楽しみに」と両氏は笑ってグループインタビューは終了となった

5月28日に日本初公開されたウラカン ペルフォルマンテ スパイダー
ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー
特徴的な形状が与えられた導光式LEDのポジションランプ
タイヤサイズはフロントが245/30 R20、リアが305/30 R20。ブレーキディスクは前後共にカーボンセラミック製
470kW(640HP)/8000rpm、最大トルク600N・m/6500rpmを発生するV型10気筒5.2リッターエンジンを搭載
大理石を思わせる「フォージド・コンポジット」を内外装に多用
空力性能に影響を与えないよう、マフラーエンドをバンパー内に組み込んで高い位置にレイアウトする
ウラカン ペルフォルマンテ スパイダーのインテリア
メーターパネルは全面ディスプレイタイプ
センターコンソールにもフォージド・コンポジットを使用
アクセルペダルはオルガン式
バケットシートのサイドサポートにペルフォルマンテのロゴが入る