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ボッシュとダイムラー、NVIDIAのDRIVE PEGASUSを採用したAI搭載ECUを共同開発

ダイムラーとボッシュがNVIDIAのDRIVE PEGASUSを採用したレベル4、レベル5自動運転車のECUを共同開発することを明らかにした

 メルセデス・ベンツなどのブランドで知られるダイムラー(Daimler AG)と、世界最大級の自動車部品メーカーであるボッシュ(Bosch)の2社は、半導体メーカーのNVIDIAが開発し2018年後半に投入を目指している「DRIVE PEGASUS(ドライブペガサス)」を採用して、AIを利用した自動運転向けECUの開発を行なっていくと発表した。3社の提携は2017年4月にすでに発表されているが、その具体的な製品計画が明らかにされたのは今回が初めてになる。

レベル4、レベル5の自動運転車のコア技術にNVIDIAのDRIVE PEGASUS採用

 ダイムラーとボッシュは、2017年4月にAIを利用した自動運転の共同開発を進めていることを発表しており、その2社に対してNVIDIAがソリューションを提供していくというのはて明らかになっていた。

 メルセデス・ベンツのクルマにはIVIやメータークラスターなどにNVIDIAのGPUが採用されているほか、ボッシュもNVIDIAの半導体ベースの自動運転ユニットの開発を進めている。

 今回新しく発表されたのは、その2社の提携により開発される自動運転の向けのECUが、NVIDIAが提供する「DRIVE PEGASUS」(関連記事:NVIDIA、現行品の約13倍の性能を持つ「DRIVE PX PEGASUS」をドイツで発表。レベル5自動運転が実現可能に)ベースになるという点だ。

 NVIDIAのDRIVE PEGASUSは、同社が開発している自動車向けのSoC「Xavier(エグゼビア)」が2つ、次世代GPUが2つという合計で4つの半導体が搭載されており、現行製品(DRIVE PX2)に比べて320TOPSという約13倍の処理能力を実現することが特徴で、レベル4、レベル5の自動運転を実現することが可能になるとされている。

 NVIDIA 自動車事業 部長 ダニー・シャピーロ氏は「ダイムラーとボッシュがこのDRIVE PEGASUSを採用することで、レベル4とレベル5の自動運転を実現することが可能になる、大きな前進だ」と述べ、NVIDIAにとって両社がDRIVE PEGASUSを採用することが大きなマイルストーンになると説明している。

 ボッシュによれば、ダイムラーとボッシュがDRIVE PEGASUSを利用して開発する自動運転のECUは、効率のよい水冷方式を採用して冷却される予定で、数kmで100GBにも及ぶデータを生成するステレオカメラからのデータやレーダー、ライダーなど複数のセンサーから生成されるデータを20ms以下で処理して、自動車の周囲の状況を判断することができる性能を持つ予定だという。

 なお、両社が開発するレベル4、レベル5の自動運転車がいつごろ市場に登場するのかなどについて言及していないが、NVIDIAのDRIVE PEGASUS自体は今年中に出荷を目指しているとNVIDIAはすでに説明している。